グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

地理部の皆さん

2016年08月14日 | ツアー
先日、城北学園中・高等学校の地理部の皆さんが5日間の合宿に来島し、その中で1日半のジオツアーをリクエストしてくれました。

皆さん毎年地域調査を行い、レポートの作成と文化祭での発表を行っているそうです。

その中で、以下の2つの案内を依頼されました。
1.三原山について(火山地形,植生,ジオパークについて)
2.平成25年台風26号災害について

1日目は8月6日。
到着日の午後の半日ツアーです。

まずは島全体が溶岩でできていることを知ってほしくて30年前に元町に迫った溶岩へ。


その後、砂防ダムへ。

火山の島で、人がどうやって暮らそうとしているのかの現状を見てもらいました。

地層切断面で噴火の履歴を、塩の製造工場で気候風土を利用した地元の産業を、波浮港で噴火と津波と人の暮らしを見て、クサヤ工場(藤文)へ。(塩とクサヤの工場見学は、生徒さんからのリクエストでした)

藤文のご主人は忙しい中、いつもしっかり説明をしてくれるのですが、今回はさらにDVDが設置されクサヤ作りの様子を見られるようになっていました!(ありがとうございますm(._.)m)

生徒さんからは『跡継ぎ問題』や『クサヤ販売の現状』に対し、いくつも質問が出ていました。
(積極的でスバラシイ(^_^))

最後は砂の浜へ。


黒い砂浜のでき方や25年間ウミガメの保護活動をしてきた人達がいること等を、簡単に紹介し…

あとは思い切り『波』と遊びました。

この日は台風5号が接近中で、大きいうねりが入ると白い泡が砂地を登ってくるのが面白かったです(^_^)


2日目は8月9日。
最高気温が33度、弱い南西の風…という、とても暑い日でした。

いつもより休憩を多めに取り、水分と塩分を補給しながら登りましたが…

火口一周コースに着く頃には、かなり疲れている生徒さんも…(^_^;

で、火口を一周するチームと、近い方の展望台で火口をのぞくチームに分かれました。

私はあまり歩かないチームを案内。

火口の奥に、一周チームが点のように見えていました。


裏砂漠は寝転ぶと蒸し風呂のように暑くて、横になって休むことができませんでした。

ここまで暑いのは、ツアー始まって以来かもしれません(^_^;

で…計画を変更し、森を歩くのはやめて早めに宿に帰って涼しい部屋で休憩。
1時間半ほど休んでから、希望者だけ牧場と島の北東の集落巡りをすることにしました。
(午後の参加希望者は20名中8名)

最初の訪問先は…牧場です!
目的は大島牛乳で作ったアイスクリームだったのですが…

何よりも先に、牛舎を調べに行かれたので驚きました。(さすが地理部!)

湧き水で、タオルを冷やし…


木漏れ日が美しい神社で、地域に伝わる民話について話し…


縄文人の住まいを見て、住み心地を評価しあい…(^▽^)


溶岩が堤防の役目をしている港を見て、ツアーは終了しました。


前日はバスで島を一周し、島の東側に「集落がなく崖になっている地形は火山活動が作ったもの」だということを納得していたという生徒さん達。
何気ない風景の中に、たくさんの「!」を見つけていました。

たとえばこの風景に…

「お!テングサだ!!」と皆で興味深そうに撮影。

「あの家の印と同じものが、波浮港にもあった」と教えてくれました。


道路にある通風口から波の音に合わせて空気が出てくるのを発見していました。


何気ない風景の中に、自分の力で「!」を発見する力を持った生徒さん達。
こういう基礎があれば、どこを歩いていても謎解きのワクワクを楽しめるはず(^_^)

「地理とジオパークって楽しみ方がほとんど同じだなぁ」と実感したツアーでした。

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

(カナ)

コメント
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