3月末に開催した、気象庁平山さんによる、第3回火山勉強会の報告です。
前回の様子はこちら↓
http://blog.goo.ne.jp/gscrikuguide6/e/1f83783f3a76e4d40e8072356b637af1
http://blog.goo.ne.jp/gscrikuguide6/d/20170310
まずは3月10日の調査の結果報告。
噴気の量・状態ともに変わらず、シュー!と勢いよく出るような、要注意の噴気はなかったとのこと。
噴気の温度は、火口原西は8度、火口原東は19度前月よりも下がったが、
全体的にじりじり下がってきている傾向から外れるものではないので異常なしとみなす、とのことでした。

崩落など地形の変化も顕著なものはなし、ガスも観測されず。
ということで、ざっとは通常通り、とのことでした。
という事で今回の話題。
前回↓

噴気の量の多い少ないは、気温と関係あるのか?の疑問。
これで「寒いと息を吐いたときに白く見えるのと同じで、気温が低い時は多く出てるように見える」説は完全に否定されました!
しかし噴気の量は日によって本当にコロコロと変わります。その理由は、、、次回に質問します!
と書いたら、今回解説してくれました!
噴気の量が変わる理由は、気温は否定されたのはわかったが、他の気象条件の違いが絡むことはないのか?
というのが、かなりの人が疑問に思っていたことらしく、質問が飛び交いました。
今回の観測結果をベースにして

Q:気圧は関係ないのか?
影響があるとしたら、気圧が低いほうが噴気が出てきやすい。
が、気圧が低い日のほうが噴気が出ていない
Q:風で吹き飛ばされてるのでは?
例えば7mの風で湿度が3~40%とかなら、どんどん乾いた風が送り込まれて、水蒸気としては目に見えない状態になることも考えられる。
が、70%なので、ほぼ考えられない。
Q:風で地表面が冷やされたから?
でももっと風が強い日でも多く出てる時もある。
Q:近日に降った雨の影響は?(これが一番みんなが思っていたことのようです)
2月の観測前8日間の降水量は20ミリ、3月は30ミリ。3月のほうが噴気が出てないのに降水量は若干多いので影響は見えない。
降った雨がどのくらいの時間経過でどの深さまで浸透するのか、はわからないが、
たぶん参考になるのは温泉ホテルの井戸。500メートルくらいボーリングしていて、だいたい海面位の深さ!
そこらへんの深さに水が溜まっているという事は、大体噴気に影響する水も、おそらくそのくらいの深さにたまっているものだろう
少なくとも近日降った雨の量がそのまま影響するという事はないといえるだろう
ということで、もっと山体内部の話のはず、ということです。
実際、現場で観測していても、気象条件は変わっていないのに、一日の中で噴気が止まったり、もわもわと出てきたりしている。
暇があったら一日いて1時間ごとにぱちぱち写真を撮る会をしましょうか、と(笑)
とにかく、気象条件は関係ない、という結論が出せるのではないか、というところで落ち着きました。
そこで、内部で何が起きているのか?を考えます。
まず噴気が上がるには何が必要か?水と温度が必要。
模式的に書くとこうなります

こうなると、右二つの、温度がないパターンは安心できるものの、左から2番目の、「温度があるのに噴気が出ない」
というのは、 噴気が上がっているところ=噴火の可能性が高いところ ではないにせよ、気になります。
そこで浅間山の例がでました。浅間山は火口の底に穴が開いていて、そこからかなりの温度が放出されている。
その上を雲が通ると、明らかにこの熱によって上昇気流が起こって、もこもこ~と雲が立ち上っていくそうです。
(最近の温度は浅間山の火山活動開設資料を見ても載ってなかったのでわかりません。他の資料で2004年の噴火直後は約600度、その後下がっても300度というのはわかりました。)
しかし大島三原山では、一番温度の高いところの一番高いときでも100度弱、おおむね熱が低いために、そのようなことは理論上も起こらないし、観測もされていない。
なので温度があるのに、水がないから噴気が出てない、というのはなさそうだ、とのことです。
そして出る場所タイミングは、むしろ地下構造の複雑さが大きく影響しているのではないか、と。
水と温度がある場所からまっすぐの通り道で噴気が上がっていれば、素直に連続して出てくるが、
平山さんが書いているように通り道が曲がっていれば、上のほうにいったん溜まって溢れだしたり、何かの衝撃でいっぱい出たり、と不規則になる。
おそらくこのようになってるだろう、とのことでした。

なるほど、と個人的には納得できました。
とにかくもやもや出る噴気はこのように気まぐれなので、
「シュー!!っと勢いよく出てたら要注意」という事だけ注意してみていれば大丈夫とのことです。
今回、おそらくにせよ、納得できる結論がでた事がおもしろかったです。
あと、有感地震が3月14日にあったことについても盛り上がりました。
が、続きは次週!
(とりあえず今のところは噴火につながるものではありませんのでご安心ください)
(あい)
前回の様子はこちら↓
http://blog.goo.ne.jp/gscrikuguide6/e/1f83783f3a76e4d40e8072356b637af1
http://blog.goo.ne.jp/gscrikuguide6/d/20170310
まずは3月10日の調査の結果報告。
噴気の量・状態ともに変わらず、シュー!と勢いよく出るような、要注意の噴気はなかったとのこと。
噴気の温度は、火口原西は8度、火口原東は19度前月よりも下がったが、
全体的にじりじり下がってきている傾向から外れるものではないので異常なしとみなす、とのことでした。

崩落など地形の変化も顕著なものはなし、ガスも観測されず。
ということで、ざっとは通常通り、とのことでした。
という事で今回の話題。
前回↓

噴気の量の多い少ないは、気温と関係あるのか?の疑問。
これで「寒いと息を吐いたときに白く見えるのと同じで、気温が低い時は多く出てるように見える」説は完全に否定されました!
しかし噴気の量は日によって本当にコロコロと変わります。その理由は、、、次回に質問します!
と書いたら、今回解説してくれました!
噴気の量が変わる理由は、気温は否定されたのはわかったが、他の気象条件の違いが絡むことはないのか?
というのが、かなりの人が疑問に思っていたことらしく、質問が飛び交いました。
今回の観測結果をベースにして

Q:気圧は関係ないのか?
影響があるとしたら、気圧が低いほうが噴気が出てきやすい。
が、気圧が低い日のほうが噴気が出ていない
Q:風で吹き飛ばされてるのでは?
例えば7mの風で湿度が3~40%とかなら、どんどん乾いた風が送り込まれて、水蒸気としては目に見えない状態になることも考えられる。
が、70%なので、ほぼ考えられない。
Q:風で地表面が冷やされたから?
でももっと風が強い日でも多く出てる時もある。
Q:近日に降った雨の影響は?(これが一番みんなが思っていたことのようです)
2月の観測前8日間の降水量は20ミリ、3月は30ミリ。3月のほうが噴気が出てないのに降水量は若干多いので影響は見えない。
降った雨がどのくらいの時間経過でどの深さまで浸透するのか、はわからないが、
たぶん参考になるのは温泉ホテルの井戸。500メートルくらいボーリングしていて、だいたい海面位の深さ!
そこらへんの深さに水が溜まっているという事は、大体噴気に影響する水も、おそらくそのくらいの深さにたまっているものだろう
少なくとも近日降った雨の量がそのまま影響するという事はないといえるだろう
ということで、もっと山体内部の話のはず、ということです。
実際、現場で観測していても、気象条件は変わっていないのに、一日の中で噴気が止まったり、もわもわと出てきたりしている。
暇があったら一日いて1時間ごとにぱちぱち写真を撮る会をしましょうか、と(笑)
とにかく、気象条件は関係ない、という結論が出せるのではないか、というところで落ち着きました。
そこで、内部で何が起きているのか?を考えます。
まず噴気が上がるには何が必要か?水と温度が必要。
模式的に書くとこうなります

こうなると、右二つの、温度がないパターンは安心できるものの、左から2番目の、「温度があるのに噴気が出ない」
というのは、 噴気が上がっているところ=噴火の可能性が高いところ ではないにせよ、気になります。
そこで浅間山の例がでました。浅間山は火口の底に穴が開いていて、そこからかなりの温度が放出されている。
その上を雲が通ると、明らかにこの熱によって上昇気流が起こって、もこもこ~と雲が立ち上っていくそうです。
(最近の温度は浅間山の火山活動開設資料を見ても載ってなかったのでわかりません。他の資料で2004年の噴火直後は約600度、その後下がっても300度というのはわかりました。)
しかし大島三原山では、一番温度の高いところの一番高いときでも100度弱、おおむね熱が低いために、そのようなことは理論上も起こらないし、観測もされていない。
なので温度があるのに、水がないから噴気が出てない、というのはなさそうだ、とのことです。
そして出る場所タイミングは、むしろ地下構造の複雑さが大きく影響しているのではないか、と。
水と温度がある場所からまっすぐの通り道で噴気が上がっていれば、素直に連続して出てくるが、
平山さんが書いているように通り道が曲がっていれば、上のほうにいったん溜まって溢れだしたり、何かの衝撃でいっぱい出たり、と不規則になる。
おそらくこのようになってるだろう、とのことでした。

なるほど、と個人的には納得できました。
とにかくもやもや出る噴気はこのように気まぐれなので、
「シュー!!っと勢いよく出てたら要注意」という事だけ注意してみていれば大丈夫とのことです。
今回、おそらくにせよ、納得できる結論がでた事がおもしろかったです。
あと、有感地震が3月14日にあったことについても盛り上がりました。
が、続きは次週!
(とりあえず今のところは噴火につながるものではありませんのでご安心ください)
(あい)