グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

オオシマザクラ物語(2017)

2017年04月25日 | 植物
今年は4月も島に不在がちで、4年前から毎年会いに行っているオオシマザクラの木に、なかなか会えませんでした。

30年前の噴火で流れた溶岩の上に、たくましく生きているオオシマザクラ。
一昨年も、昨年も、8個だけ花を咲かせていたオオシマザクラ。
「今年はどうなっているのだろう?」と、ずっと気になっていました。

…で、おとといの日曜日の午後、やっと会いに行ってきました!

三原山周辺の桜は、ポツポツ咲き残っているものもありました。


花が散って、既に実が膨らみかけているものもありました。


「これから会いに行くサクラも、花は無理でも花茎は残っているだろうから、何個咲いたかはわかるはず」…そう考えながら歩きました。

私がずっと観察しているサクラは、この景色の奥の…

ゴツゴツした溶岩の上に生きています。

周囲の環境はこんな感じ。

溶岩の凹みには、植物がまとまって生えています。

おお〜!

1年ぶりの再会です!!

パッとみた感じでは、花は既に終わっているようでした。
でも目を皿のようにして調べてみたら…

花のあとが2つ、見つかりました。
え?
2つ?

一昨年も、昨年も、8つの花を確認したのに、今年は2つ??
桜の花って増え続けるのではなくて、減るのでしょうか???

「いや、数日前の暴風雨で落ちたのかも?」と思って木の下を調べましたが、花が咲いていた証拠は見つかりませんでした。

花茎をちょっと引っ張ってみましたが、シッカリ枝についていて、ちょっとやそっとでは落ちそうにありません。

では鳥かリスか猿に食べられた?
いやいや、それも考えにくいような気がします(可能性はゼロではないとは思いますが…)

なぜなら動物たちにとって、こんな目立つ場所にわざわざ数個の花を求めてやってくるというのは、危険すぎると思うので。私が鳥やリスや猿なら、花もいっぱいあって隠れる場所もある森のサクラを食べると思います。

その証拠に、この場所とは違う環境の森の中の地面には、普通に風で散ったと思われるサクラの花びらの他に…


花茎の根元から取れたものや…


花だけスッポリ抜いて捨てた状態のものが散乱している場所もあります。


でも…もしも風でも動物の仕業でもないとしたら、なぜ今年の花は2個だけなのでしょう?
咲かなかったのか?それとも何かの理由で消えたのか??

ちなみに、今年は私1人で見に行ったので、スケールを持って行きました
(1人じゃなくても持っていけって?…はい、その通りです。すみません^^;)

一番長い枝の高さが187cmでした。

2年前は165cmの身長の人(うちのスタッフ)と、ほぼ同じぐらいだったので、2年で20cmぐらい高くなったと思われます。

しかしこの成長速度、かなりゆっくりです。
同じような荒地に育つオオバヤシャブシは1年で1mぐらい伸びる枝もあるというのに、その10分の1のスピードです^^;

毎年の写真を比べてみました。

2014年4月


2015年4月


2016年4月


2017年4月(一昨日)

う〜む…

よくわからないので、とりあえず考えるのをやめて、サクラのそばでお弁当を食べることにしました。

何しろ1年ぶりに会いに来たのだから、ゆっくり一緒にいないと☺️

オニギリを食べながら、周囲を見回してみたら、ハチジョウイタドリ、ガクアジサイ、サルトリイバラなど様々な植物が何やらすごい勢いで伸びていることに気づきました。


カジイチゴも、あちらこちらで見事に花をつけていました。


そうか、もしかしたら…
オオシマザクラは他の植物たちの成長を待っているのかもしれません。

だって自分だけ背が高くなったら、風の抵抗を受けすぎます。
花をつけてタネを作り子孫を残すよりも、毎年葉っぱをどんどん増やし、強い体を作ろうという戦略なのかも?

元気な葉っぱがワサワサ☺️

来年はどうなっているでしょう?

来年は、もう少し早く、花が咲いている時期に会いに行こうと思います!
1年後の続報お待ちください☺️

(かな)
コメント
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