グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

スミレの「!」と「?」

2020年05月24日 | 植物
先日、店の近くの沢沿いの道を散歩していたら、花が終わった後のスミレが目にとまりました。


近づいて良く観察すると、種子が残っているもの、飛んだ後のもの、これから開くと思われるものなど様々でしたが…


鞘の中に種子がビッシリ詰まっていたスミレが、たくさんありました。

種子の周りを1匹のアリが、ウロウロしていました。

この光景に「エライオソーム」という言葉が、頭に浮かびました。

エライオソームは、スミレの植物の種子に付着している白い部分で、種子をアリに運んでもらうために進化したもの。脂肪酸、アミノ酸、糖からなる化学物質を含んでいる…と言われてます。

それが欲しくてやってきたのでしょうか?
…でもアリは種子を持ち去ることはできず、ただ周囲を歩きまわるだけでした。

翌日も再び、同じ場所で観察!

自然の状態では、鞘が縮み両側からぎゅーっと押されると種子が弾けて飛び出す仕組みのようですが、指でつまんでも同じことが起き…

種子がパチン!と弾けて飛んでいきました。

目を皿のようにして地面を探すと、1mmぐらいの小さな種子がいくつも見つかりました。

確かに白いもの(エライオソーム)がついています。

そして何匹ものアリたちが、この白い部分をくわえて薄茶色の種子を運んでいました!

(アリは左から右に移動中です)

スミレたちはこうやって、鞘を弾けさせて飛ばした種子を、アリによってさらに遠くへ運んでもらっているようです。

スミレ、やるなぁ!

ところでスミレの種子は、弾けると数m飛ぶそうです。
「見てみたいね」という話になり、店に実験場ができました(笑)

店にシーツを広げ、中央に種子がいっぱいついてる実を置いたところ…


30分後にはもうシーツの端まで種子が飛んでいました!

(柳場が指差してるのが種子です)

鞘が縮まり、押されてポンポン飛び出る種子たち。

種子を飛ばす瞬間をビデオに撮ろうと柳場がチャレンジしましたが、一瞬で弾けるらしく「1秒間に15コマの絵の中に映らないほど速い!」と驚いていました。

では島で一番よく見かけるシチトウスミレも、こんな風になるのでしょうか?
近くを探してみました。

❤️の形をした葉っぱがよく目立つシチトウスミレ。
パッと見ただけでは種子は見えてきませんが…

葉をかき分けると、陰に隠れている種子が見つかりました。

最初に観察したスミレ(アツバスミレの可能性あり)と比べると…


種子の数も少ないし、全体に小さい感じです。


シチトウスミレは花はそれなりに目立つのに、種子は何故こんなに控えめなのでしょうか?

数が多いから、あまり分布を広げなくても良いのかな…??

山でも近所でも歩くたびに「!」や「??」が増える毎日です😁

(かな)
コメント
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