閑人の暇つぶし

気ままな自然観察日記 “Idler's idle talk and nature photos”

ヤマアジサイ (1)

2013-06-15 | 樹木・花木
愛知県森林公園の薄暗い林の中でヤマアジサイが木漏れ日を浴びて咲いていた。このヤマアジサイは野生種ではなく、「黒姫」という名前が付けられた改良種のようだ。愛知県森林公園は植物園的な役割も果たしている自然公園だから、それとなく自然風に植えられた植物も多いのだろう。いずれにしても、多くの公園や民家の庭などに植えられている園芸種のアジサイや園芸店などで売られているセイヨウアジサイは、色とりどりの花が豪華で見栄えはするが、それに比べて、このヤマアジサイは改良種とはいえ、名前に“ヤマ”と付いていて素朴なイメージを与えるから、林の中で地味に咲いているのが趣があっていい。雨に濡れていればアジサイらしくてもっといいのだろうが、梅雨の時期なのに、このところ殆ど雨が降らない。













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ユリノキ

2013-06-14 | 樹木・花木
昨日のネジキの花と同様、載せるのがかなり時機遅れになってしまったが、愛知県森林公園で撮ったユリノキの花だ。先月の画像だから、今では花はもう終っている。ユリノキはモクレン科の落葉高木だから、普通、花は高い木の上の方で咲いていて間近で見られることはあまりないが、たまたま垂れ下がった枝で咲いていたので、直ぐ近くから撮ることができた。花がチューリップの花に似ているのでチューリップツリーとも言うし、切れ込みのある角張った広い葉が袢纏を拡げたような形をしているからハンテンボクという別名もある。ミツバチの蜜源にする目的で、原産地のアメリカから輸入して各地に植えられた木だと聞いたことがある。








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ネジキ

2013-06-13 | 樹木・花木
先月下旬に撮ったから半月ほど時機遅れになるが、愛知県森林公園でネジキの花を見掛けたので下からアップで覗いてみた画像だ。ネジキもツツジ科の樹木だから、同じ仲間のドウダンツツジやブルーベリーとよく似た釣り鐘状の五角形の花が実に巧くできていて面白い。花陰で獲物が来るのを待っているのは、小さなカニグモの仲間だろうか。










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ムラサキツユクサ

2013-06-12 | 草花
先月末に例年より早く梅雨入り宣言が出たのに、5日ほど前にちょっと雷雨があった程度でこのところ雨があまり降らないない。台風が近付いているので、その影響で田畑を潤すくらいのまとまった雨が降るのだろうか。ムラサキツユクサは、名前のとおり梅雨時によく似合う花だと思うが、これは雨に濡れた花ではなく、先々週、炎天下の庭で咲いていたムラサキツユクサだ。晴れた日のムラサキツユクサの花では趣がないが、雄蕊の周りにたくさん生えている紫色の毛が面白い。雄蕊の先端の黄色い葯の鮮やかさと紫色の細かな毛で虫の来訪を誘っているのかも知れない。花は晴れた日の早朝に咲いて昼頃には萎んでしまうから、虫も午前中しか集まって来ない。半世紀以上も前の朧気な記憶だが、ムラサキツユクサは、確か中学生の頃の理科の実験か何かの時に顕微鏡で覗いたことがある。何を観察したのかは覚えていない。













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シャガ

2013-06-11 | 草花
昨日は赤い実を載せたものの、虫の画像がずっと続いていたので、また花の話題に戻ろう。雑木林の林縁で咲いていたシャガだ。先月の写真だから、花はもう終っているかも知れない。シャガは中国原産でかなり昔に日本に入ってきた帰化植物だそうだ。アヤメの仲間だが、種ができないそうなので、人為的に株分けされた根茎が次第に伸びて増えていくというから、桜のソメイヨシノのように、全国にあるシャガは全て同じ遺伝子を持っているのだろう。白地に紫色と橙色の模様が綺麗で、その花の色香に誘われていくつかの虫が来ていたが、種ができない花にも花粉や蜜はあるのだろうか。種ができなければ、花は受粉を手伝ってくれる虫に来てもらう必要はないのだが、もしかしたら、薄暗い場所でもよく目立つ花に騙されて集まって来ているのかも知れない。虫が来れば、それを狙っている蜘蛛も棲み着いているようだ。小さくてよく見えないが、5枚目の画像では小さな虫が蜘蛛に捕まってしまったところだ。
















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赤い実

2013-06-10 | 樹木・花木
熟すのはもう少し先かと思っていたら、1ヶ月半ほど前の4月25日に載せたユスラウメの実がもう赤くなっていた。味は甘酸っぱくてけっこう食べられるから、直ぐに目ざといヒヨドリの餌になるだろう。







愛知県森林公園を歩いていたら、散策路脇のウスノキの実が真っ赤に色付いていた。色から判断すれば、もう既に熟していそうに思える。少ししか付いていなかったので“試食”は遠慮したが、ウスノキの実も甘酸っぱくて食べられるという。これもいずれ小鳥の餌になるだろう。ウスノキの花は、この春に同じ場所で見ていたが、写真には撮っていなかった。花は、五角形の実と殆ど同じように薄黄緑色の釣り鐘状をしている。ツツジ科の花はこういう形のものがけっこう多い。赤い実の中央が窪んでいて形が臼のようだというのが名前の由来だそうだが、実の形も樹種によって多種多様だ。




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ムシヒキアブ

2013-06-09 | 昆虫
図鑑を見たらマガリケムシヒキアブのようだ。漢字で書けば「曲毛虫曳虻」。虫などを餌にする肉食のムシヒキアブの仲間だ。写真では近寄って撮っているので大きく見えるが、体長は1.5cmくらいしかなく、ムシヒキアブの中では小さい方だろう。体型はけっこうスマートで全身が長い毛で覆われており、大きな緑色の複眼が綺麗だ。触角も真っ直ぐ伸びて、白い“顎髭”もなかなか格好が良く貫禄があるように見える。名前のとおり、ムシヒキアブは花粉などを餌にしているハナアブなどと違って獰猛で、自分よりも大きな虫でも襲って捕食するそうだ。

最後の画像は虻が“バンザイ”をしているように見えるが、両方の前脚(手?)で入念に口や目の周りを掃除をしているところだ。蝿や虻の仲間はどれも綺麗好きなようで、こういう面白い動作をしている姿を時々見掛ける。










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タイワンタケクマバチ (2)

2013-06-08 | 昆虫
日本在来のクマバチは、キムネクマバチとも言うように、胸の部分が黄色い毛で覆われているが、このタイワンタケクマバチは全身が真っ黒だから、体型は似ていても区別は付きやすい。体長は3cmくらいあり、腹の部分が在来種よりやや細長いように思う。動きは敏速で羽音も大きく怖そうに見えるが、日本の在来のクマバチと同様に、性質は比較的温和しいそうで、触ったり手で掴んだりしない限り、近くにいても襲ってきて刺すことはないという。もっとも、蜂の毒針は♀の産卵管が変化したものらしいから、卵を産めない♂には毒針もなく刺さない(刺せない!)そうだ。それに、攻撃性の強いスズメバチやアシナガバチのように、集団で巣を作って棲む社会性のある蜂以外は、♀でも刺さない蜂がけっこう多くいると蜂に関する本には書いてあった。蜂は“刺す”というイメージが強いが、どうも必ずしもそうではないようだ。











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タイワンタケクマバチ (1)

2013-06-07 | 昆虫
去年の10月3年前の7月にも載せたことがあるが、全身が真っ黒なタイワンタケクマバチだ。これは愛知県森林公園の南門の傍の花壇で見掛けたものだが、名前のとおり、主に中国や台湾にいる外来種のクマバチだ。日本にいるずんぐりむっくりのクマバチよりもやや大きくてスマートで、飛び方も速い。枯れた竹に穴を開けて巣を作ることから、名前に“タケ”と付いている。タイワンタケクマバチはまだ僅か数年前の2006年に豊田市で初めて見つかったそうで、今では岐阜県南西部でも確認されているようだが、その他の地域にまで棲息域を広げているかどうかは、ネットでは記述がなかったので分からない。











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ボリジに来ていたミツバチ

2013-06-06 | 昆虫
豊田市の愛知県緑化センターのハーブ園でボリジが咲いていた。逆光で見ると、ボリジは薄いブルーの花弁が綺麗で毛が光って見えるのがいいと思って撮っていたら、ミツバチが吸蜜に来た。セイヨウミツバチだろう。あまり近付いて刺されるのも嫌だと思っていたが、彼らは人間よりも花にしか興味がないようだ。
















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珍しい蝶 (2) ・・・ ヒオドシチョウ

2013-06-05 | 昆虫
豊田市の愛知県緑化センターで黒っぽい色の蝶と濃いオレンジ色の蝶を見掛けたので、別の種類の蝶だとばかり思って名前も分からないまま取り敢えず撮っておいたのだが、後で図鑑で調べたら、同じ蝶の翅の表裏の違いだけで、いずれもヒオドシチョウのようだった。この辺りではよく飛んでいる蝶かも知れないが、ヒオドシチョウは今まで見たことがない初めての蝶なので、図鑑を見てからあらためて感動している。翅の裏側は地味で目立たないが、翅を広げた表側は実に鮮やかな橙色をしている。ヒオドシチョウは初夏に年1回しか羽化しないそうだから、留まってくれた場所があまり良くなかったものの、もっと粘って何枚も撮っておくべきだったと、今になって思っている。いくつかの県では絶滅危惧種に指定されているそうだ。










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珍しい蝶 (1) ・・・ アカシジミとウラギンヒョウモン

2013-06-04 | 昆虫
たぶんアカシジミだと思うが、この辺りでは普段あまりお目にかかれない珍しい蝶のようだ。尾張旭市の森林公園の散策路脇でたまたま見掛けたので、何だろうかと慌ててシャッターを押したものの、直ぐに林の奥に飛び去ってしまって、残念ながらこの2枚しか撮れなかった。それも1枚はややピント外れだった。トラフシジミと同様に、アカシジミも後翅の尾状突起と黒い斑点模様で躰の前後をカムフラージュしているようだ。幼虫はブナ科のコナラやクヌギ、カシ類の葉を餌にしているという。成虫もそれらの樹木の多い林を主な生活圏にしているそうだ。







同じ森林公園の芝生にけっこう目立つ蝶が降り立ったので、取り敢えず撮ったのだが、後から図鑑で調べてみたら、どうやらウラギンヒョウモンのようだ。よく似た模様の蝶はけっこういるので区別がつき難いが、取り敢えずウラギンヒョウモンとしておこう。もう少し大きく撮ろうと欲張ってそっと近付いたら直ぐに逃げられてしまい、この蝶もこの1枚しか撮れなかった。ウラギンヒョウモンは夏に多く見られるそうだが、気付かないだけだろうとはいえ、この辺りではそれほど多くはない珍しい蝶だと思う。

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テングチョウ

2013-06-03 | 昆虫
頭の先端が長く尖っているので、“天狗の鼻”のようだということからテングチョウと名付けられたという。翅の色は、外敵から目立たないためなのか、裏側は全体が褐色で地味だが、色が薄いのと黒っぽいのがいるようだ。表側は、去年の9月1日に載せたように、褐色の地にオレンジ色の模様がある。これは愛知県森林公園で見掛けたテングチョウだが、暫く待っていたものの、散策路上に留まったまま翅を広げず表側は見せてくれなかった。幼虫はエノキの葉を食べて育つそうだ。










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イチモンジセセリ

2013-06-02 | 昆虫
イチモンジセセリも、このブログには何度も登場しているセセリチョウの仲間だ。直ぐ傍まで近寄っても愛想よくジッとしていることが多く、色は地味だが、目が大きくて愛嬌がある可愛いらしい蝶だ。







これは白い斑点模様がちょっと違うようだから、もしかしたらオオチャバネセセリかもしれない。




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トラフシジミ

2013-06-01 | 昆虫
トラフシジミは、この辺りではそれほど頻繁には見られない珍しい部類に入るシジミチョウの仲間だが、翅の裏側に虎の縦縞模様のようなグレーのストライプ斑があるのが名前の由来だそうだ。シジミチョウの仲間には、後翅の端のオレンジ色の斑紋と尻尾のような尾状突起があって、外敵を欺くためなのか、遠くからはどちらが頭なのか分からないようにカムフラージュしているものが多いようだ。4枚目の画像のように、トラフシジミも躰の前と後がよく似た姿をしている。♀も♂も同じ色と模様で、翅の表側は鮮やかなコバルトブルーのはずだが、なかなか翅を広げてくれなかったので、今回も見ることができなかった。トラフシジミは、翅の裏側の色がこのように灰褐色をした春型のものともっと赤みがかった茶色の夏型があるから、これからは灰褐色に代って茶褐色のトラフシジミが多くなるだろう。










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