私は守旧派だ。『朝日新聞』の今日の記事に、
タワマン続々、児童増加に悲鳴 大阪市、学校新増設へ
があった。
大阪市中心部にタワーマンションが次々と建設され、そこに子どものいる家族が集まる。そのため、小学校などの学校が不足しているというのだ。
石牟礼さんがいう卒塔婆だ。そこにたくさんの家族が住む。
浜松市の駅周辺にもそうしたマンションが増えている。だが、そこに人々の生活があるはずなのに、それが感じられない。多くの人が住んでいるはずなのに、である。人々の住居なのに、ただ建物が建っている。
おそらく高層階からは眺望がきくはずだ。そこから人々の活動を見下ろす。そういうところで、私なら子どもを育てたくはない。家を一歩出れば大地、そういうところがいい。私は守旧派だ。
中心部に人々が回帰している、と新聞は報じる。いや回帰ではなく、まったく別の人々が入ってきているのだ。
浜松駅周辺の都市再開発で住んでいた住人が追い出された。その住人の中には、新しい土地に慣れずに自殺した人もいた。旧来の住人を追い出しておいて、あらたに高層ビルを林立させる。そして一定以上の所得がある人が中心部に入りこむ。
都市再開発は再開発であって、都市計画ではない。駅近くの土地から住人を追い立てて、そこで乱開発させるのだ。人間のためではなく、資本のための再開発である。カネ、カネ・・・・自治体は、その尖兵である。