浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】樋田毅『記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実』(岩波書店)

2018-04-12 10:21:09 | その他
 1987年5月3日、朝日新聞阪神支局に一人の男が侵入し、居合わせた記者3人のうち、ひとりを射殺、もう一人に重い傷を負わせた。後に彼(ら)は、「赤報隊」を名乗る声明を公表した。

 だがその犯人は、いまだ捕まってはいない。

 樋田毅さんは、朝日新聞社内の取材チームの中心人物としてこの事件の捜査(取材)に当たった。その厖大な取材結果を基に、現時点までの、犯人に肉迫してきた経過を記したものである。

 取材チームの主な取材先は、「右翼」と「α教団」である。「α教団」とは、すなわち世界統一基督教神霊協会(むかしは原理研究会、勝共連合などを組織して壺の販売などの宗教活動のみならず、反共産主義、右派的な行動を行っていた。現在は名前を変え、世界平和統一家庭連合となっている)で、右翼活動家とこの宗教組織に対して行われた長期にわたる取材活動のなかで得られた成果を記したものが本書である。

 しかし、今もって、犯人につきあたってはいない。

 今もって犯人が捕まっていないということの理由は、これが権力犯罪であったからではないかという気持ちを私は持っている。昨今でも、国際的にはウルトラ右翼とされている安倍首相の、朝日新聞に対する病的なまでの憎悪が、ときに本人から示されることがある、それも公の場で。そういう姿をみると、犯人は権力機構のなかにまぎれこんでいるのではないか、という思いをすてきれないのだ。

 もちろん本書には、そういう記述はない。朝日新聞警視庁担当の記者による、警視庁への資料提供など、朝日新聞の無様な姿が描かれてはいるが・・・また、もう亡くなった編集委員が、一方で原理運動などを批判する記事を書きながら、他方で統一協会から金銭を得ていたかもしれないという、恥ずべき行為も記されている。その他、朝日新聞が隠したいことも記されていて、朝日新聞を退社したからこそ書けたという内容も多い。

 この事件は、決して忘れてはならない事件であるし、こうしたテロを許容する社会であってはならない。そして犯人を追及しつづけることは当然である。

 本書は、ぐいぐいと引っ張り込まれる筆力を持っている。読むべき本である。



 

 
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安倍内閣と官僚たち・・とにかく隠す、嘘をつく

2018-04-12 10:20:40 | その他
 アベ政権と官僚たちは、すごい人たちだ。隠し、嘘をつく。噓がばれそうになったら少しずつ事実を認めていく。どうしようもない根性である。尻尾を掴まえられたら堂々と真実を吐くべきである。それが、彼らが美化する「武士道」ではないのか。

 情けない、情けない。外国のメディアも報じているだろうが、これこそ「国辱」ものだ。何が「美しい国」か。「噓と隠蔽」の政権を持つ国がうつくしいわけがない。アベ政権は、みずから「日本」という国に泥を塗りたくっているのだ。

愛媛側の来訪 事前伝達 15年3月 官邸側が文科省に

「値引き適正決められぬ」 森友問題 首相、昨年答弁を一転
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加計学園問題、追及の手を緩めるな

2018-04-12 09:24:09 | その他
 一昨日の朝から昨日夜まで、所用で東京に行っていた。その間、ニュースに接することなく過ごしていたが、帰宅して、加計学園問題で大きな進展があったことを知った。

 『朝日』がヒットを飛ばしている。

首相案件文書で安倍首相の虚偽答弁が決定的に! 安倍首相と加計理事長が会食で獣医学部新設を相談していた

 またそれだけでなく、私はまったく興味関心をもたないが、芸能人や歌手などの政治的傾向が「右」的であることが指摘されている。

ゆず「ガイコクジンノトモダチ」はやっぱり「愛国心扇動ソング」だ! 中立を装うもネトウヨ的被害妄想と靖国美化

 しかしこういう人たちは、とりわけ知的である人々でもなく、政治的に的確な判断が出来るような人々ではなく、要するに社会の雰囲気に流されながら生きている人たちだから、社会的風潮が「右」に流れていればそうなる、というだけの話しだ。

 書店に積まれている、ろくでもない雑誌、こういうものもなぜ出版されるかと言えば、売れるからだ。今は「右」がトレンディなのだ。芸能人等も同じ。社会的風潮と共に流れていくと、カネが入るのだ。
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