浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】三浦綾子『母』(角川文庫)

2019-09-23 21:27:49 | 
 小林多喜二について、11月に語らなければならない。若い頃から、いつか多喜二を研究してみたいと思っていたが、それが出来なかった。人びとの前で語るという義務を課さないと、なかなか出来ないものだ。
 昨日からその準備を始めた。すでに私が持っている文献は袋の中にまとめて入れてある。それらを読みこなしていく訳だが、三浦綾子の『母』はもっていなかった。それが昨日届き、早速読んだ。

 三浦綾子はクリスチャンである。クリスチャンである三浦がなぜ多喜二に関するものを書いたのか。1933年に虐殺された多喜二を、イエス・キリストの死と二重写しにみたからだ。多喜二の周辺にはクリスチャンが多い。母小林セキも、クリスチャンになった。

 この本は、母セキが多喜二について語るというかたちで、セキと多喜二の生を描く。

 ここに描かれた多喜二は、聖人のような人物だ。人格的に非の打ち所がない。優しく、明るく、他者を決して手段として扱うことはなく、貧しき人のためにあるべき社会を目ざしてひたすら生きた。

 こうした人物像を、セキの目を通して描いたのだが、三浦はセキから話を聞いたわけではない。多喜二の作品などを読み、それらをもとに、多喜二像をつくりあげたのである。

 三浦綾子の多喜二をみる眼は、母セキのそれでもある。三浦が、慈愛を以て多喜二を描くためには、母セキの眼が必要だったのだろう。

 多喜二を、私自身がどう捉えるか。ひたすら読み考えるしかない。三浦が描く多喜二が、多喜二そのものであったなら、多喜二を人間としてあるべき者として描くしかないだろう。

 共産党員にはいろいろな人がいるが、三浦が描く多喜二は、そのなかで卓越したあるべき党員であるだろう。現実の共産党員たちに辟易することもある私は、共産党員としての多喜二をどう考えるか。曇のない眼でみつめていきたい。

 なおこの『母』は、あまりに多喜二がすばらしい人間なので、途中、途中でたちどまってしまった。

 よい本である。

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安倍首相という人

2019-09-23 09:35:41 | 政治
【悲報】安倍晋三首相の公式ツイッター、千葉県民をブロック・・・ 「台風の被災者に言葉はないのですか」
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安倍首相が購入を約束したトウモロコシ

2019-09-23 09:32:28 | 政治

米中摩擦で余ったトウモロコシ「肩代わり」 日本企業 購入予定「ゼロ」

 トランプへの約束だが、民間企業は買う予定もないようだ。また税金の出動で輸入し、そして処分か?
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これはひどい!

2019-09-23 09:27:13 | 社会

ネットで「淫売」「夫は強姦魔」と誹謗中傷、投稿者との終わりなき闘い 片瀬久美子さん

 相手は、埼玉県在住の60代男性だそうだ。
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『東京新聞』社説 9月22日

2019-09-23 09:17:30 | メディア
 意図は分かるが、材料を入れすぎて主張が薄まっている。


週のはじめに考える 「自由」の自由取り戻す

2019年9月22日


 自由という言葉からは、しなやかさを連想します。ですが最近「表現の自由」は縮こまっているように感じます。こわばりをほどく方法を考えました。

 戦後七十年の二〇一五年、本紙の取材班は一人の男性の戦後を追いました。信州大学教授だった故島田美成さん。息子にも語らなかった戦中の過去がありました。

 生活をありのままに描く指導法が「共産主義を広める」として、北海道の旭川中学の教員や教え子など二十人以上が治安維持法違反容疑で逮捕された生活図画事件。東京美術学校(現東京芸大)を卒業し、徴兵されていた同中学出身の島田さんもその一人でした。
◆秘めた思いがノートに

 事件について調べている東京芸大講師の川嶋均さんが昨秋、遺族の家から一冊のノートを発掘しました。当時の取材ではつかむことのできなかった島田さんの胸の内がつづられていました。

 「汚穢(おわい)船」と題された随筆は、昭和十三年ごろ、隅田川で糞尿(ふんにょう)を運搬する船を見た思い出話で始まります。「人間が喰(た)べるものと出すもののための労働である」。当時、二十代だった島田青年は、そんな感想を抱きながら、川べりで船を眺めていたのです。石炭も船で運搬されていました。陸地へは人がかごにいれて運んでいたのが、やがて機械が導入されたことに触れ「だんだん労働から人間を必要としなくなる時代の始めのような感じがした」と記しています。

 美校時代に描いたそれらの船や千葉・松戸の農民、水戸の海岸の漁民のスケッチはすべて「軍法会議(裁判)で没収されてしまった」とあります。「法律というものはいつでも国家のものであって、庶民のものでないと強く思うのである」
◆ナショナリズムの内実

 ノートに記された日付によれば、随筆が書かれたのは一九九〇年代後半。半世紀たっても残る悔しさが生々しく伝わります。

 今夏、名古屋市で開かれていた企画展「表現の不自由展・その後」が開催から数日で打ち切りとなりました。旧日本軍の慰安婦を象徴した少女像の展示などに抗議が殺到し、その中には脅迫と思われるものも含まれていました。

 近年、憲法や戦争などにまつわる展示や講演会に、行政が「政治的中立性」を理由に後援しなかったり、作品の撤去を要請したりする事例も相次ぎます。戦前の治安維持法とは違い、一種の「空気」によって、意見の分かれる問題について考えたり議論したりする場が縮まっていきかねない風潮に懸念を覚えます。民主主義の足腰の強さにかかわります。

 第二次世界大戦が終わった一九四五年、英国人作家ジョージ・オーウェルは「ナショナリズム覚え書き」という随筆で、異論を認めぬような心のこわばりの根源を見つめようとしています。

 オーウェルは、すべての人間の活動が監視され、日記を付けることも禁止された全体主義社会を描いた小説「1984」で知られますが、行動の人でもありました。

 下級官吏の家に生まれ、名門イートン校を卒業後、英国統治下のインドの一部だったビルマで警官となります。帝国主義に幻滅して職を辞した後は、ロンドンやパリのスラム地区で暮らし、最底辺で生きる人々の苦境をルポルタージュに記しました。スペイン内戦には民兵として身を投じます。

 このスペイン内戦でオーウェルは、戦争の記憶はそれぞれの立場で都合良くとらえられ、歴史が改ざんされる危うさを感じます。

 「私たちみんなの心にあって」「その思考を誤らせるいくつかの傾向」の正体を突き止めることを目的に随筆は書かれました。ここではナショナリズムの意味は自国を愛することにとどまりません。自国を嫌うことも、他の特定の国に入れ込むことも、さらには平和主義も含まれます。当時、平和主義者を名乗っていた人たちは、必ずしも分け隔てなく暴力に非難を向けているわけではなく、特定の大国に批判を向けていると、オーウェルの目には映っていました。

 共通するのは、「個人よりも巨大な何かに仕えているという意識」によって生み出される、「自分が正しい側にいるという揺るぎない信念」です。「巨大な何か」を国家に限らなければ、大きな物語に寄り掛かって安心しようとする心のありようは程度の差こそあれ、多くの人が経験しているのではないでしょうか。
◆小さな物語を自ら紡ぐ

 「自由」にしなやかさを取り戻す一歩は、大きな物語の居心地よさになるべく寄り掛からず、小さな物語を自ら紡ぎ出す営みかもしれません。それは例えば隅田川でスケッチしたり、日記に思いを刻んだりするような。


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支配層は全能だ!

2019-09-23 08:58:56 | 政治
 昨日の『東京新聞』に、当時の東電経営陣に無罪判決が下されたことについての連載記事があった。記事の内容は、福島県大熊町にあった双葉病院。今も高線量で帰還困難区域となっている。

 2011年3月、双葉病院とその系列の介護施設にいた人たち436人が避難しなければならなくなった。医療設備のない観光バスでの避難、44人が亡くなった。

 近くに住んでいた菅野正克さん、裁判を傍聴していた。旧経営陣の3人は、「「無罪は当然」という表情だった」と語っていた。「知らぬ存ぜぬ」を貫き通した旧経営陣。
 
 あの事故で責任をとった者は1人もいない。

 現在の日本、支配層の1人が暴走して親子を殺害しても逮捕もされない、森友・加計の問題でも、支配層に捨てられた籠池夫妻だけが起訴され、悪事を働いた者たちはどこ吹く風というように生きている。

 支配層は今ややり放題である。万能である。犯罪をおかしても逮捕されない、起訴されても無罪になる。支配層とつながるヘイトスピーチの集団は、警察に守られてヘイトスピーチをまき散らす。

 支配層とつながっていればどんな悪事でもゴーサインである。

 支配層は全能だ!!今、日本はそういう社会にある。
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