前回特殊紡績は、①短繊維でも糸にできるので無駄が少ない、②素材の種類を選ばない、③風合いが良いなどの特色があり、資源を無駄にしない伝統技術であるということをお話しました(http://blog.goo.ne.jp/hardworkisfun/e/cf0d31e436d7fa9a193b125c15125c66)。
投入した資源を無駄なく使えるだけでなく、元々が羊毛で毛糸になりにくい短繊維の毛を活用するために生まれた技術ですから、特殊紡績はそもそも資源リサイクルのための技術であるということができます。上のグラフは特殊紡績の糸と新たに紡績した綿糸について、製品ライフサイクル全体で見た場合にかかるエネルギー消費量の比較です(出典:経済産業省『繊維製品(衣料品)のLCA調査報告書』2003年)。
このグラフによると、特殊紡績の場合にかかるエネルギー消費量は新たに綿糸を紡績した場合のわずか6分の1に過ぎません。さらによく見ますと、新たに綿糸を紡績した場合のエネルギー消費量のうち、実に43%はそもそも原料である綿を生産するために投入されたものであることが分かります。すなわち両者の圧倒的な数値の違いは、その大半が綿糸をつくるために新たに資源(綿)を追加投入したために発生したものなのです。環境問題を考える場合、資源やエネルギーの追加投入を抑えることがいかに効果的かつ重要であるかが分かります。この点は「ウエスものがたり」の最終回でお話したことと同じです(http://blog.goo.ne.jp/hardworkisfun/e/4df73a9813270ebb8b01fb155a3fdfdc)。
関連:http://blog.goo.ne.jp/hardworkisfun/e/086fea7c7daf95a9556d6cf73e99066b
さらに2番目のグラフはCO2換算で環境負荷を比較したものです。同様に特殊紡績の環境パフォーマンスが際立っています。ここで新しく綿糸から軍手を生産した場合と、特殊紡績で生産した場合の環境負荷を考えて見ましょう。糸になった後の生産工程について同資料に調査データはありませんが、糸から軍手を編む過程は両者とも同じですから環境負荷は同じとみなして差し支えないと思います。したがって、上のグラフの差がそのまま両者の差となります。
仮に軍手1双の重さを50gとしますと、軍手1双を生産するにあたり発生するCO2は新たな綿の軍手で約38g、特殊紡績の軍手で約6gとなります。つまり、このことは新たに資源を投入して軍手を生産するより、特殊紡績の軍手を使用した方が環境的厚生として約32gのCO2発生抑制につながるということを意味しています。したがって軍手を日常的に使用する方は、ただ特殊紡績軍手に代替するだけで日々の行動をまったく変えることなく1双あたり約32gのCO2発生抑制が可能になると言えるのです。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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投入した資源を無駄なく使えるだけでなく、元々が羊毛で毛糸になりにくい短繊維の毛を活用するために生まれた技術ですから、特殊紡績はそもそも資源リサイクルのための技術であるということができます。上のグラフは特殊紡績の糸と新たに紡績した綿糸について、製品ライフサイクル全体で見た場合にかかるエネルギー消費量の比較です(出典:経済産業省『繊維製品(衣料品)のLCA調査報告書』2003年)。
このグラフによると、特殊紡績の場合にかかるエネルギー消費量は新たに綿糸を紡績した場合のわずか6分の1に過ぎません。さらによく見ますと、新たに綿糸を紡績した場合のエネルギー消費量のうち、実に43%はそもそも原料である綿を生産するために投入されたものであることが分かります。すなわち両者の圧倒的な数値の違いは、その大半が綿糸をつくるために新たに資源(綿)を追加投入したために発生したものなのです。環境問題を考える場合、資源やエネルギーの追加投入を抑えることがいかに効果的かつ重要であるかが分かります。この点は「ウエスものがたり」の最終回でお話したことと同じです(http://blog.goo.ne.jp/hardworkisfun/e/4df73a9813270ebb8b01fb155a3fdfdc)。
関連:http://blog.goo.ne.jp/hardworkisfun/e/086fea7c7daf95a9556d6cf73e99066b
さらに2番目のグラフはCO2換算で環境負荷を比較したものです。同様に特殊紡績の環境パフォーマンスが際立っています。ここで新しく綿糸から軍手を生産した場合と、特殊紡績で生産した場合の環境負荷を考えて見ましょう。糸になった後の生産工程について同資料に調査データはありませんが、糸から軍手を編む過程は両者とも同じですから環境負荷は同じとみなして差し支えないと思います。したがって、上のグラフの差がそのまま両者の差となります。
仮に軍手1双の重さを50gとしますと、軍手1双を生産するにあたり発生するCO2は新たな綿の軍手で約38g、特殊紡績の軍手で約6gとなります。つまり、このことは新たに資源を投入して軍手を生産するより、特殊紡績の軍手を使用した方が環境的厚生として約32gのCO2発生抑制につながるということを意味しています。したがって軍手を日常的に使用する方は、ただ特殊紡績軍手に代替するだけで日々の行動をまったく変えることなく1双あたり約32gのCO2発生抑制が可能になると言えるのです。
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