窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

リサイクル軍手工場を動画で見学

2009年02月12日 | リサイクル軍手の世界
  ナカノ株式会社が担う繊維リサイクル4本柱の一つに「リサイクル軍手の製造・販売」があります。リサイクル軍手といっても再生PETの軍手ではなく、綿などの繊維くずや裁断くずを再生した軍手です。これを特殊紡績(特紡)軍手と呼んでいます。

  服地、繊維くず、裁断くずなどをもう一度綿に戻して再生する場合、綿に戻す過程でどうしても繊維の長さが短くなります。繊維の長さが短いと空気紡績(空紡)では糸が拠れません。そこで紡毛という羊毛の中で短繊維のものから毛糸を作る技術を転用し糸を作ります。これを特殊紡績といいます。今日と異なり、昔は繊維が貴重品でしたからこういう技術が生まれたわけです(http://blog.goo.ne.jp/hardworkisfun/e/c6b42cebfb343a49295b89c404fa8ada)。

  したがって特殊紡績には、

   ①短繊維でも糸にできるので無駄が少ない
   ②素材の種類を選ばない
   ③風合いが良い

などの特色があり、まさに資源を無駄にしない技術ということができます。その反面、空気紡績に比べ生産効率が低いという欠点もあります。

  かつては日本でもこの特殊紡績が盛んに行われ、そこから作られた特紡糸を用いて軍手の他にも絨毯の緯糸、モップ、雑巾などが作られていました。しかし、手間のかかる特殊紡績は国内における繊維産業の衰退、海外からの安価な製品流入、人件費の高騰、後継者問題など様々な理由により次第に衰退し、現在国内でこの特殊紡績を目にすることは非常に少なくなりました(注:勿論今でもやっておられる業者さんはいらっしゃいます)。しかし、特殊紡績は上記①~③の特性から日本の繊維リサイクル発展のためには残さなければならない貴重な技術遺産であると思います。

  ナカノ株式会社ではこの特殊紡績を用いた軍手製造を20年ほど前より海外に生産拠点を移して行ってきました。今回はその特殊紡績による糸から軍手までの一貫生産を行っている、非常に珍しい工場の現場を「オンライン工場見学」という形でご紹介したいと思います。昔教育テレビでやっていた「はたらくおじさん」みたいな動画ですが、是非ご覧ください。

リサクル軍手工場のオンライン工場見学


  繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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コメント (1)
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