窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

Whisky Magazine Live! 2009 ②

2009年02月24日 | BAR&WHISKY etc.


  ウィスキー・マガジン・ライヴへの会場入りに先立ち、11:15~13:15に開催されたアイル・オブ・ジュラのマスタークラスを受講してきました。講師はジュラ蒸留所のマスターブレンダー、リチャード・パターソン氏。今回の数あるマスタークラスでも唯一、そして世界初の2時間に及ぶマスタークラスだそうで、ジュラ蒸留所の意気込みが伝わります。パターソン氏の英語は分かりやすく、しかもユーモアに富んでいたので、話の中にすっかり引き込まれ時間の長さを感じませんでした。



  最初にウェルカムドリンクとして、Jura 10yrs。



  ジュラ蒸留所のあるジュラ島はスコットランドの西側、ピートを強く焚き込んだウィスキーで知られるアイラ島のすぐ北にあります。ジュラとはスコットランドの古語であるゲール語で「赤い鹿」という意味で、現在でもわずか189人の人口に対して6,860頭もの鹿が生息しているそうです。アイラ島と異なり人口が200人いないわけですから、当然ジュラ島に蒸留所はこのジュラ蒸留所のみです。そして蒸留所の周りにこれまた島で唯一となるホテル、パブ、教会があります。スコットランドで寒冷なイメージのあるジュラ島、確かに雪も降るのですが、海流の影響で温暖な地中海性気候らしく夏の写真では蒸留所の敷地に椰子の木が生えていました。



  次に、ニュー・スピリッツの試飲。ニュー・スピリッツというのはポットスチル(蒸留釜)で蒸留して誕生する最初のお酒のことで、写真のように無色透明です。ウィスキーらしい琥珀色がつくのは樽の中で熟成してからのことです。



  ポットスチルは上の写真のような格好をしていて(写真は山崎蒸留所のポットスチルです)、蒸留所ごとに形や大きさが異なります。一つの蒸留所で異なる大きさ、形のポットスチルを使う場合もあります。ポットスチルはいわばウィスキーの象徴的な存在で、スコットランド銀行発行の10ポンド紙幣にはポットスチルが描かれています。なお、ジュラ蒸留所のポットスチルは高さが約8mもある非常に大きなもので、その背の高さゆえにゆっくりとした蒸留ができ、ジュラ独特のなめらかな仕上がりになるのだそうです。

  さてニュー・スピリッツですが、香りは麦焼酎を思い浮かべていただければよいのではないかと思います。味は潮を感じました。アイラ島もそうですが、大西洋の激しい荒波や潮風の影響を感じさせます。実際、蒸留所を取り巻く気候風土はウィスキー作りに大きな影響を与えるそうです。



  3杯目から5杯目は Jura Papsというワイン樽を使った3種類のシリーズ。日本では9月頃発売予定だそうです。"Paps"とは「おっぱい」のこと。ジュラ島の西側に連なる円錐状の3つの山で、標高は730~780m位。それぞれゲール語で「黄金の山」、「海峡の山」、「聖なる山」を意味する"Beinn an Oir"、"Beinn Shiantaidh"、"Beinn a' Chaolais"という名がつけられています。この3つの山に因み、それぞれブルゴーニュワイン、ボルドーワイン、バローロワインの樽で熟成させた異なる個性のウィスキーを発売する予定だそうです。パッケージも山の形が描かれています。さて、乾杯します。スコットランドで乾杯は"Slainte mhor"(スランジバー)といいます。

  最初の「黄金の山」はブルゴーニュ、ピノ・ノワールという黒ブドウで作った赤ワインを熟成させた樽を使用しています。スコッチ・ウィスキーはウィスキーにワインなどを添加してはならないことになっていますが、ウィスキー自体が樽に染み込んだピノ・ノワールの個性を抽出する分には構わないのです。マジパン、パルマスミレ、ブドウの果肉のアロマなんて書いてありますが、僕にはそんな細かいことは分かりません。干しブドウのような香りはします。



  「海峡の山」はボルドー、カベルネ・ソーヴィニョンという僕も好きな黒ブドウ品種の赤ワイン樽を使用しています。こちらは一度香りをかいで先ほどの「ピノ・ノワール」と全然違うのにまず驚きました。これまで、シェリー樽やバーボン樽というような大まかな括りで味の違いを捉えることはしていましたが、同じワイン樽でもブドウ品種が異なるだけでこれ程までウィスキーの個性に違いが出るとは思いませんでした。クラッシックな濃いコーヒーの味、オレンジの皮、挽きたてのコーヒー、ビターチョコと移り変わる魅惑的なアロマだそうですが、少なくとも花のような香り、口当たりはやわらかく、チョコレート、舌の上でプラムのようなフルーツの香りが広がります。これは発売されたらぜひ買いたいと思います(高くないことを祈ります…)。



  「聖なる山」はイタリア、バローロのワイン樽を使用しています。ブドウ品種は聞き漏らしました。タンジェリンやスパイスのニュアンス、バラの花びら、スイカズラ、マデイラケーキ、完熟リンゴの香りだそうで、食後酒に合うとのこと。潮の香り、ややオイリーで余韻は短いのですが、時間をおくとチョコレートのような甘みが出てきます。前の2杯は時間を置くまもなく次のウィスキーが出てきてしまったので感じることができませんでしたが、時間を少し置き、空気を含ませ香りを開けばもっと違ったニュアンスが楽しめたかもしれません。

  繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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