都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
須田国太郎 「書斎」 東京国立近代美術館
東京国立近代美術館
所蔵作品展
「須田国太郎 - 書斎 - 」(1937)
東京国立近代美術館の所蔵作品展に展示されています。同館所蔵の須田国太郎(すだくにたろう、1891-1961)から「書斎」(1937)です。右奥の壁には、画家の横顔が影となって大きく写り、手前の机上には書物や紙などが散乱しています。闇へしみ入る黒の迫力と、須田カラーならぬサーモンピンクも映えた傑作です。
この作品を初めて見たのは、思いがけないほど強く感銘した昨年の大回顧展のことでした。描かれているのは、画家自身による書斎の光景です。机には、写実的に描かれた書物や紙くずなどが無造作に置かれています。その質感は極めて重厚です。右手へと積み重なった分厚い書物の群れもまた、そのズッシリとした存在感を強く思わせていました。また手前にて開かれた書類や、まるでヒヨコが群れているかのような紙くずの山は、今まさに作業に没頭していたであろう時の生々しさを伝えています。書斎にて格闘する画家の気配すら感じさせる作品です。
奥の空間はかなり謎めいています。右奥に画家の影が写っていると気付くまでしばらく時間がかかりました。それに、中央部分に外へと抜けるような場が形成されているのも奇異な印象を与えます。丁寧に写実を見た机上の光景と、まるで草原に巨人の横顔が突き出しているかのような背景の対比が、この作品を謎めいた世界へと誘ってくれました。
須田は私にとってかけがえのない画家の一人です。3月4日まで展示されています。
*関連リンク
須田国太郎展(東京国立近代美術館、2006年1月-3月)
*関連エントリ
「須田国太郎展」 東京国立近代美術館 1/21
所蔵作品展
「須田国太郎 - 書斎 - 」(1937)
東京国立近代美術館の所蔵作品展に展示されています。同館所蔵の須田国太郎(すだくにたろう、1891-1961)から「書斎」(1937)です。右奥の壁には、画家の横顔が影となって大きく写り、手前の机上には書物や紙などが散乱しています。闇へしみ入る黒の迫力と、須田カラーならぬサーモンピンクも映えた傑作です。
この作品を初めて見たのは、思いがけないほど強く感銘した昨年の大回顧展のことでした。描かれているのは、画家自身による書斎の光景です。机には、写実的に描かれた書物や紙くずなどが無造作に置かれています。その質感は極めて重厚です。右手へと積み重なった分厚い書物の群れもまた、そのズッシリとした存在感を強く思わせていました。また手前にて開かれた書類や、まるでヒヨコが群れているかのような紙くずの山は、今まさに作業に没頭していたであろう時の生々しさを伝えています。書斎にて格闘する画家の気配すら感じさせる作品です。
奥の空間はかなり謎めいています。右奥に画家の影が写っていると気付くまでしばらく時間がかかりました。それに、中央部分に外へと抜けるような場が形成されているのも奇異な印象を与えます。丁寧に写実を見た机上の光景と、まるで草原に巨人の横顔が突き出しているかのような背景の対比が、この作品を謎めいた世界へと誘ってくれました。
須田は私にとってかけがえのない画家の一人です。3月4日まで展示されています。
*関連リンク
須田国太郎展(東京国立近代美術館、2006年1月-3月)
*関連エントリ
「須田国太郎展」 東京国立近代美術館 1/21
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