今回の対馬探訪の主目的は見たことのない群倉及び石屋根の倉を見ることであった。対馬では火災や強風等の自然災害から守るために母屋とは別に倉が設けられて、倉には貴重品や来客用の什器、穀物類などの収納用途以外に避難や忌み屋、産屋などの用途にも使用されていたようである。倉の屋根材はかつて島内産出の石材を使用していたようである。上画像は椎根地区にある石屋根倉で県の有形文化財に指定されて観光コースになっている。
平成28年(2016)の調査では島内に石屋根の倉が43棟残っていたようであるが、そのうちの佐須瀬・久根浜・久根田舎・上槻・椎根地区に残されている25棟を見ることが出来た。しかし、画像のような維持管理が行き届いていない状態のものもみられ、石屋根の倉は減少していくのではなかろうか。