hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

「聖なる夜に君は」を読む

2010年02月12日 | 読書2



奥田英朗、角田光代、大崎善生、島本理生、盛田隆二、蓮見圭一著「聖なる夜に君は」角川文庫、2009年11月、角川書店発行を読んだ。

裏表紙にはこうある。

娘がどきりとさせる言葉を口にした。クリスマスイヴの晩、友だちの家に泊まるというのだ。17歳の娘にとって、初めての外泊だ。友だちの家なんて、たぶん嘘だろう。こんなとき、母親として、自分はどういう態度を取るべきなのだろうか…?(「セブンティーン」奥田英朗)――幸福な出逢いと切ない別れ。許されぬ恋と無償の愛。聖なる一夜を巡る、それぞれのドラマの行方は? クリスマスをテーマに贈る、心に滲みる6つの物語。



奥田英朗の「セブンティーン」:自分の若いときを思い出し、娘に注意するか、騙されたふりをするか迷う母親の気持ちのゆれが良く書けている。

角田光代の「クラスメイト」:クリスマスイブに離婚届を渡し、かわりに遅すぎるラブレターを要求する妻の未練が切ない。

大崎善生の「私が私であるための」:好きなときにマンションを訪ねてくる不倫相手。それで良いと自分を納得させていたが、崖の淵に追いつめられていった。そして、別れに耐えられず、北へ走る寝台列車に乗り、今日、クリスマスイブまでの命と言われた男と会う。

島本理生の「雪の夜に帰る」:倦怠期ぎみの遠距離恋愛の彼と、職場で好意をもってくれる人との間でゆれる心。しかし、イブにはやはり彼の元へ。

盛田隆二の「ふたりのルール」:離れられない不倫もの。

蓮見圭一の「ハッピー・クリスマス、ヨーコ」:夫婦喧嘩して、なれ初めを思い出す。近所の子どもに話しかける形式で話が進む。



私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読めば)

一つの話が文庫本30ページ程度と短いので、空いた時間に読みやすい。こんな短いものでも、奥田英朗、角田光代と他の作家の力の差がはっきりわかった。



 

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