お正月にたてた今年の大胆占いは、期待先行だった昨年から実体経済に反映し定着させる「期待と現実の距離感」を狭めるのが2010年の基調と予測した。その中で二番底の回避、新興国がハイペースで成長、欧州の不良債権問題、そして日本では輸出主導で経済は回復に向かうが雇用は改善しないと予測した。3ヶ月たった今、世の中は概ね私の予想通りに推移している。
http://blog.goo.ne.jp/ikedaathome/d/20100103
まだ具体的な重要経済指標が公表されて無いので数字を挙げて議論できない。しかし、新興国はリーマンショック前を上回る経済成長に回復し貸出しや資金流入を抑制し始め、先進国の中でも米国の公定歩合の引上げ観測が出るなど、出口戦略が具体的に議論されるようになってきた。景気回復の速度が早く、世界同時信用不安の再発防止策が追いつかない状況だ。
日銀が昨日発表した3月短観は輸出主導の景気回復が鮮明となる一方で、海外で得た利益が国内に還流せず新興国に投資され、国内の設備投資や雇用はジリ貧のまま推移している。占い通りの推移だが、端的に言うと少子高齢化と民主党政策による至極当然の結果だ。
その政治ファクターでも、民主党政権運営の混迷と安全保障に関わる基地問題の迷走、巨額の財政赤字、内需停滞・輸出増・雇用停滞等々の予想が的中した。状況は後戻りできないほど悪化したと見る。大胆占いに追加するとすれば、参院選で現政権が過半数割れ国会ネジレが再現、政治停滞を打開するため政界再編の悪夢が甦ってきた(確度0.5)。
政治の混乱が市場にどういう影響を与えるか不透明だ。日経平均が11,000円台を回復し3年ぶりの上昇と報じられた。2月のオバマ大統領の金融規制案発表以来、欧州の財政赤字危機と新興国の過熱抑制政策のお陰で、出遅れていた日本株だが日銀の追加金融緩和策を契機に外資が再び流入し株価を上昇させた。変わらないのは今も株価の外資頼みだ。
海外が出口戦略に向かう中、日本の金融緩和解除は最後になり、更なる円安が傾向的に続くため今後も輸出主導の景気回復が続く可能性が極めて高い。1月の個人収入が微増したのは残業が増えた為(小宮一慶氏)で、内需が回復しない限り需給ギャップは改善せず日本の雇用が早急に回復する見込みはないと予測する。
個別予測については、今回は3ヶ月前の予測をそのままにしておきたい。お楽しみのスポーツについては失望しないよう控えめな予測をしたが、内心これからの3ヶ月に凄く期待している。
1.追加対策で米二番底回避、成長率3%切る、歴史的過剰流動性と財政赤字残る(0.7)
2.世界経済回復もEUは不良資産処理に苦戦、一方新興国絶好調で世界経済牽引(0.6)
3.中印経済は輸出回復し内需も順調に成長、成長率は夫々10%台と7%台に(0.7)
4.内閣支持率更に低下、予算成立後か参院選後政局に、連立崩壊するが鳩山続投(0.3)
5.日本経済は輸出増で何とか成長率1%前後、雇用は構造的な停滞が続く(0.6)
6.日経平均は政策混乱と不信が広がるも、後半円安で輸出増、13000円に盛り返す(0.4)
7.日本サッカー、健闘するもW杯予選ラウンド通過できず (0.7)
8.日本人MLB:イチロー・松井とも年齢と健康問題で苦戦 (0.5)
最後に、政治の混乱と停滞が日本経済や日米関係にどのようなインパクトを与えるか、現時点での最大関心事だ。同じ心配をする人が多いのではないかと思う。こういう時にありがちなポピュリズム政治の横行、規律を失い巨額の借金が残る展開になって欲しくない。日本人はそれ程馬鹿じゃない、どこかでバランスを取り戻す力が働くと信じたいのだが。■