かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

無党派が日本を変えるか

2010-04-07 23:23:39 | 国際・政治

国民が政権交代にかけた期待が失望に変わるのを見聞きするのは辛いものがある。他に一体どんな選択肢が残されているのか難問だ。新党が答になるだろうか。その前に何故こんな馬鹿なことがそう易々と起こるのかメカニズムと結果として生じる歪について少し考えてみたい。

泉進次郎氏が衆院財務金融委員会で亀井大臣に対し、政党支持率が0%の国民新党の郵政民営化見直しが連立政権の政策になる問題について追求した。小泉氏の質問は至極当然で、民主主義の根幹を問う問題だと思うが、亀井大臣と対決した宿敵小泉元首相の息子との質疑という低次元の報道が多かったのは残念である。

政権交代後、少数政党が重要視する郵政民営化や普天間基地移転問題などで迷走するにつけ、国家の骨格を決める重要問題が国民の支持が全く無い少数政党に振り回される危うさを感じていた。国会のような公の場で面と向かって指摘したのは小泉氏が初めてではないだろうか。

この現象は現在の連立政権の構造的な特徴で、必ずしも一般的とは思わない。異論が続出する重要政策は鳩山首相の優柔不断で時間を稼ぎ、小沢幹事長が政権維持に優先順位を与え方向付けるのを待って、首相が決断するというのが政策決定プロセスとなってきた。鉄板の郵政票が欲しい多くの民主党議員が後押したが、もちろん小沢氏の優先順位と合致している。

0

%が国の重要政策を決める不可思議さに報道を含め我々は鈍感過ぎる、もう少し明確なシグナルを出すべきではないかと考える。国民にとって見るとそれは第一に投票行動であり、その間に実行される世論調査である。内閣支持率急落や地方選で既にその兆候は感じ取れるはずだが、7月の参院選での国民の意思表示は別次元かもしくは挽回できると考えているのか。

といいたいところだが、必ずしもそうとも言えないかも知れないと私は考える。それは我国が歴史上どこの国でも経験したことの無い高齢化の進んだ国になることの選挙への影響である。岡田恵子氏は有権者各世代の人口と投票率を掛け合わせ選挙人ピラミッドを作成、政策決定の世代別影響力が見事な人口逆ピラミッドになると予測した。(参照:岡田恵子氏の記事http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20100222/212952/

それによれば2009年有権者の中央値50-54歳、投票者では55-59歳であり、50代がキャスティングボートを握っているという。最大有権者世代は何と60-64歳(私達団塊の世代)であった。20代の倍の投票者数である。この世代の支持を受ける政策を打ち出した政党が勝つ可能性が高いということだが、世論調査では世代要因を反映していない。

1

票の地域格差がもう一つの国民の意思がそのまま政策に反映されるのではないファクターである。現状は衆院では2倍、参院選では6倍以上の格差が違憲と判断されているが、いずれも直ちに是正される見込みは無い。小沢氏の選挙戦略の狙いはこの辺にあるように感じる。だがこの傾向は政治を著しく歪めると私は考える。

このところ我国は「弱者の正義」を貫き通す程の経済力が無くなったにもかかわらず、肝心の経済力を弱める政策が打たれている。この趨勢が続けば、数年も経たない内に我が国の相対的な経済力が一気に低下する恐れが出て来たと感じる。だが、今彼らを代弁する票が見当たらない。

結果として海外で利益の大半を上げている企業や起業家の選択肢は、不利な扱いを受けない海外に向かう選択肢が現実になっている。既に日本の雇用の多くは海外に移転された。彼らの声は選挙への影響力という点では無力だが、頑張ったら報われる国を選ぶ権利を行使する事は出来る。個人レベルでもでも国内の優秀な人材は出て行き、海外の人材は日本を選ばない。

先に投稿した予測のように、参院選を特長付けるのは「組織票対無党派層」の戦いになると私は見ている。無党派がどの程度国政選挙に参加するか(投票率)によって、民意をどの程度反映して政治の歪みを是正するか、選挙の性格付けが変わる。どちらに転んでも無党派が日本の政治を決める予感がする。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする