かぶれの世界(新)

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二つの縮図

2010-04-19 15:25:26 | 日記・エッセイ・コラム

昨日、隣の集落の春祭りに参加する機会があった。そこで中学時代先輩だった地区長が挨拶の中で、今年度内に中学統合があると聞き驚いた。私は団塊世代で当時クラス45人、3クラス構成だったが、今年は統合する3中学合わせても37人、来年は30人を切るという。

遂にそこまで来たかという感じだ。市内の人口はそれ程減っていないから、老齢化と山間に住む人達の都市部への移動が同時進行したことが、学校統合を加速させた主な原因のようだ。山間に住む子供達は通学できるのか心配になる。

一方で、春祭りの集落はこの2-3年で人口が増えたと言う。地区長によれば特別な事はしていないという。子供達が田舎に戻って来て住み孫が生まれ、家族の再生産が進んだ為と言う。種明かしは、親達が子供達を助けて土地をあてがい、家を建てる支援をしたかららしい。昔なら当然のことだった。不況で雇用の悪化が背景にあるのかもしれない。

だが、家はあっても雇用は限られている。先月近くにあった大手電機メーカーの工場が閉鎖され市の財政に大きなインパクトを与えたと、同席した市会議員が嘆いた。そこに勤めていた人が近所にもおり、車で1時間以上かかる代替職場か退職の選択を迫られているという。

先日、中学時代の別の友人が表を通り過ぎた時、懐かしくなったと言って突然訪ねてきた。実に47年振りだ。彼はずっと金型製造の仕事をやってきて、今は第一線を退き後進の指導に当たっているという。私は90年代初めに金型購入にかかわったこともあり、当時既に後継者不足と海外移転など今日の問題を予測させる状況を感じていた。

当時の日本の金型はもの作り日本の土台を支えるものだった。新興国が容易に追いつけないとしても、10年も経てば相当に状況が変わっているだろうと思った。実際20年経った今、彼によればまだ日本は金型の優位性を保っているという。

台湾や中国のハイテック製品を見ると個人的にはそれ程差を感じない。彼の自信がどこから来るのか別の機会に本音を聞いて見たいと思った。自身が本物か空元気かどうか、我が国の将来に凄く影響するように感じた。

本題に戻り、お祭りにつき物の議員の名前が入ったお酒や金一封のお供え物が無いのは、前出の市会議員によると選挙運動の規制が厳しくなって何にも出来ないからという。来賓の挨拶でも次の参院選の話をしなかった。だが、小沢幹事長の故郷での演説を伝える昨夜のニュースを見てなんか変だった。

見かねたのか顔見知りの中年男姓が選挙運動の支援をと皆に呼びかけた。お祭りの会場には老人から子供までいたが、今度は自民党と言う声に中年以上が応えたが、若い人達は殆ど手を上げなかった。彼らのうち子供手当てを評価する人も多いはず、だが全体からみれば少数だった。この集落が今までどうだったか知らないが、こんな田舎でも風の変化を感じた。■

コメント
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