かぶれの世界(新)

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アグリージャパニーズ

2012-02-14 13:55:03 | ニュース

美しい日本人

東日本大震災で被害を受けた被災者や、都心の交通が麻痺した時の人達は、パニックになることなく他人を思いやり落着いて秩序だった行動で世界を驚かし賞賛を受けた。私もニュース報道を見てその姿を誇りに思い「美しい」とすら感じた。一方で、私の美的感覚からいうと「醜い」と感じることもあった。先ず私の経験から始める。

身近にある醜さ

土曜日の朝、何時ものようにバドミトン練習を終えて体育館の近くにある家電量販店に向った。その店の前あたりが何時もと違って騒々しかった。近づいていくとゼッケンをつけた人達が買い物客にビラを配っていた。通りの反対側に墓地を作る計画を反対する声が拡声器から聞こえてきた。

何の関係も無いと思われるお店にはとんだ迷惑だったろうが、近くに住む人達にとっては家からお墓が見えるなんて嫌だし、付近の不動産価値が下がると心配してのことなのだろうと思った。しかし、私は余り同情する気持ちになれずビラを受けとらなかった。私の経験で迷惑料の条件闘争になるだろう思った。

私の醜くさの原点

30年以上前に近所のボーリング場をマンションに建て替える計画に反対する運動があった。私の家は同じ町内でも離れており、日当たりが悪くなるわけでもなく風が強くなるとも思われなかったが、町内会に求められ反対の署名をした。被害は無視できるほどだから反対しないと意思表示することは考えなかった。

暫らくたつと、示談が成立して被害状況に応じた額の賠償を頂いた。お金を受け取ったが釈然としなかった。この手の反対運動が変質していくケースを何度か見てきて、私は余り考えず理屈抜きに嫌悪感を持つようになった。

ガレキは醜さをばら撒く

次にもっと深刻な問題について述べたい。ニュース等で報じられないが大震災で発生した膨大な量のガレキ処理が、復興の大きな障害になっていることだ。被災地のゴミ処理能力を遥かに越える量で、環境省は全国の自治体に受入を要請したが受入を拒否する自治体が相次いでいる。

受け入れを表明した自治体も放射能汚染を恐れる住民から強い抗議を受け難航している。先日受入を表明した神奈川県知事が住民の抗議を受け苦悩する様子が報じられた。失礼で申し訳ないが大声で反対表明する住民の顔は、私には酷く醜いように感じた。

醜さの構造

田舎の知事も被災者に出来る限りの支援をすると、テレビで表明する様子を実家で何度か見た。ネットで調べるとガレキを受け入れる意思はなさそうだ。何だ、支援は口先だけかい、という気分だ。一旦受入を表明したが住民の抗議を受け拒否に追い込まれた自治体もあるという。

環境省は抗議を恐れて受入を表明した自治体を公表しない方針らしい。無論、自治体もこういう時は都合よく情報公開していないという。不思議なのは普段から正義感むき出しのミノ氏や古館氏などが顔のニュースバラエティ番組がこの問題を積極的に報じないことだ。誰かの責任にして責め立てられないとニュース価値が無いからだろうか。

そんな中、東京都がいち早く手を挙げ既にガレキ処理を実施している。知事の素早い決断と、反対運動が起こらなかったことに私は東京都民で良かったと感じた。が、これも積極的に報じられない。日本国中が本件では萎縮して自由に話せない、自粛している。

米軍はガレキか

話題は変わって、在日米軍再編見直しを巡り沖縄基地の米軍1500人を岩国基地に移すとの米国の打診を拒否すると山口県に伝えたと昨日報じられた。沖縄基地の負担を軽減する為、普天間基地移転とは切り離し海兵隊兵8000人のうち4700人をグアム移転することが合意されている。

残り3300人の行き先として岩国基地が候補になり、それを漏れ聞いた山口県や岩国市の強い反発が決定の背景にあるようだ。沖縄の負担軽減との一般論には発言せず、各論になって負担が自分に向ってくると議論をする前から親の敵のように絶対反対する姿勢が私は醜く見えた。

東日本大震災で市場最大規模といわれる支援をし、中ロ北朝鮮などからの脅威の盾になっている同盟国だが、日本ではどこに行っても放射能汚染されたガレキのような扱いを受けていると思った。基地の安全性や騒音など改善すべきことは多い。だが、トモダチ作戦で助けてくれた米軍をゴミ扱いする気にはなれない。

醜美併せ持つ

今回の決定は普天間基地の固定化を心配する声はあるが、沖縄基地の負担軽減という点で一歩前進であり私は評価したい。先ずは国の安全保障をきちっと確保しつつ、粘り強く普天間基地の負荷を軽減し代替を実現していく、その努力を日米両国と県・政府が一体となって進めていく姿を見てみたい。

私は理想論とは思わない。マスコミは絶対反対論しか報じないが、若い人達が参加するフリートーク番組で沖縄からの学生から現実的で建設的な意見が出てきて驚いたことがある。マスコミはよく子供を使って反対意見を言わせるが、全く逆の結果が意外だった。私の美的感覚からいうとその若者が美しく見えた。それもこれも美しくも醜くもある、同じ日本人の違う横顔なんだろうと思う。■

コメント
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