かぶれの世界(新)

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ユーロ危機・世界株価上昇・資産運用と私

2012-02-19 14:03:29 | 社会・経済

元本回復

先週末、ギリシャ財政悪化に端を発した欧州債務危機以来目減りしていた私の金融資産が何とか元本回復し一息ついた。その背景は日米欧の金融緩和でリスクマネーが世界の株価を上昇させ、新興国に最流入した為だ。リスクマネーが増えその流れが変わり末端にも届き始めた。

世界の中央銀行に感謝

昨年末に欧州中央銀行(ECB)の資金供給策が市場の流れを変え、米連銀(FRB)の時間軸政策(金融緩和の延長)でリスクマネーが急増、呼応して日銀のインフレターゲットを含む金融緩和が世界の株式市場を上昇させた。欧州債務危機で流出した資金が新興国に戻り始めたのだ。

先週13日に米格付け会社ムーディーズがイタリアやスペインなどユーロ圏6カ国の格付けを引き下げ、折角回復してきたセンチメントを冷やすのではと悪影響を心配した。しかし、市場の反応は限定的でやり過ごした。背景には重債務国の国債入札が順調に進んでいる為と報じられている。

出遅れの日本と新興国にお金が戻った

出遅れ感のあった日本と新興国への資金の戻りで、先週1週間の株価上昇のトップ5は日本、ブラジル、香港、ロシア、インドだったと報じられた(日本経済新聞)。日本は上記の金融緩和が株価上昇を後押し、インドなど新興国はヘッジファンドがリスクマネーを投入した為という。

一方中国では景気減速感と大胆な金融政策が打たれる環境に無いと見られ小幅な上昇にとどまっているという。一方日本株の中では、出遅れていたトヨタ等の輸出関連株が円安進行で買い戻され株価上昇の牽引力となった。

とはいっても、外人投資家の売買が66%と圧倒的に多く株上昇の主役となっており、機関投資家は23%、個人は11%だという。日本の株価回復も外人次第の傾向は寧ろ強まっている。何れにしろ、お陰で私はやっと元本回復した。だが、機関投資家はどうなっているのか気になった。

資産運用

その機関投資家の代表的な例として年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の活動が公表されている(http://www.gpif.go.jp/index.html)ので、調べてみた。23年度運用ハイライトで第2四半期(平成23年9月末)は-3兆7326億円(-3.32%)と巨額の損失を計上している。

損失金額の大きさに驚いたが、投資ポートフォリオ(pf)を見ると他の先進国と比べてリスクを避けて極めて堅実な配分になっていた。言い換えると余り儲からないが損もしない刺激の無い配分だ。実はそれでも最近の危機続きで刺激的な結果になっていたのだが。

投資区分   GPIF   先進国平均(2007
国内債券    67%   21%(内外)
外国債券     8%     -
国内株式    11%   31%(内外)
外国株式     9%     -
Alternative   -     34%(ヘッジファンド等)
短期資金     3%     14%

山谷の大きい最近の運用成績

短期間で見ると市場の上げ下げがあるので、問題は長期で見てどうかだ。これも公表されておりネットで調べてみた。平成1322年度の間で11.4兆円(1.2%)の益があったが、リーマンショック以降4年間は合計5.9兆円の損失(内訳:-5.5-9.3+9.2-0.3兆円)を出していた。

私の金融資産もリーマンショック以降大きく評価額を下げたが、翌2009年末にはpfを見直し一旦元本回復した。ギリシャ危機が表面化した2010年初め頃から徐々に評価額が低下し、底値は昨年10月でそれから3ヶ月あまりで元本回復したことになる。

私のpfは先進国年金基金運用に近いリスクをとっている。大雑把にいうと、我国の年金基金運用より10年間の損益は劣っているが、リーマンショックの影響を大きく受け、欧州危機の影響は少なく直近の5年間では私のほうが優れているようだ。

蛇足:気になるマスコミ報道

2003年頃だったと記憶しているが、我国の年金運用で56兆円の損失が出たとニュースバラエティ番組などのマスコミが大騒ぎしたことがある。だが、実はそれ以降のリーマンショックと世界同時株下落など厳しい時期を乗り越えて依然として1.2%の運用益を出している。

マスコミはあれだけ大騒ぎして信頼に傷をつけたのに、その後うまくいっていると何も言わないのは無責任である。現在、正確な知識を有する国民はどの位いるだろうか。忘れたか悪い記憶しか残っていない人が殆どではないかと私は想像する。

普段知る権利を主張するマスコミ報道は、一度問題指摘したらその後どうなったか知らせる義務がある。現在のまま放置すると、報道を訂正し正確な情報を伝える責任を放棄していることになると思う。■

コメント
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