いつもより朝早く起きて手早く朝食を済ませ、車検明けの車で高速をぶっ飛ばし松山市の東側にある東温市のガンセンターに行った。遠回りになるが川内インターまで行って11号線を戻るといつもより早く50分程度で着いた。9時前には受付を済ませ暫く待って検尿と血液採取を終えた。
看護婦に言うと調整してくれPSA値以外の生化学指標も調べてくれた。今まで採血後1週間待つのが普通だったが、ガンセンターではその場で試験可能なので直ぐ検査部門に依頼してくれた。最近は経験や常識にとらわれず何でも一応言ってみる、そうすると意外と無理が利くことがある。
血液検査の結果が出るのを待って11時過ぎに担当医に呼ばれた。ICレコーダーをオンにして診察室に入ると、彼は開口一番「チョット、アレッと思うぐらいPSAが下がっているんだけど、何で!PSAが1.7まで下がっている」と言い、本当に私が採血したのか冗談ぽい口調で聞いた。
この一言で診察は実質終ったも同然だった。昨年10月PSAは45.8だったが、11月に17.5に下がり今回1.76になった。下がり方が劇的なので、思わず担当医が本当に私の血か疑ったということだ。腹を開いて追加生体検査をしなくて良かったという彼のコメントは実感だった。
彼の診断は「慢性前立腺炎」で、その為にPSAが極端に変化したという。今後は定期的に血液検査しPSA値を確認、異常値が出たら放置せず一度はガンを疑えと助言された。もうこうなれば何でもハイハイだ、支払いを済ませ早速携帯メールで家族に知らせた。その後今回ガンセンターを勧めてくれた友人にも結果を連絡し感謝した。必要な時に本当に良い助言をしてくれたと。
担当医の診察を待つ間に持参した日経の面白い記事を読んだ。それは少子高齢化の近未来日本社会は、64歳以下が65歳以上を支える仕組が機能しなくなる、政府は5月をメドに「高齢社会対策大綱」で高齢者も可能な限り支える側に回る考え方を打ち出すそうだ。
私自身もう直ぐ高齢者になるが、全くその通りだと思う。退職時コンサルタントをやりその後市が関るボランティア活動をやった。しかし、たった一人で母の介護と実家の農地や山林の面倒を見るのは容易ではない、一定期間田舎に腰をすえて対応する必要があり両立させられなかった。母を施設に入れてもそれ程事態は変わらず活動を止めた。
これを機会に連続した期間を一定の場所で活動しなくともいい持続性のある貢献の仕方を考えてみたい。会社勤だろうがNPO活動だろうが関係ない。「高齢化の時計」シリーズはこれをもって一応終とし、どうすれば支える側に回れるか考えてみたい。■