朝起きて顔を洗った後鏡をのぞいて、私の顔が曾祖父の顔に似て来たと突然気が付いた。昨年9月頃だったが、「老け方を考える」という題で自分の顔がどんな風に老けていくのか分からないと投稿した。父は55才、祖父は20代半ばで早死にし実家に残っている遺影は私より遥かに若い。彼等はふさふさした頭髪で若々しい。
私の年齢は江戸末期から昭和まで生きた曾祖父の晩年の姿に近づいたということだ。鏡に映った側頭の残り少ない髪を刈り上げた私の顔は曾祖父の遺影にそっくりだと思った。年をとったらどんな顔になるか思い悩んでいたが、私がどんな老け方をするか見えてきた気がする。
我家にとって彼は中興の祖だったと思う。私が子供の頃土地の人達が、祖父や父を差し置いて曾祖父の名前を出して惣領とか跡継ぎと知らない人に紹介するのを何度も聞いた。戦後の農地解放まで地主だった実家は、彼が築いた財産を早死にした夫に代わり祖母や母が守ってきたものだ。
今も資産の形は変わったが彼が築いたものを引き継いでいると私は思っている。祖母に聞いたところによると、曾祖父は近隣の親戚筋からの養子で結婚した、所謂「入り婿入り嫁」だったので直接の血は絶えたのだそうだ。昔はそうやって家を守るのが珍しくなかったという。必ずしも血筋が繋がる必要はなかったらしい。何れにしても、私がどう年齢を重ねていくか将来の姿が見えたと思った。何だか安心した。■
私の年齢は江戸末期から昭和まで生きた曾祖父の晩年の姿に近づいたということだ。鏡に映った側頭の残り少ない髪を刈り上げた私の顔は曾祖父の遺影にそっくりだと思った。年をとったらどんな顔になるか思い悩んでいたが、私がどんな老け方をするか見えてきた気がする。
我家にとって彼は中興の祖だったと思う。私が子供の頃土地の人達が、祖父や父を差し置いて曾祖父の名前を出して惣領とか跡継ぎと知らない人に紹介するのを何度も聞いた。戦後の農地解放まで地主だった実家は、彼が築いた財産を早死にした夫に代わり祖母や母が守ってきたものだ。
今も資産の形は変わったが彼が築いたものを引き継いでいると私は思っている。祖母に聞いたところによると、曾祖父は近隣の親戚筋からの養子で結婚した、所謂「入り婿入り嫁」だったので直接の血は絶えたのだそうだ。昔はそうやって家を守るのが珍しくなかったという。必ずしも血筋が繋がる必要はなかったらしい。何れにしても、私がどう年齢を重ねていくか将来の姿が見えたと思った。何だか安心した。■