昨年末に「2017年自由世界のリーダー」は消去法的にメルケル独首相だと予想した。1年後の現実は懸念した軍事力背景がない為ではなく難民受け入れ政策で国内支持を失い、私の希望的予測は見事に外れた。リーダーを失った「Gゼロの世界」は、トランプ大統領にかき回され、中国が存在感を増した1年であった。
それでは2018年の世界はどうなるだろうか。先進民主主義国がグローバリゼーションの進化につれてうまく機能しなくなった。富が勝者に集中し格差が広がった。米国はグローバリゼーションの勝者であるにもかかわらず、トランプ大統領は米国第一を主張し民主主義を貶め世界を混乱させ自らリーダー失格を宣言した。
となると、米独が降りた後の世界を中国がリードするまで存在感を高めるだろうかという問いかけだ。だが、私にとってみれば最悪の選択だ。2018年は「法の支配」と「表現の自由と開かれた議論」といった民主主義の基本的価値観と真逆の強権政治で国内を治める国がリードする世界の出現を意味することになる。
価値観だけで世界は動かない。むしろその逆で、2018年は中国の覇権に近づき始めるピボットとなる年として記憶されると恐れる。世界には中国の金にしか興味がない国は多い。アジアアフリカ諸国だけではない、ギリシャやベネズエラなど欧州や中南米にもある。金さえ貰えれば価値観なんかクソ喰らえの国は沢山ある。
更に欧米先進国でも中国の政治的影響力が徐々に高まっていることだ。日本では殆ど報じられていないが、中国が民主主義的なプロセスの下で先進国政治にも影響を与えている。オーストラリアでは中国マネーが政党や政治家から大学など言論界へ流れ影響を与えていることが表面化した。隣国のNZや英独加などでも様々な形で中国の影響力が指摘されており、更に米国や国連の人権監視機関の活動妨害等が報告されている。
しかも中国マネーだけでなく人口13億人の威力は桁外れだ。エコノミストによると78年以来彼等の海外移民は1千万人になるという。欧米各国の政治プロセスの中で内から変えて行き、親中国政治力に軌道修正する可能性を秘めている。それでもって中国の人権侵害や領土問題を提起させないようにする。米国等の自治体の中に中国の意を受けて動く議員が増え、例えば最近のサンフランシスコ市の慰安婦像設立に動く。
何よりも中国の巨大市場を無視できる企業など先ずいない。米国の巨大グローバル企業だろうと欧州や日本の自動車会社だろうと、中国市場でビジネスをやらない選択はあり得ない。「民主主義、価値観外交」と連呼していた安倍首相もこのところ中国との関係改善に全力投入し、多くの国民も反対していない。長らく関係悪化で動けなかった日本ですらそうなのだ。ましてや世界の経済界は・・・ということだ。
こういう状況下で民主主義国リーダーだった米国はトランプ大統領の体たらくとメルケル独首相の苦境で、他に自由世界を引っ張る明確なリーダーは見当たらない。中国はその間隙をついてリーダーシップを発揮しようとするのは間違いない。世界は「金か価値」のどちらを選ぶのか、私は非常に興味がある。そして例によって根拠の曖昧な大胆占いをすると残念ながら世界は「金」の方に擦り寄るだろうと見る。
第二期習近平政権に入り、中国内の言論の自由が一層弾圧される一方で、共産党の企業活動支配がさらに強まる中、本当に想像力を発揮して競争力のある科学技術と経済の発展が可能か問われる。言い換えると自由で民主的な環境が発展に必要かどうかだ。長期的に見ると分からないが、10ー20年のレンジで考えれば、中国はうまくやる可能性があると思う。
この私の仮説の根拠は(0)世界は金で動くという大前提の下で(1)トランプ大統領の迷走が続く、(2)中国経済は少なくとも現状維持する、(3)北朝鮮が暴発しない、(4)EUが破綻せず何とか結束を守る、である。言い換えれば現状世界が維持されれば、中国は徐々に覇権に向かって進むということだ。私が生きている間に結論が出ているだろう。それは私が見たい絵とはかなり違ったものになる可能性は十分ある。■
それでは2018年の世界はどうなるだろうか。先進民主主義国がグローバリゼーションの進化につれてうまく機能しなくなった。富が勝者に集中し格差が広がった。米国はグローバリゼーションの勝者であるにもかかわらず、トランプ大統領は米国第一を主張し民主主義を貶め世界を混乱させ自らリーダー失格を宣言した。
となると、米独が降りた後の世界を中国がリードするまで存在感を高めるだろうかという問いかけだ。だが、私にとってみれば最悪の選択だ。2018年は「法の支配」と「表現の自由と開かれた議論」といった民主主義の基本的価値観と真逆の強権政治で国内を治める国がリードする世界の出現を意味することになる。
価値観だけで世界は動かない。むしろその逆で、2018年は中国の覇権に近づき始めるピボットとなる年として記憶されると恐れる。世界には中国の金にしか興味がない国は多い。アジアアフリカ諸国だけではない、ギリシャやベネズエラなど欧州や中南米にもある。金さえ貰えれば価値観なんかクソ喰らえの国は沢山ある。
更に欧米先進国でも中国の政治的影響力が徐々に高まっていることだ。日本では殆ど報じられていないが、中国が民主主義的なプロセスの下で先進国政治にも影響を与えている。オーストラリアでは中国マネーが政党や政治家から大学など言論界へ流れ影響を与えていることが表面化した。隣国のNZや英独加などでも様々な形で中国の影響力が指摘されており、更に米国や国連の人権監視機関の活動妨害等が報告されている。
しかも中国マネーだけでなく人口13億人の威力は桁外れだ。エコノミストによると78年以来彼等の海外移民は1千万人になるという。欧米各国の政治プロセスの中で内から変えて行き、親中国政治力に軌道修正する可能性を秘めている。それでもって中国の人権侵害や領土問題を提起させないようにする。米国等の自治体の中に中国の意を受けて動く議員が増え、例えば最近のサンフランシスコ市の慰安婦像設立に動く。
何よりも中国の巨大市場を無視できる企業など先ずいない。米国の巨大グローバル企業だろうと欧州や日本の自動車会社だろうと、中国市場でビジネスをやらない選択はあり得ない。「民主主義、価値観外交」と連呼していた安倍首相もこのところ中国との関係改善に全力投入し、多くの国民も反対していない。長らく関係悪化で動けなかった日本ですらそうなのだ。ましてや世界の経済界は・・・ということだ。
こういう状況下で民主主義国リーダーだった米国はトランプ大統領の体たらくとメルケル独首相の苦境で、他に自由世界を引っ張る明確なリーダーは見当たらない。中国はその間隙をついてリーダーシップを発揮しようとするのは間違いない。世界は「金か価値」のどちらを選ぶのか、私は非常に興味がある。そして例によって根拠の曖昧な大胆占いをすると残念ながら世界は「金」の方に擦り寄るだろうと見る。
第二期習近平政権に入り、中国内の言論の自由が一層弾圧される一方で、共産党の企業活動支配がさらに強まる中、本当に想像力を発揮して競争力のある科学技術と経済の発展が可能か問われる。言い換えると自由で民主的な環境が発展に必要かどうかだ。長期的に見ると分からないが、10ー20年のレンジで考えれば、中国はうまくやる可能性があると思う。
この私の仮説の根拠は(0)世界は金で動くという大前提の下で(1)トランプ大統領の迷走が続く、(2)中国経済は少なくとも現状維持する、(3)北朝鮮が暴発しない、(4)EUが破綻せず何とか結束を守る、である。言い換えれば現状世界が維持されれば、中国は徐々に覇権に向かって進むということだ。私が生きている間に結論が出ているだろう。それは私が見たい絵とはかなり違ったものになる可能性は十分ある。■