ネタ切れの時の為にとっておいたローカルネタを一つ。
田舎に来ても雨が降らない限り食後の散歩を続けている。11月半ば過ぎると夕食後6時過ぎに散歩となると、明りがない田舎道はところどころ真っ暗で足元が見えなくなる。1km先の新興商店街やその手前の高速道路の明りが空を染め、それが逆光になって足元が見えない。
そんな時は月の光があると助かる。生憎このところ曇天か雨が続いていたが、4,5日前夕食後に散歩したとき西の空の雲間に見事な上弦の月が見えた。その日は風が強く空気が澄んでいた為か、研ぎ澄まされた短剣のような月だった。
上弦の月だけれどもいつもより大きく見え、今月3日に見た見事な満月を思い出した。風が強く西空に千切れ雲が浮かんだその日の4時頃、思い立って家内と息子と一緒に富士山を見ようとドライブに出かけた。文化の日は晴天の確率が高いことは私も何度も経験しているが、その日も例外ではなかった。
地図を頭に描きながら車窓から富士山が見えそうな方向に甲州街道を下って行った。中央高速に乗って富士五湖まで行く時間はない、近場の「富士見通り」を探そうというわけだ。左折して国立インターに向かい、もう一度左折して野猿街道に向かう。
多摩川を渡る前に屋根の合間に富士山がちらちら見えた。実はこの先は全く土地勘がない。プランは野猿街道を西に進み多摩丘陵を登っていけば富士山が見えるはずだった。だが行けども行けども林に囲まれた緩やかな坂道の上り下りが続き、富士山はどこからも見えず夕闇が迫ってきた。
それではと、堀の内で右折して北に向かい、大渋滞のトンネルを抜け薬科大横を過ぎ京王線の跨線橋を渡った。すると左手に見事な富士山のシュルエットが見えた。残念なことに車の流れが速くあっという間に通り過ぎ、運転している私は残像を楽しむ余裕もなかった。
そのまま北上を続けた後右折し、甲州街道に続く日野バイパスに乗って東に向かい自宅に急いだ。暫く行くと息子が前方に大きな月が、と言った。最初見た時は月とは思えない、広告か何かの作り物かと思ったほど、大きくて鮮やかな月だった。こんなに大きな月は以前いつ見たか記憶がない。
ちょっとした感激ものだった。ラジオがリアルタイムで見事な満月の話題をやっていた。ひとしきり月の話題を続けていると、今度は家内が後方に富士山のシュルエットが見えると教えてくれた。日が沈み僅かな光の中に漆黒の富士山が見える、といった感じだ。
しかもチラ見ではなく、建物などの遮蔽するものがなく続けて見える。私は時々振り返って何度も後方を見た。逆コースを辿ればもっとマシな富士山観賞ドライブが出来たはずなのに残念、と思いながら。でも、久しぶりに食事時以外に親子が一緒になれた2時間だった。■
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