このところBlog投稿に時間をかけ読書の時間が減ってきた。パーソナル・ジャーナリズムとして投稿品質を維持したいなどと格好良く公言したものだからBlog投稿がプレッシャーになり楽しくなくなってきた気がする。昨年12月初めに本を読むぞと気合を入れて田舎に帰ったのだが今一進まなかった。退職後人生最高の楽しみと期待していた晴耕雨読の精神が失われた感じだ。という事でこの2、3日近所の図書館で読書に専念しモヤモヤの空気抜きをした。結局この冬読んだのは下記のとおりで、何時もの通りの雑読である。いつの頃からか私は小説をあまり読まなくなった。役に立たないものは読まないと言う狭い功利主義から来たものである。という事で気分転換を兼ね初めて村上春樹を読んだ。内容を吟味しながら読む本に比べあっという間に読み終わり後味も悪くない。それに比べるとP.コーンウェルは冗長で、途中で止めたくなるくらい酷かった。
秋霜烈日 伊藤栄樹 朝日新聞 1988
ベスト・プラクティス R.ヒューブラー他 TBSブリタニカ 1999
市場対国家 D.ヤーギン J.スタニスロー 日本経済新聞 1998
大恐慌などの市場の失敗を国家が矯正して行くケインジアンの「大きい政府」から、冷戦後サッチャーの改革により市場に委ねる「小さな政府」が時代の流れに乗りグローバル化していく様が各国固有の状況を踏まえて展開されていく。特に上巻のターニングポイントとなった炭鉱スト対応の描写が生き生きとして目に浮かぶ。10年以上前BBCのサッチャー回顧録ビデオを再度見直しより深くその意味を理解する事ができた気がする。
デフレの恐怖 R.ブートル 東洋経済新報 1998
酷い翻訳のため難解で、折角の力作が泣いている。日本のデフレが始まる直前に書かれたものだが、振り返ると当時の危機感が十分でなかった事を痛感する。デフレに突入する時の市場心理は参考になる、もし知っていれば私ももっと良い経営が出来たかも?
ローマの街角から 塩野七生 新潮社 2000
サザンクロス P.コーンウエル 講談社 1998
初めて翻訳本を読んだ。翻訳がまずいのか初期の作品だからそうなのかテンポが悪い。やはり原書で読むに限る。
岩登りのうまくなる本 松本龍雄 朋文堂 1965
この小冊子にも昭和40年初期の登山熱が伝わってくる。
9.11 アメリカに報復する資格はない N.チョムスキー 文春文庫 2002
9.11後2週間時点で著者はグローバリゼーションでも文明の衝突でもないと主張する。米国がやってきた事と同じことをやり返されているだけだと言い切っている。
文明の衝突 S.P.ハンチントン 集英社 1998
前々から読む積りで中々取り掛からなかった大著だがやっと読むことが出来た。その間に並行して下記3冊を気分転換で読んだ。端的に言えば冷戦後の紛争を文明間の衝突、特に西欧の普遍主義に対するイスラムの反発とする主張であり説得力があるが、私は上記の市場対国家で指摘した経済的視点が欠けており肝心なところで納得できない。軍事・宗教面からに加えグローバリゼーションが与えた経済・社会・生活への影響をもう少し眺めてもう一度戻ってきて議論したい。
松本清張のケルト紀行 NHK出版 2000
次の塩野さんの本を読むための軽い準備。
ノルウェイの森 村上春樹 講談社 1987
何で村上春樹を読もうとしたか、世界で最も読まれている日本人現代作家と聞いたから。性描写が繰返しでてきて驚いたが嫌悪感はなかった。もしかして「セカチュー」は同じ路線の純愛編という事か。小説など読まないと言うのに能書きを言うのが私らしい。
七つの海を越えて 白石鉱次郎 文芸春秋 2000
汚職大国・中国 シャオチョン 文春文庫 2001
95年から96年にかけて摘発された中国官吏の汚職の実態を取材したもの。先月も巨額(130億円程度だと記憶しているが)の横領をした中国証券会社幹部の国外逃亡が報じられた。儒教文化の下で問題解決を法でなく人(ボスと言ったほうが良い)に頼る傾向が強く、未だに汚職が収まる気配がない。本書の時代は共産党幹部が汚職の主役だが、急速な経済成長のもと民間会社にも汚職が広がっている。日本も儒教の悪い影響を強く受けたのか未だに嘆かわしい事件が続いている。救いは執拗な当局の追及とそれを支えるトップが存在する事で本書でも執念の追求が生き生きと描かれている。
私事だが、この1年間不正続きで市場の信頼を失い中国国内の株価が低迷しているとの情報があり、直接株式投資に二の足を踏んでいる。私が一般に勧めるのは、かなり保守的だが台湾、香港を含むグレーターチャイナのミューチュアル・ファンドをポートフォリオに3-5%追加するのが無難で火傷しないやり方である。
秋霜烈日 伊藤栄樹 朝日新聞 1988
ベスト・プラクティス R.ヒューブラー他 TBSブリタニカ 1999
市場対国家 D.ヤーギン J.スタニスロー 日本経済新聞 1998
大恐慌などの市場の失敗を国家が矯正して行くケインジアンの「大きい政府」から、冷戦後サッチャーの改革により市場に委ねる「小さな政府」が時代の流れに乗りグローバル化していく様が各国固有の状況を踏まえて展開されていく。特に上巻のターニングポイントとなった炭鉱スト対応の描写が生き生きとして目に浮かぶ。10年以上前BBCのサッチャー回顧録ビデオを再度見直しより深くその意味を理解する事ができた気がする。
デフレの恐怖 R.ブートル 東洋経済新報 1998
酷い翻訳のため難解で、折角の力作が泣いている。日本のデフレが始まる直前に書かれたものだが、振り返ると当時の危機感が十分でなかった事を痛感する。デフレに突入する時の市場心理は参考になる、もし知っていれば私ももっと良い経営が出来たかも?
ローマの街角から 塩野七生 新潮社 2000
サザンクロス P.コーンウエル 講談社 1998
初めて翻訳本を読んだ。翻訳がまずいのか初期の作品だからそうなのかテンポが悪い。やはり原書で読むに限る。
岩登りのうまくなる本 松本龍雄 朋文堂 1965
この小冊子にも昭和40年初期の登山熱が伝わってくる。
9.11 アメリカに報復する資格はない N.チョムスキー 文春文庫 2002
9.11後2週間時点で著者はグローバリゼーションでも文明の衝突でもないと主張する。米国がやってきた事と同じことをやり返されているだけだと言い切っている。
文明の衝突 S.P.ハンチントン 集英社 1998
前々から読む積りで中々取り掛からなかった大著だがやっと読むことが出来た。その間に並行して下記3冊を気分転換で読んだ。端的に言えば冷戦後の紛争を文明間の衝突、特に西欧の普遍主義に対するイスラムの反発とする主張であり説得力があるが、私は上記の市場対国家で指摘した経済的視点が欠けており肝心なところで納得できない。軍事・宗教面からに加えグローバリゼーションが与えた経済・社会・生活への影響をもう少し眺めてもう一度戻ってきて議論したい。
松本清張のケルト紀行 NHK出版 2000
次の塩野さんの本を読むための軽い準備。
ノルウェイの森 村上春樹 講談社 1987
何で村上春樹を読もうとしたか、世界で最も読まれている日本人現代作家と聞いたから。性描写が繰返しでてきて驚いたが嫌悪感はなかった。もしかして「セカチュー」は同じ路線の純愛編という事か。小説など読まないと言うのに能書きを言うのが私らしい。
七つの海を越えて 白石鉱次郎 文芸春秋 2000
汚職大国・中国 シャオチョン 文春文庫 2001
95年から96年にかけて摘発された中国官吏の汚職の実態を取材したもの。先月も巨額(130億円程度だと記憶しているが)の横領をした中国証券会社幹部の国外逃亡が報じられた。儒教文化の下で問題解決を法でなく人(ボスと言ったほうが良い)に頼る傾向が強く、未だに汚職が収まる気配がない。本書の時代は共産党幹部が汚職の主役だが、急速な経済成長のもと民間会社にも汚職が広がっている。日本も儒教の悪い影響を強く受けたのか未だに嘆かわしい事件が続いている。救いは執拗な当局の追及とそれを支えるトップが存在する事で本書でも執念の追求が生き生きと描かれている。
私事だが、この1年間不正続きで市場の信頼を失い中国国内の株価が低迷しているとの情報があり、直接株式投資に二の足を踏んでいる。私が一般に勧めるのは、かなり保守的だが台湾、香港を含むグレーターチャイナのミューチュアル・ファンドをポートフォリオに3-5%追加するのが無難で火傷しないやり方である。
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