かぶれの世界(新)

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選挙の争点と民主のネジレ

2005-08-10 00:11:06 | 国際・政治
今回の衆院選のテーマは歴史的に見て何になるだろうか考えてみた。欧米の新聞サイトを見ると日本の歴史の転換点になるという記事が目立つ。アジア諸国も違った視点から注目している。以下に私が考えうる全てのコンセプトを私なりの順序で羅列してみた。小泉政権は5番目くらいまで意識していると思われるが、小泉政権そのものが都市型の性格を持っており過去4年で農村に傾斜していた政治運営をかなり都市側に戻した。現政権はこれを更に世界ルールで運営しようとし、方や従来の日本的なものを守ろうとする勢力と最後の摩擦が起こっていると言える。

1)郵政民営化の可否
2)構造改革推進対抵抗勢力
3)官から民
4)大きい政府対小さい政府
5)従来政策決定プロセスから新プロセス
6)農村対都市
7)勝者対敗者
8)金持ち対貧乏
9)老人対若者
最終的に勝敗を決めるのはどの視点から見た力が決定的になるかであるが、それは投票率でかなり違った様相になるはずで現時点では私には予測不可能である。しかし何時もの勝手な大胆予測は出来る。

私は千載一遇のチャンスという民主党も意外と苦戦すると見ている。その理由は民主党が労組をバックにする旧社会党から旧自由党右派まで抱える寄せ集め集団であり、外交から構造改革まで重要課題で一致団結できない事態が生じるだろうと見ているからである。更に今回もっと過激な郵政民営化を進めたいと考える民主党内グループが沈黙を保ち政局にする方を選んだネジレ現象が気になる。

改革の為官から民主党を選んだ有能な若き官僚等は目的の為には手段を選ばずの思いであったろう。自民党の抵抗勢力はいわば確信犯であり自己の主張を明確にしたが、民主党は結果として抵抗勢力と同じ側に立った。この件について民主党は今後の選挙戦では散々指摘されることになり、テレビ討論会などできちんとした説明を求められ、国民が納得する明快な説明が出来るかどうかが勝敗の鍵となろう。

もう一つ大胆な予測をするなら自民党内の抵抗勢力の役割は今回をもって終わった。致命的なのは彼らの主張には依って立つところの普遍性がない、既得権益を守ろうとする少数派になる選択をした、正確には強いられたといえる。再び表舞台に立つのは難しいのではないだろうか。■


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ミズ祭り

2005-08-09 15:19:03 | 日記・エッセイ・コラム
「ミズ祭り」に行って来いと母に言われ日曜日の朝近所のお寺にお供えとお包みを持って行った。どういう趣旨か全く分からなかったが、毎年お盆の前に檀家がお寺に集まって行われる行事のようである。定刻の10分前に着いた時はもう檀家の人で一杯だった。早速お包みを昨年亡くなられた方(新亡者と呼ぶらしい)の位牌が置かれた台にお包みを供え、お供えを先祖の位牌の前に置き、その後ぶち抜きの広間に場所を見つけて座った。

本堂から木魚やジャーンジャーンという銅鑼の音が聞こえてきた。昨年亡くなられた方の家族のもとでお経が上げられているとのこと。30分ばかり胡坐をかいて待った、広間には60人余りの人がいて扇風機が回っているもののひどく暑い。その間に隣に座ったお年寄りにいろいろ教えて頂いた。ミズ祭りとはお腹にいてまだ生まれる前になくなった子を「水子」といい、その供養をすることを言うらしい。今ではこの1年間に亡くなった方を供養する施餓鬼法要(これをミズ祭りと総称しているようだ)を行い、その後檀家総会をするのが年中行事となっている。

本堂のお経が終わると住職の和尚と近在のお坊さん3人と家族の方がわれわれと対面の位牌台に向かって座り、再度10分余りお経をあげた。その後檀家総代と家族が焼香し終わると、お寺の中の廊下の両側に全ての檀家の位牌の置かれている棚と本堂を一巡りして広場に戻ると11時を過ぎていた。その後お坊さんは退席され檀家全員で金と太鼓をバックに念仏をあげた。“ハーナンマイダー、ポーポポポイ”とか言う判じ物のような念仏を観音宮など六宮、お寺の先祖、XX組、五人衆、亡くなった方一人一人、檀家のご先祖、万霊の順に繰り返していった。後から住職に念仏の意味を聞くと、彼も念仏のことは分からないという。多分インドの言葉だと思う。亡くなった方の名簿から平均年齢を計算すると女性81歳、男性77歳と全国平均と同じ傾向が出ていた。檀家の65歳以上の年齢構成は多分30%を超えているのではないかと思う。田舎ではとっくに高齢化社会に入っている。

その後和尚の説教が10分程度あり、檀家総会が30分弱あった。行事の紹介、決算・予算報告が型どおりあった後、総代が出てきて屋根が傷んでいるので修理したいが1000万円以上かかるので相談したいといって事情を説明した。小さいお寺なので1000万といってもなかなか大変である。檀家の貯えは前年度の浄化槽の工事で400万しか残ってないらしい。取りあえず部分的に主家の屋根だけ先に修理し後は調査しようということになったが、早くやらないと痛みがひどくなりもっと費用がかかることになる。しかし誰も金を出すとは言い出せない。多分もっとひどくなるのが明らかになるまで決まらないだろう。

そのあと昼食になったが7割くらいの人は折箱を持ってそそくさと帰っていった。折箱の中はご飯、ソーメン、油揚げ、ジャガイモやカボチャなどの煮つけ、キュウリの酢漬けなどで流石に肉や魚は入っておらず味は薄い。その代わりに地酒の1升ビンが何本もあった。近所のおじさんと付き合って飲み、昔話や男性バージョンのゴシップでいるうちにどんどんお酒がなくなっていった。私がおじさんというと70から80歳代であり、当然結婚式の後置屋に行ったとか言う武勇談になる。母によるとKさんは80を過ぎたけど依然酒豪らしい。最後の数人になるまで飲んだ。お陰でその日は家に戻って引っくり返って寝るだけ、昨日は二日酔いで目を擦りながら衆院解散のニュースを終日見て終わってしまった。これがまさに田舎暮らしの醍醐味かも。■


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長短金利差「桶屋理論」

2005-08-08 22:38:49 | 社会・経済
今まで何度か米国のFF金利が引き上げられても長期金利が変化しない現象をどう見るか報告してきたが、最近それは「世界の老齢化が進んだため」というまるで「風が吹けば桶屋が儲かる」という説(堀古英司氏)を紹介したい。

グリーンスパン議長は2月の議会証言で先行き景気に対して悲観的な見方があること、世界的な余剰資金が米国の債券市場に向かっている事等をその原因として推測しているが、本音で「謎」であると言った。その後米国経済は好調に推移、FF金利は更に上昇したが長期金利は変わらずこの推測は外れていたようである。

双子の赤字だろうと何だろうとグローバルマネーが米国に向かい国債をバンバン買っているため市場原理で長期金利が下がっているのは事実である。ここからは「桶屋理論」である。何故グローバルマネーが増えているのかというと、世界的に高齢化が進み貯蓄率が高まりそれがグローバルマネーになっているというのである。従来は日中やアジア諸国が為替レート維持の為貿易黒字を使って国債を買っているという説明が有力であった。

私は具体的な情報を持っていないが、氏によれば世界的な高齢化進行に伴う貯蓄率上昇が一つの大きな要因となっている。理論的には世界的に高齢化が進むとリスク許容度が下がり、自ずから債券に対する需要は増加する。個人がそのような行動をとらなくても、例えば年金運用者など機関投資家は高齢化に伴ってポートフォリオに占める長期債券の比率を高めざるを得なくなる。高齢化の流れというのは不可逆的なものなので、これは短期的な傾向(リスク)ではなく、今後半永久的に続く傾向なのである。これもどこの金融機関の個人投資ガイドを見ても確かである。

しかし、今まで日中やアジア諸国の巨額な貿易黒字、オイルマネーの還流のデータはあっても、機関投資家がどれだけグローバルマネーを集めて国債買いをしているか私は具体的なデータを見たことはない。仮に郵政民営化が断行されれば中高年が圧倒的に多い郵貯の一部はより良い投資効率を求めるポートフォリオ戦略としてグローバルマネーになることは間違いない。選挙の結果どうなるか分からず、今のところは「桶屋理論」としておこう。■


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田舎暮らし雑感05夏

2005-08-06 22:03:44 | 日記・エッセイ・コラム
田舎暮らしが1ヶ月になった。不覚にも2年以上かけて鍛練した体がたった1ヶ月ですっかり弛んでしまった。一番の理由はトウモロコシが美味しいこと、二番目の理由は自制が利かなかったことである。毎日トウモロコシを2,3本食った。菜園のトウモロコシを全部食べると母や私が交互に八百屋で買ってきて毎日食べた。東京にいる時は食べ過ぎると家内の冷たい目が私の自制心を思い起こさせるが、田舎の母は私が喜ぶ顔を見たい一心である。何キロ増えたかわからないが怖くて体重計を見ていない。亀の甲羅のようになっていた自慢の腹筋があっという間に平らな丘のようになってしまった。

いつもは午前中東屋で朝食を取りながら新聞を読み調べ物や読書をする。7月中は11時頃になると熱気で東屋から主家に引き上げていたが、8月になり午前中の日の高さの加減で山の端が影になるようになり、西側は御簾を張り照り返しを防いだので12時までコーヒー一杯で頑張れるようになった。午後はクーラーの利いた書斎でメールをチェックし、マーケットの様子を見て調べ物をする。夕方涼しくなると野良に出かけたり買い物に行ったりするのが日課である。昼間は暑いが東京と違いヒートアイランド現象のない田舎では朝夕は涼しく、朝は特に涼しい。

これでは太るのは尤もと思われるかもしれないが、毎日曜日は70kmの山岳コースを自転車で走るか、自宅から大洲城まで往復約15kmのジョギングをしている。その合間に最低3日間は夕方素振り250本、裏山ランニング15-20分、堤防バンクの自転車カニ走りを30-40分やっている。カニ走りを思いついたのは“見かけ”オフロード仕様の自転車のタイヤの真中ばかり磨り減ってみっともない状態になったので、タイヤのサイドの“ガリガリ”を使って堤防の斜面を横走りすると格好良く磨り減ると思ったからである。

走ってみるといろいろ発見がある。堤防の夏草はすごい速さで成長するので毎日同じ道を走っている感じがしない。ある程度雑草が伸びている斜面に比べ機械で刈り取られた直後の斜面は脆くスリップを起こしやすい。後輪は殆どいつもスリップしている状態になるので若干上向きで運転するが、かといって上向きに過ぎると失速してしまう。ペダルはしょっちゅう斜面に引っかかってバランスを保つのが大変。慣れてくると恐怖感がなくなり肩の力が抜けてきたが、ギヤに草を巻き込んで走りがギクシャクしてくるので途中で1回はギヤ周りを清掃しなければならない。かなり走ったがまだ“ガリガリ”は健在である。

気が付いてみるとやりたい放題で母の機嫌を損なっていた。頼まれたことはさっさと済ませて後は自分の世界に没頭するといういつものパターンに入っていた。母は息子とゆったりした気分で心配事を愚痴り世間話をしたい、私に聞き手になってくれという思いなのだろう。私はといえば、何でもやるからねというものの彼女から見るとあっという間に用事を済ませ、私の世界に戻っていく。大袈裟に言うと私も人生の残りの時間を最大限有効に生きたいと思っているから、何でも兎に角早く効率よくやろうとする。長年の職業病は治ってない。しかも田舎のうちも東京以上にIT化を進めたので毎日しっかり情報が入ってきてその咀嚼だけでも結構時間がかかるし、入って来るメールの量に変わりはない。しかし時計の針の進め方を少し田舎時間に合わせ、母と接する気持ちの余裕を持つ必要がありそうだ。

メールといえば田舎に帰った頃から出会い系サイトの勧誘メールがすごく増えた。今年前半は米国の出会い系サイトから毎日何通もメールを受けていたが、最近ピタッと止まった。同じ頃から来ていた低価格薬品や投資の売り込みは依然として来ている。この日本語の出会い系サイトからのメールは米系より内容が多彩で面白いものがあり結構暇つぶしに読んで楽しんでいる。結局田舎暮らしは退屈ということかも。

今日も凄く暑い日だった。しかし夕方になって雷が鳴り夕立が来て畑のナスとトマトの水遣りが免除され、その時間でこの日記を書いている。この家は山の麓の谷の真下にあり雨が上がると今度は湿気が降りてきてからだがべたべたし始めた。そろそろ夕食だ。■


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CNOOC米国上陸断念

2005-08-04 14:56:26 | 国際・政治
中国半官半民の石油会社CNOOCは米国Unocal買収を断念した。予想外の米議会の反発に驚き手をこまねいた印象である。確かに実質政府の支援を受けた会社の買収がフェアといえるのか、安全保障上センシティブな石油会社を非民主主義国家の会社が買収することに問題ないかという問いかけは正論である。しかし、米国は政治的に利用しても良いから最終的に承認すべきであったと今も信じる。

中国は経済成長を続ける為エネルギーがどうしても必要なのであり、今後もエネルギー源の確保に精力的に努めるであろう。当然行き先は世界から爪弾きされている化石燃料を持つ独裁国家となろう。又、近隣諸国との国境付近の資源獲得摩擦の激化が予想される。更に、中国はグローバル経済にしっかり組み込まれ、日欧米も益を受けているという認識も必要である。勿論、実利だけで語るわけには行かないが、Unocal買収がそれ程世界のバランスを崩すとは思えない。

しかし、CNOOCのアプローチも拙劣であった(日本経済新聞)。買収先のUnocalに議会対策を求め反発を受けたのが直接の原因だったという。中国政府の裁量で思うままに運営してきたCNOOCにとって、グローバル・エコノミーの共通ルールの下でビジネスを進めていく知識に欠け準備が出来てなかったと見られている。既に買収した海外企業も苦戦している。トムソンのテレビ部門を買収したTCLも未だ赤字から浮上できていない。

今回ブッシュ大統領が最終判断しなければならない事態を避けられた(先延ばししたかったといわれている)が、第2ラウンドは必ず来る。時間の問題である。その時は今回の教訓を得てもっと理論武装し反対できない提案をしてくるはずである。買収の対象によっては単純な経済行為とはみなされないことは理解された。これは決して悪い話ではない。CNOOCは手順前後したが初めからビジネス慣行を軽視しようと思ったわけではない。次にどのような形でアプローチするか注目したい。■


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