かぶれの世界(新)

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田舎からの便り

2007-11-17 15:08:23 | 日記・エッセイ・コラム

舎で懇意にして頂いているSさんから珍しく母の消息を伝えるメールが来た。母が畑に出て農作業をしているのを見たことを伝える内容だった。鍬で畝立てをしてタマネギの定植をしていたそうだ。母はタマネギがないと寂しいからと聞かれて応えたという。

そういえば採れたタマネギを軒下につるし一年中食べていた気がする。真っ白なタマネギを細かく刻み、缶詰ツナを砕いてマヨネーズをかけて混ぜ、トーストのトッピングや酒のツマにするととてもうまかったが、母がどうやって作っていたのか実は知らなかった。

メールを見て、一輪車に鍬とタマネギの種を積んでひょこひょこ頼りなく歩いていく母の後姿が眼に浮かんだ。居間に設置したインターネットカメラで見る母はいつもコタツに入って寝転がっていた。最近座椅子に座り新聞やテレビを見ていることが多くなっていたが、畑に出るほど元気になったとは思わなかった。

電話で話す母の声も力強くなった気がする。まだ生に対する執着が十分残っているということなのだろうか。色々やりたい農作業や家の周りのことがあるらしく、今月末に帰郷する私を待っているという声がやたら力強かった。

今回帰郷した時には介護センターの担当の方と相談してバリアフリーの改装をやろうと思っていたが、この調子だと母は今のままでも良いと言い張るかもしれない。

アマチアカメラマンでもあるSさんは念願のシルクロードの撮影ツアーに行かれたそうで、田舎に戻れば是非作品を見せて頂きたいとお礼とともにメールの返事をした。■

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原油高と富の移転

2007-11-11 23:00:01 | 国際・政治

ブプライム問題に端を発した世界連鎖信用不安は、その後3ヶ月間で日本一人負け状態に発展していると先月末「縮小する日本」と題して書き込んだ。

しかし一人負けではない、連れが出来たようだ。持ちこたえていると思われた米国経済がおかしくなってきた。先週シティバンクやメリルリンチ等大銀行からGE金融子会社までが巨額損失を計上し、サブプライム問題が何時までたっても先の見えない底なし沼であることが明らかになった。

サブプライム合計200億ドルのまだ半分は損失が表面化していない(NYtimes11/8)といわれ、この先誰が痛手を被るのか市場は疑心暗鬼に陥っている。当初ヘッジファンドだけかと思いきや大銀行に問題が波及し、米国経済は大事になっているという見方に変わった。

NY証券市場が暴落、ドル安が急速に進む一方で、原油価格が100ドルに迫りユーロが史上最高値を付けた。サブプライム問題が直ちに収束する見込みは無く来年に持ち越し、他の分野への影響が波及するのは必至となった。

ドル安は米国企業の業績向上に貢献しているがそれは一時的なもので、結局のところ通貨が下落すれば経済の評価が下がることであり、後に必ず弱気市場が来るのは歴史上の事実だとCNN Money11/9)は予測している。既に投資家は弱気モードに入ったように見える。

投資するなら多国籍大企業か外国政府の国債が安全と同記事は勧めているが、この先どういう展開となるか予想が付かない。最早日米は魅力的な投資先とは見做されなくなった。来年1Qまでサブプライム関連の損失報告が続きそうだという予測が有力になってきた。

軸通貨としてのドルの地位が揺らいできたと何度も警告されてきたが、米財政赤字を埋めてきた中国政府の外貨準備1.4兆ドルが投資先見直しの噂が出てきてついに現実味を帯びてきた。日中が対米貿易に依存している状況に変化はないが、別のところに変化が出てきた。

足元では日本の個人資産の海外流失は続いているが、一方で「米国離れ」が進んでいる。今朝の日本経済新聞によれば米国の債券を中心に運用している投信の純資産残高は1年前に比べ13%減の3.1兆円という。欧州や新興国に向っているからだ。

この流れの変化は世界的で、グローバル資金還流という視点から眺めると、グローバリゼーション下で米国一人勝ちと日欧の先進諸国が分け前を分かち合う構造が崩れつつある。資金の流れと集積が劇的に変化しているのだ。その変化のシナリオは大筋以下のように説明される。

端的に言うとグロ-バリゼーションが新たな段階に入り新興国経済が急成長、それに伴い原油需要が急増し価格が急騰、資金の流れが変わった。これが変化の本筋で、加速させたのがイラク戦争などの地政学的問題で、サブプライム焦げ付きをきっかけにしたドル安がより複雑にした。

ワシントンポスト紙(11/10)によると5年前に比べ消費者は1日当たり40-50億ドル余分に払い、今年だけで年間2兆ドルを石油会社と産油国に払っているという。そのうちの1/3の年間7000億ドルが産油国に流れ、世界の富の再配分が起こっている計算になる。

この富の再配分は産油国の選択肢をかつて無いほど広げ、世界各国に新しい風景が生まれていると報じている。

原油価格高騰はロシア財政を再建し露骨な資源外交で旧ソ連衛星国への影響力回復を目指すようになった。ベネズエラはオイルダラーを惜しみなく使い南米に反米クラブを構築している。イランの豊富なオイルマネーは核開発禁止を迫る欧米の制裁を恐れる必要が無くなった。

もっと危険な国も巨額なオイルマネーを手に入れている。ダルフール虐殺を非難する欧米の制裁も何のその、スーダンの首都は建設ブームで湧いているという。チャドはオイルマネーでせっせと武器購入に努めているという。

サウジアラビアやドバイのように国内投資に振り向け、石油事業に代わる産業の開発や都市開発に巨額投資を続けている国もある。しかし、ロシアを始め多くの国は大金を目の前にして恩恵を国民に行き渡らせる改革を先送りにしているという。

原油価格高騰は長期トレンドとしてこのまま続く可能性が高いと見られている。つまりBRICsを始めとする新興国の経済成長で自国市場が育ち、自律成長し始め原油需要は増える一方だからである。仮にこのまま100兆円近くの富の移転が毎年続いた時、10年後の世界はどうなっているだろうか。■

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会員制別荘体験記

2007-11-08 23:13:15 | 社会・経済

員制別荘のキャンペーンに応募して河口湖の近くにある忍野温泉のリゾートマンションに泊まった。2寝室、和室、LDK、クローゼット、風呂とシャワールームで長期滞在に必要な調理道具、洗濯機から家具まで全て揃っており、しっかりした作りの部屋で十分くつろげた。

中央高速を利用すると本来なら2時間余りの距離で、紅葉が美しい山里にあるリゾートマンションに着いた。実は、久しぶりの車の運転でうっかり都心に向って乗り調布でUターン、河口湖ICを出て逆方向の本栖湖に向った。お陰で富士山を見ながら川口湖畔のドライブコースを楽しんだ。

係の人の説明では、バブル崩壊後に大企業が放出した福利厚生施設の管理運営などで得たノウハウを展開してこのビジネスを始め、団塊世代の退職を期してここ2年くらいで急に会員が増え始めたという。自前の別荘を持ちたいという人に代替手段を与えるというのが発想だ。

マンション当たりの部屋数を絞り、利用者の選択を増やす部屋を全国何処にでも提供することに会員権の商品価値がある。従って自前のマンションを建てるよりも、希望の多い地区にある既存リゾートマンションの10-20部屋を購入し、これを会員が利用する仕組みだ。

会員になるには利用度に応じて数百万円の入会費と10万円弱の年会費を払えばよい。全国で2千数百室を3000人余の会員が利用し、稼働率は70%弱だそうだ。4人家族が年10回10年間利用すれば一人一泊1.5万円程度で利用できることになるが、現実的には年3回程度利用ならホテル泊りで好きな所に行くほうがいいというのが家族の総意だった。

そもそもコストパフォーマンスを考えると別荘を持つなんて贅沢、といって会員制別荘でも損得計算すると不要という結論しか出てこない。私もどうしてもという気にもならず家族を説得するまでも無く結論が出た。考えてみると、そもそも来る前から結論が出ていた。

とはいっても昨夜は美味しい食事のケーターリングサービスを受け、持ち込んだワインやお酒をしこたま飲み、大スクリーンでACLサッカーをみてリゾートマンションの一夜を楽しんだ。

6時過ぎ起きカーテンを開けると眼前に霧の合間に富士山が見えた。思いついて小一時間散歩しているうちにすっかり霧が晴れ美しい富士山の全容が現れた。

気分よく部屋に帰りテレビに目をやると、昨日NY証券市場がダウ平均$300以上下げ、ドル112円台までドル安が進んだというニュースが流れていた。後で調べるとGMの金融子会社がサブプライムで巨額の損失を出し、中国政府が米国債購入の見直しの動きを睨んだドル安と分かった。

ニュースを見た時は、詳細を調べようにもインターネット接続が出来ず内心は早く東京に戻りたいと思いつつ家族に付き合った。詳細が分かったところで実は何も出来ない。90年代に建築されたマンションにはネット接続など考えてなかったのは止むを得ない。

マンションを丸ごと購入したわけではないので後からネット接続工事をするのも簡単ではないという。別荘を利用する人は引退世代であり、どうもネット接続のプライオリティは高くないらしい。一方、ペットを持ち込むニーズは高く、その為の専用リゾートマンションが急増しているという。

いずれにしても長居は無用、近くの骨董屋の覗き、勧められた製粉所に行き蕎麦とうどんを腹一杯試食、お土産を買って一路東京に戻った。往きも帰りも富士山が綺麗に見えたが、午前も午後も中央高速から見える富士山は逆光だった。■

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食品業界の不祥事の構図

2007-11-06 23:46:41 | 社会・経済

小沢民主党代表辞任と亀田騒動に隠れているが、このところ日本列島は食品業界の不祥事が相次いでいる。150年以上続く老舗赤福から創業30年余りの食品会社まで、北から南まで不祥事が連日報じられている。

報道を追って行くとまるで判を押したように同じパターンで進行する。一体何が起こっているのか、背景に共通する問題があるのか、ゼネコンとか官製談合とは何が異なるのか、今までの報道から底流を探ってみた。

不祥事に共通するつのパターン

(1)最初はダメージを最小限に留めようとし問題の範囲を狭めて発表し、その後次から次へと不正が暴露もしくは当局から指摘され、最後にトップ自ら不正に関っていた会社ぐるみの不正だったことが明らかになり、会社の存続に関る大不祥事に発展する。メディア対応の未熟さが目立つ。

(2)摘発されているのは食品業界でも中小規模の所謂地場産業が殆どで、創業者一族の経営である。社員は創業者に頭が上がらず、長いものに巻かれ自分で判断できず、会社思いの言い訳をした。小額の節約(不正)を行い、結果営業停止に追い込まれ巨額の損失を出し倒産の危機に陥るケースが見受けられた。

(3)これら不正は1980年前後から始まったものが多いように感じる。この頃日本人の心を変えるような何かが起こったのだろうか。70年代の2度のオイルショックを乗り越えるための原価低減の一環で実施した一時の不正が徐々に拡大し日常化したのか、その経緯に興味がある。

止め役の不在

創業者家族経営の中小企業の場合は、トップの目が現場まで届き人的資源も限られているので、組織で仕事をしないケースが圧倒的に多い。従ってトップが不正を指示した場合中間管理職がブレーキ役になるのは難しかったのではないだろうか。

トップを諌めた場合、直ちに人事で報復されるリスクを犯せない。それだけの人材を育てる仕組みも会社の規模的には中々難しいと思われる。一方で、匿名の密告を含めた内部告発の時代になり、不祥事を社内に閉じ込める仕組みが機能しなくなった。

官僚・大企業の不祥事

官僚や大企業の不祥事は所属する組織を守るための不正が特徴である。自分の懐に1銭も入らない不祥事は非常に日本的な現象である。彼らは所属する部門の業績の為に不良を隠蔽し、データを改ざんした。法改正の結果個人の犠牲だけでは済まず、企業にとっても談合が割りのあわないビジネスになり、状況は変化し始めた。

一方、官僚は老後の生活の為の横領とでも呼ぶべき公金無駄使いの仕組みを作り、発覚時の責任逃れのロジックを巧妙に組み込んだ。だが、長年の悪しき慣行で感覚が鈍り、度の過ぎた巨大無駄使いシステムが国の財政を揺るがす化物になり、ついに自壊の道を歩み始めた。

全てに共通する底流

昔は良かった式の安易な発想はすべきでない。官製談合などの不祥事も今急に起こったわけではなく、長年続いてきた悪しき慣行が今露見しているのである。内部告発をエンカレッジする法改正、組織に対する忠誠心の低下、匿名での告発手段の出現等々が内部告発を後押しした。

中小の食品業界の不祥事の中に同情すべき点がなくもない。かつては賞味期限表示などなかった。消費者が五感を働かして食するなり廃棄するなりした。腐ったものを食べればお腹が痛くなる、それは消費者の判断に任された。制度が変わった時、昔からの知恵で何十年もやってきて安全と思われる製法を続けた商品もあるようだ。現代は簡単に食べ物を捨てるすぎる時代になった。

この見方が正しければ同じ問題を抱える中小の食品企業はまだまだ多いと思われる。これからもこの手の不祥事の摘発が暫らく続くと思われる。大前研一氏は戦後教育と親に共通する問題と指摘している。端からインチキしたものなど論外だが、それだけと言い放てるか私は疑問だ。■

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民主党の政権担当能力を問う

2007-11-05 12:04:29 | 国際・政治

院選圧勝の後、民主党は従来の自壊パターンを反省し比較的うまくやってきたと思っていた。しかし、国会審議が始まると法案1本通らない異常事態が続き、政権担当能力があるのか疑問の声が出始め、福田首相はその機会を逃さず党首会談を提案し小沢党首が応えたことから、報道されているように波紋が広がり混乱が始まった。

福田首相が特措法を諦め小沢氏持論の恒久法を飲み、小沢氏を副総理に向かえ大連立を提案したと一部で報道されている。とすれば福田氏が信念無き政権運営と非難されるべきなのに、自説を通した小沢氏が民主党幹部全員から反対され党首辞任という不思議なことが起こった。

福田氏が異常事態の打開を最優先に根本政策と見られるものさえ妥協したのに対し、小沢氏は長年の「個人的信念」が一気に実現する事態に接し、提案受入に動いたようだ。

しかし、小沢氏は足元の民主党の寄り合い世帯的体質に加え、現在政策を一旦棚上げしてでも衆院早期解散を狙うという党内現実をすっかり見誤ったというのが大方の理解で私もそう思う。良くも悪くも現実を見誤った結果が安倍前首相に続く突然の辞任に繋がった。昔来た道は続く。

会ネジレ自体は多くの国民は必ずしも異常事態とは思っていないと私は信じる。そのために与党は謙虚になり生活目線で問題に取り組むようになり、官僚に絡む不祥事などの情報が出て来て議論は深まり、官僚の非協力的な態度を押し切り問題に取り組むようになった。

問題は民主党が「何でも反対」というかつての社会党的アプローチを取り始め、政権担当能力に疑問符が付き始めたことだ。政権交代を期待する国民は依然多いと思うが、このまま何ヶ月も何も決まらない状態が続きその責めを問われた時、民主党は微妙な立場におかれるだろう。国民の1%の支持も得られない社民党と同じ意見を繰り返されるだけでは政権担当能力は示せない。

私は民主党に小沢党首の持論でも現在の何でも反対でもない第三のアプローチをとることを勧めたい。それは国民にとって早急な対応が必須で妥協できる案件について、国民に理由を明確に説明し与党にも妥協を求めて政策協定し法案を早急に通すことだ。

何を妥協するかしないかその理由を明確にし、マニフェストに対応付けて説明することにより、民主党への信頼を高め政権担当能力があることを示すことが十分出来るはずだ。小沢党首の辞任はもう避けられない。新党首がこの新方針を打ち出し実行することが参院選で国民が示した民意に応え、しいては政権担当能力があることを示すことになるはずである。■

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