かぶれの世界(新)

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国難を招いたリーダーの選び方

2010-04-16 22:42:48 | 国際・政治

核安保保障サミットに出席した鳩山首相が、オバマ大統領に殆どまともに相手にされなかったことにつき、ワシントン・ポスト紙が「最大の敗者」と酷評したと言う記事が、日本の新聞・テレビで15日一斉に取り上げられた。普段米国を非難する人達がこういう時は揃って米国メディアの記事を押し頂いて引用するのがいかにも皮肉っぽい。逆は先ず考えられない。

普段アメリカかぶれと自称する私だが、この記事を見てカチンときた。何で一国を代表するリーダーが、しかも重要な同盟国の首相がコケにされるようなこと言われなきゃならないんだと思った。柄にも無く急に単純な愛国者の心境になった自分に気が付いた。

もしかしたら鳩山氏は米国との関係を本気で見直すきっかけをわざと仕掛けて作っているのかもしれない、そうでもなければこんな馬鹿な事をする首相はいないだろうと深読みした。野党時代の彼の持論を密かに実現しようとしているのかもしれない。危険な賭けだ。

だがちょっと考えると、この首相はそんなタマ(失礼!)ではない。単純にそういう軽い扱いを受けてもしようの無いことをやってきただけだ。そんな日本政府に対して米国が他に対応の仕方があったかといえば、無かったのだろうという気がする。日本国内の議論は迷走し、交渉の材料さえ揃っていないのだから。

このところ1年で辞める短命首相が続いているが、参院選を前に鳩山氏はもっと短い寿命になる可能性が現実味を帯びてきた。どうも首相を選ぶプロセスが機能しなくなったように感じる。もう少し時間をかけて首相に相応しい資質か過去の発言や政治献金の記録を問いただしておけば、彼が首相になるのは防げた気がする。

彼が首相になったのは、端的に言えば資質のありなしよりも小沢氏と手を組んだからだ。自民党政権時代も安倍・福田・麻生と当時の世論調査で人気があったから首相に選んだ。現政権のような政治とカネの大きなスキャンダルは無かったが、首相としての資質に欠けていることはものの数ヶ月で分かった。

我国のリーダーを選ぶプロセスが壊れてしまった気がする。これだけ資質に欠けた首相が何代も続く一方で、世界的経済危機の中で失業者が溢れ巨額な財政赤字の中で日米同盟が揺れる、正に「国難」だと私は思う。しかも、誰のせいでもなく国民が選んだ政府の自作自演の「国難」だ。だがリーダーを選ぶプロセスを見直せばもう少しマシな結果が期待出来たかもしれない。

私は小選挙区制を支持するが、それに合わせて首相を選ぶプロセスを見直す必要が出てきたと今回つくづく思った。一時期話題になった首相公選制が良いのだろうか。具体的にどうすべきか余りアイデアが無いが、少なくとももっと時間をかけて候補者を煮たり焼いたりして資質を試す時間が必要だと感じる。■

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介護録10春(2)

2010-04-15 21:44:00 | 健康・病気

母の「終の棲家」をどこにするか決めた。病院が紹介してくれた施設を見学後、スプレッドシートに比較表を作り病院の相談員に見せて説明し、私が気付かなかったコメントを貰った。それを元にメールで施設に質問し返事を確認して、松山市内の介護付有料老人ホームに決めた。

必須条件は介護及び医療が組み込まれて、今後介護レベルが上がり認知症などが進んでも最後まで入居して面倒を見てくれるところだ。母の症状にあった相談員の細部のコメントは成る程と思った。例えば、母が他の入居者と違う食事をみて羨ましがらない様な形式になっているか。つまり、バイキング形式の食事があるかとか、おやつはどこで食べるのかとか。

広い意味でのリハビリがどの程度プログラムにあるか、外出の機会がどの程度あるか、食料など買い物の管理や金銭管理が出来るか、花の好きな母が庭などに出て散歩できるか等等、私には思いつかない質問をし、期待した答えが返ってきた。テキパキとした対応や整理された施設の様子をみて管理が行き届いていると感じたのが、会社務め時代の習慣が私の選択の別の理由だ。

この後、病院から老人ホームへの転居で介護や医療の引継ぎをスムースにするため、病院に依頼し施設に決定した旨連絡して貰い、次のプロセスに進んでもらうことにした。その第一ステップとして一昨日、施設から相談員・看護・介護など4人が出席して、病院の同じ担当の人達と私を入れて打ち合わせした。

専門用語はわからないが、病院の介護担当の方が説明した普段の母の様子が印象深かった。今まで何度も病院に通って相談員・看護婦・介護士の話を聞いたが、遠慮してか母の良いところを強調し、聞えの悪い事は言ってくれなかった。だが彼女は、母は気に入らないと返事をせずたまに癇癪を起こし大声を出すと率直に言ってくれた。それこそ少なくとも私の知っている最近の母だ。

母の体重が入院時40kgあったのに35kgになり、担当医が調べたが特に異常はなく様子見という看護婦の言が気になった程度で、そのあと母と施設スタッフと短い面接があった。その後母の個室を見て転院後も同じ印象を与えるよう工夫するという。窓からの景色が緑の多い部屋がお勧めで、最近入居見学者が多いから、部屋を確保する為に早めの前金の入金を勧められた。

今日、農協の母の預金口座から前金10万円を振り込んだ。近所の人に会う度に母が良くなったと答え、何時戻ってくるのかと聞かれ、もう家には帰れないと答えなければならないのは余り心地よくない。今日もそうだった。だが、政治家の言のように感情を抑えて「粛々」とプロセスを進めるしかない。来週はいよいよ契約し、転院の日取りを決める予定だ。■

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田舎暮し雑感10春(2)

2010-04-11 12:25:01 | 日記・エッセイ・コラム

昨日早朝に近所の人達が小高い山にある守り神の神社に集まり、清掃をして、神様を拝み、お神酒を頂き暫く歓談した。7時半集合のところ遅れて8時前に行った時、あらかた清掃が終っていたが皆歓迎してくれた。この時期に田舎にいることが無かったので、私は初めての参加だった。

私より一回り若い農協勤めのAさん以外は皆おばあちゃんと言われる人達だった。彼女達の夫は殆ど亡くなっている。壁にかけられた古ぼけた書き物を見ると、天保年間の氏子の名前があった。私の先祖の名前もあった。氏子を数えると何だか昔の方が今より人口が多い。

今は20-40代の人は来ないし、子供達が遊びに来ることも無い。私が小学生の頃まではここに来てよく遊び、椎の実を採り、蟻地獄を採集した。春と秋に「お篭もり」があり、たまに御神楽が演じられ餅まきがあった。今はお篭もりの代わりに清掃だけやる簡略式になったと言う。

それより1週間前の暖かな日に、この神社の近くにある御室(おむろ)にお参りした後、出来合いの行楽弁当を近所の人と頂いた。御室の近くのうちの庭にゴザを敷いて座卓を囲み、お酒にお弁当を頂く、言ってみればお花見だ。

30年前頃に取りまとめ役の近所のオジサンと死んだ祖母がお花見を始めたのがきっかけで、その後徐々に近所の人達が参加して毎年の行事になったと聞いた。田植えの前に苗を育てる共同苗代が高速道路のため買収されたお金がお花見の資金になっているという。となると、その後に引っ越してきた人達は入れないなと思った。

まだまだ近所とのお付き合いが続く。それより更に1週間前に近所のオバサン2人が満開になったカイドウを見に来た。伸び過ぎた枝を落として見栄え良くした直後だった。ついでに庭のあちこちに足を運び、花の名前を教えてもらい雑草を引いてもらった。お礼にミカンを差し上げると、翌日の散歩の時野菜をお返しに頂いた。

田舎に来てから踵(かかと)の痛みがひどくなり、長く歩けなくなった。唯一の楽しみだったバドミントンの練習に一度も行ってない。何十年も習慣にしていたつま先に体重をかける歩き方から、普通の踵に体重をかける歩き方に変えて膝の痛みが無くなった。しかし、半年たって長年の習慣で体重がかからなかった踵が悲鳴を上げたのだろうか。知人は整形外科に行けと言うが。■

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オバマの目指すもの(13) 歴史に名を残す

2010-04-10 21:48:20 | 国際・政治

内政治の混乱を注目する余り、暫くオバマ大統領について書かなかった。昨年9月初め頃に支持率急降下の背景について書いたのが最後だ。皮肉にもその後支持率の急落傾向が止まり、直近の支持率も50%台(51.7Pollstar.com48日時点)を保っている。

大統領の支持率はまだ上向いていない、しかしその間に彼の政治的立場は大きく変化したようだ。前回の記事では、支持率低下の原因は、オバマの公約で長年民主党の念願でもあった医療保険制度の改革が難航、妥協を重ね中途半端になり、どの層からも信頼を失ったと指摘した。

だが、オバマは外交日程を変更してまで最優先で取り組み、先月遂にこの医療保険制度改革法案を成立させた。歴代民主党大統領がなし得なかった改革を実現し、歴史に名を刻む偉大な大統領として記録されることになった。ちょっと早いが、就任1年余りで達成してしまった感がある。

雑誌Time4/5)やファイナンシャルタイムス(訳日本経済新聞4/10)は、聞えの良い公約の演説は上手だが実行力はないという評価から、一転して困難を乗り越え理想を実現したタフな大統領と、欧米のメディアは評価を一転させたように見える。(私にはこっちの方が劇的に見えるが。)

協の産物といわれる医療保険改革の評価は今後3年間に徐々に定まっていく。雇用者や保険料を負担する雇用者と中流階級、財政への影響などが具体的に現われてくるのはまだ先のことだ。これで評価が定まったわけではない。健康な若者がどの程度加入するかに新制度の成功がかかっていると高官の声を今朝のCNNは伝えている。

だが、とにもかくにも最大の懸案事項の法制化を終えたオバマは、秋の選挙に向かい民主党内の雰囲気を前向きに変え、今後オバマ大統領は立場を強めて着々と内政や外交に取り組むと見られている。既に、今週ロシアと新核軍縮条約に調印し、就任当時チェコで世界に向かって宣言したもう一つの重要政策課題の第一歩を踏み出した。

雇用の回復はまだ時間がかかりそうだが景気回復の見通しが立ち、今後はスピードを上げて矢継ぎ早に懸案事項に対応していくことが予想される。既に対中関係の改善に向けて動き出し、イラン・北朝鮮の核拡散防止、グローバル金融規制の強化などでも取り組みが強化される見込みだ。

蛇足だが、この記事を書くために読んだTimeによれば、今回の改革案は元々93年に共和党のドール大統領候補等が提案したものが原案で、それをヒラリーが大統領選の政策として取り上げ、回りまわってオバマの改革として名が残ったという。今回共和党は地獄に落ちるみたいに大反対をしたが今後言訳に窮するだろうという。日本でも同じ風景を良く見かける。

最後に私らしく皮肉で締める。対照的なのが、短期間に国民の支持を失った鳩山首相の立場で、あっという間に支持率が逆転した。強い政権基盤の無い政府を持つ国民はつくづく不幸だと思う。オバマは最初の目標を達したということで、今回でこのシリーズを終了する。■

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無党派が日本を変えるか

2010-04-07 23:23:39 | 国際・政治

国民が政権交代にかけた期待が失望に変わるのを見聞きするのは辛いものがある。他に一体どんな選択肢が残されているのか難問だ。新党が答になるだろうか。その前に何故こんな馬鹿なことがそう易々と起こるのかメカニズムと結果として生じる歪について少し考えてみたい。

泉進次郎氏が衆院財務金融委員会で亀井大臣に対し、政党支持率が0%の国民新党の郵政民営化見直しが連立政権の政策になる問題について追求した。小泉氏の質問は至極当然で、民主主義の根幹を問う問題だと思うが、亀井大臣と対決した宿敵小泉元首相の息子との質疑という低次元の報道が多かったのは残念である。

政権交代後、少数政党が重要視する郵政民営化や普天間基地移転問題などで迷走するにつけ、国家の骨格を決める重要問題が国民の支持が全く無い少数政党に振り回される危うさを感じていた。国会のような公の場で面と向かって指摘したのは小泉氏が初めてではないだろうか。

この現象は現在の連立政権の構造的な特徴で、必ずしも一般的とは思わない。異論が続出する重要政策は鳩山首相の優柔不断で時間を稼ぎ、小沢幹事長が政権維持に優先順位を与え方向付けるのを待って、首相が決断するというのが政策決定プロセスとなってきた。鉄板の郵政票が欲しい多くの民主党議員が後押したが、もちろん小沢氏の優先順位と合致している。

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%が国の重要政策を決める不可思議さに報道を含め我々は鈍感過ぎる、もう少し明確なシグナルを出すべきではないかと考える。国民にとって見るとそれは第一に投票行動であり、その間に実行される世論調査である。内閣支持率急落や地方選で既にその兆候は感じ取れるはずだが、7月の参院選での国民の意思表示は別次元かもしくは挽回できると考えているのか。

といいたいところだが、必ずしもそうとも言えないかも知れないと私は考える。それは我国が歴史上どこの国でも経験したことの無い高齢化の進んだ国になることの選挙への影響である。岡田恵子氏は有権者各世代の人口と投票率を掛け合わせ選挙人ピラミッドを作成、政策決定の世代別影響力が見事な人口逆ピラミッドになると予測した。(参照:岡田恵子氏の記事http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20100222/212952/

それによれば2009年有権者の中央値50-54歳、投票者では55-59歳であり、50代がキャスティングボートを握っているという。最大有権者世代は何と60-64歳(私達団塊の世代)であった。20代の倍の投票者数である。この世代の支持を受ける政策を打ち出した政党が勝つ可能性が高いということだが、世論調査では世代要因を反映していない。

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票の地域格差がもう一つの国民の意思がそのまま政策に反映されるのではないファクターである。現状は衆院では2倍、参院選では6倍以上の格差が違憲と判断されているが、いずれも直ちに是正される見込みは無い。小沢氏の選挙戦略の狙いはこの辺にあるように感じる。だがこの傾向は政治を著しく歪めると私は考える。

このところ我国は「弱者の正義」を貫き通す程の経済力が無くなったにもかかわらず、肝心の経済力を弱める政策が打たれている。この趨勢が続けば、数年も経たない内に我が国の相対的な経済力が一気に低下する恐れが出て来たと感じる。だが、今彼らを代弁する票が見当たらない。

結果として海外で利益の大半を上げている企業や起業家の選択肢は、不利な扱いを受けない海外に向かう選択肢が現実になっている。既に日本の雇用の多くは海外に移転された。彼らの声は選挙への影響力という点では無力だが、頑張ったら報われる国を選ぶ権利を行使する事は出来る。個人レベルでもでも国内の優秀な人材は出て行き、海外の人材は日本を選ばない。

先に投稿した予測のように、参院選を特長付けるのは「組織票対無党派層」の戦いになると私は見ている。無党派がどの程度国政選挙に参加するか(投票率)によって、民意をどの程度反映して政治の歪みを是正するか、選挙の性格付けが変わる。どちらに転んでも無党派が日本の政治を決める予感がする。■

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