一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

東十条囲碁将棋サロン初見参(前編)

2014-04-09 01:41:24 | 東十条囲碁将棋サロン
JR東十条駅のすぐ近くに、「東十条囲碁将棋サロン」がある。ここに、この4月から、植山悦行七段と大野八一雄七段が、講師として参加することになった。日にちは毎月第1、3火曜日。つまりきょう(8日)がその初日となる。ふだん両七段にお世話になっている身としては、初日ぐらい顔を出さねばマズイ。それで、行くことにした。
定時に仕事を終え、外出の準備をしながらNHK-BSを見ると、室谷由紀女流初段(と渡辺明二冠)が出ていた。きょうは名人戦第1局があり、ふたりはその解説と聞き手で出演していたのだ。
サロンへは午後7時に入れば十分なので、しばらく室谷女流初段を鑑賞する(解説を聞くのではない)。
室谷女流初段、また一段と美しくなったようだ。ピンクのカーディガン(別の呼び名があるのだろうか)が愛らしい。大豪相手にひるむことなく、堂々の聞き手である。
それで思ったのだが、室谷女流初段は歳を取っても、その美貌は衰えることなく、ますます艶やかさを増すタイプに思った。まったく、室谷女流初段は将棋界の至宝である。これからも将棋界のために頑張ってほしい。
さて東十条に向かう。北口改札(川口方面)を出て左に行けばサロンがあるが、夜の行動がはっきりしないので、食事を摂るべく右に歩を進める。
階下へ出ると、すぐ目の前がかの有名な「東十条商店街」だ。この一隅にある「松屋」に入って、牛丼を食した。
再び駅に戻って、改札口を先に進む。そのまま階段を上り、右を見ると「囲碁将棋サロン」の看板が控え目に掲げてあった。
さらに階段を上りドアを開けると、そこは縦長のスペースで、手前が囲碁サロン。奥を見ると見知った顔があり、そこが将棋スペースだった。
メンバーは植山七段、大野七段にW氏、それに見知らぬおじさんであった。「純粋」な客はこちらのおじさんのみということか。
将棋スペースは将棋盤4面分しかなく、いかにも狭い。もっともそれも道理で、ふだんは囲碁客が幅を利かし、将棋スペースには閑古鳥が鳴いているという。今回植山、大野両七段が講師を務めることになったのも、そのテコ入れの意味があるらしい。
ところで大野七段は、あす9日、村山慈明七段との対局(王将戦)を控えている。そんな大事なときに大丈夫かと思うが、開講初日ゆえ、顔を見せたらしい。大野七段は級位者とおぼしきそのおじさんに詰将棋を出題していた。
私は植山七段に教えていただく。その前にサロンのシステムを記しておくと、営業時間は午後1時から11時まで。料金は800円である。複雑なのがプロ棋士との指導対局がある日で、こちらは席料込で3,000円となる。月2回だと5,000円と割安になるが、その場合、1回目のときに一括して払う必要がある。また、入会金として別途5,000円がかかるので注意されたい。
原則的に、午後4時30分~6時30分が級位者対象の将棋教室、7時~9時が有段者対象の指導対局となる。
植山七段とは平手で対局開始。▲7六歩△8四歩▲2六歩△3二金▲2五歩△8五歩。私は角換わり将棋を意識していたのだが、最近は後手一手損角換わりが多いので、後手から「△8八角成」が頭にあり、つい▲7八金と上がってしまった。
「大沢さん、横歩取りの将棋に誘導しようとしているでしょ」
と植山七段が言い、「そうはいきませんよ」と△8六歩と突いた。この形で後手に飛車先の歩を切らしたのは面白くなかった。当然▲7七角と上がるべきだった。
以下、植山七段の逆ひねり飛車に進む。明らかに下手(先手)の作戦失敗である。
私は▲6五歩と位を張って▲6六角だが、これは突っ張りすぎた。上手は△5三銀から△6四歩。▲同歩△同銀▲6五歩△5五銀(▲6六角取りと▲4六歩取り)に▲7五角と逃げる。これが▲5三角成の先手だから、上手がそれを受けたら、下手も▲4七銀と上がってどうかと見ていた。ところが…。
以下△3一角!! まったく読んでいなかった。しかしこれは▲同角成△同金▲5三角△8二玉▲3一角成と金得になる。私は震える指でそう指し、上手は大変な見落としをしたんじゃないか? と疑心暗鬼を生じていた。ところがところが…。
ここで△6六歩!!と金頭に叩かれ、飛び上がった。これはうまい切り返しがあったものだ。▲5六金と上がれば金銀交換で収まるが、△6六歩の拠点が大きく、下手もたない。
一遍に下手が敗勢となり、プロの読みの恐ろしさに愕然とした。
以下いくばくもなく下手投了。感想戦ではおとといとうって変わって、コテンパンに叩かれた。今回は下手の序盤が緊張感を欠いていて、不急の端歩付き、明らかな手損、中途半端な囲い、無理気味の位取りなど、これでもかというくらいダメ出しを喰らった。
序盤をないがしろにしてはいけない。それを、身をもって感じた一局だった。
(本譜▲5三角と打つところでは▲5六歩△4四銀と収めてこれからの将棋に思ったが、そのあと▲4七銀では△1五歩▲同歩△1八歩▲同香△1九角があり、やはり下手が大変な将棋のようだ)
このあと、Wat氏とS君が相次いで入室する。どちらも大野教室やわらび教室でおなじみの顔だ。大野七段は帰宅し、植山七段はWat氏と、私はS君と指すことになった。
このS君との将棋の一場面を紹介する。

先手・S君:1六歩、1九香、2三歩、3四銀、4三歩、4四金、5二角、5六歩、6三成桂、6六歩、6七金、7七銀、7八歩、8七金、8八玉、8九桂、9七歩、9九香 持駒:なし
後手・一公:1一香、1三歩、2一桂、2八竜、2九と、3一玉、4五歩、5一桂、5四歩、7五歩、8四飛、9一香、9三歩 持駒:角、金、銀2、歩5
(▲2三歩まで)

ここで後手の次の一手を問う。 
(つづく)
コメント (4)
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