一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第64期王位戦第3局

2023-07-27 19:58:01 | 男性棋戦
25日・26日は小樽市にて、第64期王位戦第3局が行われた。小樽は私の好きな街のひとつで、歴史的建造物や魚介物に代表されるグルメ、小樽スイーツの数々、小樽運河や夜景などの景観、手宮線廃線跡のマニア向け遺構など、何回訪れても飽きない。JR北海道は瀕死の状態で、関係者はほとんどの路線を廃止したいのだろうが、新千歳空港-札幌、札幌-旭川と、札幌-小樽はドル箱として存続したいところであろう。
さて王位戦は、ここまで藤井聡太王位の2勝。もはや藤井王位の防衛は決まったようなものだが、この第3局を佐々木大地七段が取れば、第4局は先手番だけに、まだ希望は持てる。
第3局は角換わりになった。藤井王位の十八番で、ここで切り札を投入してきた。
相腰掛け銀から、双方飛車を引く、例の形になる。その後佐々木七段の模様のよい局面もあったが、これは互角の範囲。やがて藤井王位の模様がよくなり、将棋は第2日目に入った。
藤井王位が攻め、佐々木七段が受けるという展開。藤井王位は金頭に歩を打つ。これに佐々木七段が2時間32分の大長考をしたのにはたまげた。まだ中盤で、ここからいくらでも難しい局面が続く。ましてや相手が藤井王位なら少しでも時間を温存したいところ。そこを後先考えず、心行くまで考える姿勢が素晴らしい。これだけ時間を使ってくれれば、主催者冥利につきるというものである。
局面は藤井王位優勢の状況で終盤に進んだが、佐々木七段も反撃し、素人目には形勢の判断がつかない。
ここで佐々木七段の手番。私、というかアマだったら喜んで王手銀取りに桂を打つが、佐々木七段はじっと馬を引いた。
間接的に玉をにらむ手で、いかにもプロ的な手だが、相手が藤井王位なのが想定外だった。
藤井王位は捨て香! 強引に馬筋を元に戻し、1手のスキを衝いて、隅に角を打った。これがピッタリの手で、以下どの変化も先手が勝ちになる。なんだか、作った局面のようだ。
これで佐々木七段はがっくり。以下数手で投了した。
いや、3局を終わって藤井王位の3勝。佐々木七段も頑張ってはいるのだが、勝ち切れない。将棋は野球などと違い細かい数字が出ず、結果しか反映されない。佐々木七段も歯がゆい思いをしているのではないだろうか。
第4局は8月15日・16日。もう藤井王位の防衛は確定だが、あまりもつれさせると王座戦五番勝負に出場した場合、そこに食い込む可能性がある。結局、藤井王位は第4局も全力で戦うことになる。
コメント (4)
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