4月に入って忙しい日々が続いている
それで昨日は料理人を半日休ませて、昼のレストランを担当した
支配人が「社長は今日いないの」って言ってる女性客が来てますよ
と調理場の私に伝えた
一人で切り盛りしているので、とても顔を見に行ってなんかいられない
30分くらい経って、一段落してレストランの方へ行ったら
ロビーで手を上げている背の高い女性・・・逆光で顔がよく見えない
近づいても??
「T子です、お久しぶりです」
ああ!T子ちゃんだ、彼女は40才くらいで、去年まで馴染みのスナックでパートで
働いていたんだ
中国南部の風光明媚な山岳地帯出身で、今は日本人と結婚して帰化した
初めて会ったときに強烈な印象があった
国家イデオロギーの違いで、最初から衝突
非常に不快な女だと思った 同時に初めて見た本土の中国人だったから
中国人というのは気が強い人種なんだなあと思った
台湾で会った僅かな人たちは穏やかだったから、よけいにそう思った
その店には、その後1年くらい足が遠ざかってしまった
あるとき同業者団体の二次会でこの店に行ったら、たまたまT子が隣に座った
「初めまして」と言った 知らん顔をして「ワンシャンハ~オ」と言ったらびっくりした顔
面白かった、まったく一年前の私を覚えていない
それでこっちも初対面の気持ちで政治問題に触れない様に話していた
彼女の故郷の写真をスマホで見せてくれたりして、今回は和やかに進んだ
それからは悪い気もしなかったので、以前の様にこの店には月一くらいで行く様になった
この店のマスターとも親しい間柄なので彼も喜んでいる
去年のクリスマスにジャマイカンファミリーをつれてこの店で飲んだとき、T子はいなかった
マスターに聞いたら「本業が忙しくなって、この店はやめたんだ」ということだ
それ以来、一度も顔を見なかったが、昨日突然友達と食事に見えたのだった
今は老人介護の仕事でそれなりの担当をしているんだと、まっすぐな性格だから会社にとっては
ありがたい存在なのだろう。
こうして食事に来てくれるのも、あの店で会ったからだろう、これが法要や宴会に拡大する
こともある、相手がどんな職業であれ常に尊敬してつきあわなければいけないと思った。