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「甲越軍記」を現代仕様で書いてみた(181) 甲越 川中島血戦 8

2024年08月26日 10時50分48秒 | 甲越軍記
 海野平に着陣した長尾景虎は宇佐美駿河守と軍議を行い、備えを龍の丸備えとして、先陣には長尾越前守政景、(景虎の姉婿)、吉江織部、同備中守、佐々佐渡守、中条梅坡斎、二の備えには柿崎和泉守景家、直江山城守兼続、大関阿波守親益、柴田、芋川、安田上総介、三陣は大将景虎の旗本、甘粕近江守景時、上田修理進景国を旗本の左右に備え、これに続いて甘粕備前守、鐵上総介、和田喜兵衛、四陣、村上左衛門義清に信州勢これに従い、高梨播磨守宗景、色部修理亮長実、島津左京進隆久、井上兵庫介清政、五陣、古志駿河守秀景は旗本より五、六町引き下がって備えを立て、荷駄奉行には本庄越前守長繁、同清七郎
そのほか宇佐美駿河守定行、山本寺宮千代丸、斉藤下野守朝綱、加地安芸守、同右馬丞、色部一子、山村若狭守、同右京、北條丹後守、竹俣三河守を始め越後の勇将ら威風堂々と備えたり
景虎は諸軍に令して曰く、「一手限りの合戦は、わが家の法である、進むとも退くとも、他の諸将は力を合わせるべからず
二陣の柿崎らの六将は先備えの戦将が軍を破ってのち一同に進みかけて乱戦を成せ、我はこの時に乗って晴信の旗本に急に攻め討って有無の一戦を遂げん
旗本の備えたる甘粕、上田はわが軍が進もうとも少しも勢を動かしてはならぬ、備えを堅めて敵の進み来るを待て速やかにこれを討つべし
竹俣、色部、山村は横合いより敵が来たときに奇道より進んでその敵を討ち散らせ、荷駄奉行は遥かに下がって陣気を上げよ、万が一軍危うく先手が敗れ政景が討死するならば柿崎和泉守はこれに代われ」と厳重に下知した。

すでに十月九日午の刻、武田方の先鋒小山田備中、長尾方の先鋒、長尾越前、両陣互いに押し出し金鼓を打ち、鬨を上げて鉄砲一斉に撃ちかける音、天地に響き渡りすさまじく、矢は雨が降る如くに両陣晴れの戦であれば互いに一歩も引かずどっと喚いて突きかかる、四角八面に戦うありさま、いつ果てるとも知れず
武田方には小山田の組下小林三弥、一番に飛んで入り向かう敵を叩き伏せ首を掻いて引き返せば、長尾方には越前守の組下、宮田権左衛門真っ先に攻め入り、敵を突き倒して首を取る
これを双方の一番首とし、小山田勢先鋒衆先を争い死を潔くせんと討ちたてれば、長尾越前守の先鋒も我劣らじと踏み込み、穂先を揃えて挑みかかる
血の波を蹴立て、手を砕いて打ちあう形勢はまことに激しく、小山田勢は打ち負かされて崩れる
備中守は苛立って「甲越初めての戦なるぞ、後れをとって後代まで名を汚すな、無二無三に攻め込んで切死にせよ者ども」と馬を乗り回して下知すれば
剛兵なれば、これに励まされ死人を踏み越えて声を上げ死力を尽くして攻め立てれば、こんどは長尾勢が劣勢となり二町ばかりさっと引く
長尾の二手に控えている直江山城守、柴田、柿崎和泉守、安田上総、甲州勢の左に回り小山田左兵衛の備えに打って懸かる
槍先鋭く、白刃の光は電光閃くが如し、激しき事、獅子の怒るがごとく
東西に駆け巡り、南北に首を取りあう激しき攻防となる


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