おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
昨日の「玄関口でのご挨拶」は、多くの方々にお読みいただき、6人の方からコメントをいただきありがとうございました。
人間関係で関心の高い領域なのでしょうね。
さて、「玄関口でのご挨拶」の心理学的な背景についてお伝えします。それは、「ツァイガルニク効果(Zaigarnik effect)」です。
「ツァイガルニク効果」というのは、B.V.ツァイガルニクの実験によって見出され、、K.レヴィンの行動理論を支持する証拠の1つとして報告された理論で、中断された課題の方が、完了した課題よりもよく記憶されているという事実に基づきます。
参照している『心理学小事典』(有斐閣)にはさらにこう記されています。
「未完了のまま中断されると、目標に向かって進行していた作業に対する緊張感は解消されずに残るから、想起されやすいのに対し、完了した課題の場合には緊張が解消されてしまうから忘れたかの如くに見えるのだと説明された」
私は、この理論をもとに、研修の際のリレーションづくりや討議を「もう少し時間があれば」というところで終わるように活用しています。
そうすると、休憩時間などでも話題が盛り上がるのです。
私は、受講生から「岩井先生、どうしてもう少し時間があれば、というところで切るのですか?」と問われて、「ツァイガルニク効果」と言わず、次のように答えることにしています。
「成就した恋よりも惜しいところで終わった恋のほうが後を引きませんか?」
受講生は、不思議に納得するのか、次の質問が来ることは今までありませんでした。
「ツァイガルニク効果」は、学習だけでなく恋の物語のメタファー(たとえ話)にも使えるというお話でした。
◎今日の「勇気の伝道」
札幌から山田秀世さん(大通公園メンタルクリニック院長、精神科医)という、パワー満載の、もう1人の「勇気の伝道師」をお招きして「アドラー心理学をパワーアップする」という講座を開催し、私はその受講生兼お世話役になります。
参加した方は、感想をヒューマン・ギルドの掲示板に書いてね。掲示板、この頃不活発なので。
私のブログの感想でもいいよ。
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