おはようございます。新宿区神楽坂で研修&カウンセリングの事業を営む ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
さて、「英単語から学ぶアドラー心理学のキーワード」の6回目、「共感」のその2です。
「共感(empathy)と同情(sympathy)の違いについて」です。
『ジーニアス英和辞典』によれば、“sympathy”の語意は「共に(sym)苦しむ(path)こと(y)」と書いてあります。
“empathy” と “sympathy”を英和辞典で行くと「共感、同情」と、どちらにも書いてありますが、アドラー心理学では、“empathy” を「共感」、 “sympathy” を「同情」として使っています。
それは、「共感」は「相手の関心に関心を持つこと」(ハインツ・L・アンスバッハ―)であり、「共に苦しむ」同情と識別しているからです。
『新英和大辞典』で“pathy” を 引くと「感情、苦痛;病気;療法」とありますが、 “sympathy” にはどうしても「感情、苦痛を共にすること」となって、理性が失われるニュアンスがあります。
私は、『勇気づけの心理学 増補・改訂版』では、「共感と、時として好ましくない作用をもたらす同情の違い」を下の写真(アドラー心理学ベーシック・コース などで使用)のように、明確に区分しています。
私は、同情を頭から否定する者ではありませんが、支配―依存の縦関係から、我を忘れて感情的になり、憐れみをもとに対応すると、相手に悪影響を与えるだけでなく、自分に破壊的な結果を招くことをお忘れなく。
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