おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
今日から私は3日間の夏休みを取ります。
少々計画がありますが、在宅勤務もしなければなりません。
本日(8月22日)の日本経済新聞の第1面に『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』(日本能率協会マネジメントセンター、1,500円+税)の、3段の1/8を占める広告が掲載されていました。

「6万部突破」と書いてありますが、来週8刷、累計7万5千部になりますから、10万部にあと少しの勢いです。
さて、「若者たちから学ぶ幸せ」シリーズの2回目です。
私が若者から学んだことを「新人の勇気づけ」と題して、『先見経済』(2014年3月号、「勇気づけの効果―アドラー心理学に学ぶ人・組織づくり」)に書いたものです。
******以下転載部分******
私は、この項の「新人の勇気づけ」を書くにあたって、昨年の4月に社会人になりたての自分の息子にインタビューをし、また、息子と同じ会社の1年先輩の論文に目を通し、さらに私の講座に参加する若い世代の人たちをつぶさに観察しました。
その結果は、彼らを「ゆとり世代」と括って批判するのは的外れで、古い世代は、彼らから学ぶべきだ、との結論に達しました。
私は、新入社員世代と、50歳代の経営者世代を対比して、次のようにまとめました。
新入社員世代
Doingの幸福感
協力原理
オンリー・ワン追求
情報検索力に強み(インフォメーション)
リアクティブ(後手)
経営者世代
Havingの幸福感
競争原理
ナンバー・ワン追求
情報活用力に強み(インテリジェンス)
アクティブかプロアクティブ(先手)
第1に、新入社員世代と経営者世代とは、育った時代背景が違っています。
経営者世代は、物的に恵まれないこともあって、モノを持つこと(Having)に幸福を感じる世代でした。
モア&モアの足し算発想により、自分のステータスを大事にする世代でした。
ブランド志向の人たちもかなりいます。
ところが、新入社員世代は、ブランド志向性は弱く、可処分所得の大部分が通信費に取られて、持つよりも借りたりして使うことに重きを置き、所有よりも行動すること、貢献することに生きがいを感じる世代です。
第2に、経営者世代は、勝つか負けるかの競争環境の中を生き抜いてきた人たちであるのに対して、新入社員世代は、激しい競争には慣れていない代わりに、総合的学習などによって協力を学んできた人たちです。
「自分にいいこと」ばかり考えていた経営者世代と違って、「みんなにいいこと」「社会にいいこと」の感性は、新入社員世代の方がずっと豊かです。
このことは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使ってのシェアを例に取れば理解できるはずです。
第3に、第2のことに関連して、経営者世代が競争の中でナンバー・ワンを追求することを学んできたのに対し、新入社員世代は、人と自分の違いを認めながらオンリー・ワンを追求します。
第4に、GoogleやYahooなどを使った情報検索力は、経営者世代を凌駕しています。経営者世代が2日かけて調べるものを、新入社員世代は30分ほどで情報収集してしまいます。
さらには、彼らは受信者であるのみならず、受信したものを発信(シェア)する人たちでもあります。
経営者は、彼らの収集した情報(インフォメーション)をさらに加工・活用して(インテリジェンスにして)意思決定に生かすことができるはずです。
第5に、新入社員世代は、まだ経験が浅いためもあってか、物事に対してリアクティブ(後手)です。
ただし、リアクティブといっても、受け身一筋でなく、順応性の高さは経営者世代の比ではありません。
経営者は、未来・近未来に対する視野をもとにビジョンを構築しながら先手を打つための有益な決断ができます。
ただし、みんながみんな、新入社員世代 対 経営者世代のように明確に対比できるものではありません。
世代論は、いずれに時代にもあって、「全共闘世代」「新人類」「バブル世代」などが存在しました。
世代論の危険なところは、人間一人ひとりを見ないで、大雑把にある世代を見てしまうことです。
新入社員世代でも表の左側の素養を持ち合わせていないのは、経営者世代のみんなが表のようではないのと同じです。
******転載終わり******
◆特に若者の情報検索力に関する強みについては、次を是非ご参照願います。
消費行動モデルが AIDMA からはるかに進んでいることが学べます。
SIPS~来るべきソーシャルメディア時代の新しい生活者消費行動モデル概念~
<お目休めコーナー> (20)

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