アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。 

 前回、「人生をビジネスとして生きる方法」を「競争重視の生き方」だとした私は、 「競争重視の生き方」のベースにあるものは、「比較と差」を重んじる生き方で、自分と誰かを比較して、自分が優位のポジションに立つと優越感、劣位のポジションに立つと劣等感を抱きがちであることを示し、私自身の高校時代のエピソードを披瀝しました。

このような 「比較と差」を重んじる「競争重視の生き方」は、私のような劣等生にも巣食っていたわけです。
逆に、優秀だった人だとより
鮮明です。

これは、以前どこかに書いた記憶がありますが、また書きます。

東京大学法学部のOB2人が寿司屋で懇談をしていました。
その時、ある事務次官が検挙されたテレビの映像が流れました。

「ああ、〇光が逮捕されたか」

〇光次官は2人の同期生でした。

もう一人が言いました。

「あいつは二浪だったしな。せっかく事務次官に登り詰めてもこれじゃーね」

言い終わると、その人はトイレに立ちました。

残った人が寿司屋のおやじに言いました。

「あいつは一浪、俺、現役」

「人生をビジネスとして生きる方法」を競争環境の中で身についてしまった人たちは、どうしても人と自分を 「比較と差」で測る習性から離れられません。

そのことが対人関係だけでなく自分自身の生き方にも出てしまうことを大通公園メンタルクリニック院長の山田秀世さんは、「比較3原則」 と表現されています。
 
1.過去との比較

2.他者との比較(他者の強みと本人の弱みの比較)

3.理想との比較

このことをもとに私は、9月発売の『人間関係が楽になるアドラーの教え』(大和書房)で他者に「比較3原則」 を使ってしまうパターンを次のように書いています。

1.過去との比較
「昔は、このくらいの仕事ができていたのに、どうして今はできないんだ」
「あのときはできたのに、今回はこの体たらくかよ」
 などと、過去と比較して非難されると、私たちの勇気はくじかれてしまいます。

2.他者の強みと本人の弱みの比較
「○○さんは簡単にできているのに、なんで君はできないのかな?」
「○○君のほうが、もっとちゃんと仕事をしているよ」
 などと、比較されると嫌な気持ちになりますよね。

3.理想との比較
「期待していたのに、全然できていないじゃないか」
「このくらいはできると思っていたのに、期待外れだね」
 と言われると、気持ちも萎えてしまいます。


W.B.ウルフの説く

1.植物のカブの哲学で生きる方法

2.人生を1つのビジネスと考えて生きる方法

3.芸術家のアプローチ方法

のうちの「芸術家のアプローチ方法」は、「そこに何を表現できるか?」がこの生き方の基本となる哲学で、次の3つを特徴とします。

1.協調性と良識(コモンセンス)を持った個人の、その仲間に対する基本的関係を大切にする

2.同胞の福利のためにその非凡な才能を発揮し、社会に貢献する

3.人間の幸福と矛盾しない唯一の生き方である

この生き方を選び取るためには、 「比較と差」を重んじる「競争重視の生き方」を特徴とする「人生をビジネスとして生きる方法」を卒業しなければなりません。

しかし、このことは、かなり難題です。

<お目休めコーナー> (22)


(上野公園にて)

人気ブログランキングへ 
(クリックしてね)



コメント ( 2 ) | Trackback ( )