おはようございます。アドラー心理に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(2月2日)は、、講演依頼.comの運営を手掛ける 株式会社ペルソン の鈴木勝彦専務のご同行で長野県の箕輪町に行き、伊奈プリンスホテルで箕輪町経営研究会主催(運営:八十二銀行箕輪支店)による
アドラー心理学による 勇気づけのリーダーシップ
のタイトルの講演を行いました。
対象は同地の中小企業の経営者と八十二銀行の行員の約50人。
18:00~19:30の講演を終えてから隣の部屋に場所を移して新年会。
たくさんの方々と名刺交換、歓談をしました。
ニチノウ食品株式会社 有賀哲哉社長
株式会社矢島製作所 矢島章孝社長
八十二銀行箕輪支店 一瀬昌之支店長
私
株式会社ぺルソン 鈴木勝彦専務
とても活力に満ちた人たちで、私も学びの深い場でした。
さて、2月になると、私はこの話をよく思い出します。
私が『こころの壁を乗り越える生き方の知恵』(ビジネス社、2005年)という絶版本に書いた中高年男性の悲哀の物語です。
****転載開始****
妻の決断
天気がよい2月のある日。稔は縁側に出て、日向ぼっこをしながら新聞を読んでいた。
今日も経済面が気になる。暗いニュースについ愚痴が独り言として出てしまう。
「まったく・・・・・」
稔は58歳。会社では経理部長を務め、後1年余で定年退職になる。
一人娘の早苗の結婚式をつい1週間前に終えたばかり。公私ともにもう少しで「やれやれ」と言えそうなところである。
妻の淳子は、「ここにお茶を入れましたからね」と言って庭に出るが、稔からは感謝の言葉もなければ、全くなんの反応もない。新聞に目を通したままである。
淳子は、庭先の梅の木を見ながらこう言った。
「あら、梅がきれい。あなた、見てごらん」
「くだらんことを言うな。梅と日本経済とどういう関係があるんだ!」
稔から返ってきた反応は、淳子を大きく失望させた。そして、淳子のある決断を後押しさせた。
場面は変わってその夜。
会話のない二人きりの夕食が終わって、稔が経済誌に目を通していると、淳子から声がかかった。
「あなたったらいつも新聞と本ばかり。私の存在に関心がないみたいだわ。あなた、今日はじっくり聞いていただきたいことがあるの」
「早苗のことか?」
「早苗はもういいの。私たちのことよ。早苗も片づいたことだし、これをキッカケに私も決断したいの」
「決断ておまえ、働きに出るとか、株でも始めるということか?」
淳子は居住まいを正した。決断の言葉が堰を切ったように出た。
「早苗も片づいたことだし、あなたの定年も近いし、私、今後は自分の人生を自分で生きてみたいの。つまり、あなたと離婚したいの。これから何十年も今日みたいな日が続くと考えただけでうんざりだわ。梅の情緒がわからない人と暮らすのはもうこりごり。離婚届はここに用意してあります」
稔は言葉を失った。しばらくして出てきたのは、独り言に近い言葉だけだった。
「まったく・・・・・」
軸足一本の中高年男性
「妻の決断」では、あえて家庭のことに無関心で、仕事や経済にしか関心を向けられない哀れな中高年男性の姿を浮き彫りにしてみました。
中高年男性はここのところ自殺が多いだけでなく、離婚もまた多いのが問題です。
離婚問題について述べ始めるときりがないので、簡単に触れる程度にしておきますが、この世代では圧倒的に妻の側からの離婚申し立てが多くなっているのも特徴の一つです。
私の観点では、中高年男性の自殺と離婚の多さは、実は同じ根元から出ていて、彼らの関心の大部分を仕事が占め、家庭のこと地域のこととなると、まるで無頓着なことと関係がありそうです。
このことは、いわば中高年男性の軸足が仕事だけであるのに対して、同世代の女性の軸足は、家庭、仕事、地域、自分の趣味などがうまい具合にバランスが取れています。
そのために男性が仕事の軸足が不確かになると全てが揺らぐのに比べて、女性の場合は、かりに仕事の軸足が失われても他の軸足が補ってくれます。
****転載終了****
◆中高年になっても妻と仲良く暮らす秘訣がわかる放送:
今夜2月3日(金)23:30~ エフエム世田谷
妻の美弥子と共に エフエム世田谷で 「三浦和人とドクター弘美の心デトックス・ナイト」 に出演。
「三浦和人とドクター弘美の心デトックス・ナイト」は、次のように放送されます。
〈放送日時〉今夜2月3日(金曜日)23:30~24:00
〈提 供〉全薬工業
放送時間とアクセス法は次のとおりです。
日本全国でインターネットでお聴きいただけます。
(1)放送日:2月3日(金)23:30~24:00
(2)アクセス法
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(注)FM世田谷は世田谷区、渋谷区、目黒区、厚木や小田原まで電波範囲が広く、インターネットのHPをクリックするとスマホやパソコンなら全国でお聴きいただけます。
<お目休めコーナー>2月の花(3)
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