
おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
昨日は、青森県三沢市家庭教育推進協議会主催の「勇気づけの子育て・自分育て」の講演会の講師を務めてきました。
2時からの開演10分前、参加者は10人にも満たない数でした。主催者の三沢市家庭教育推進協議会の会長が申し訳なさそうに「実はこの企画、昨年も一昨年も参加者は12名だったのです」と言いました。私は、とっさに講演形式はやめよう、と決心しました。
ふたを開けてみると、遅刻してきた人を含めて参加者数は、32名。小さな会場が一杯になりました。
私は、研修でも講演でも、受講者を眠らせないことを心がけています。講演でも一方的に話すことをしません。
今からこの日の例をもとにそのノウハウをお伝えします。
まず、リレーションづくりをしました。「今日の研修のテーマは『勇気』です。ほんの小さな勇気を発揮して、今座っている椅子を離れて、普段話をしたことがない人とペアを組みましょう」などと言ってペアを作り、お互いの自己紹介(インタビュー方式で)をしてもらったのです。

第2のポイントは、パワーポイントを使い講演しました。
準備は大変そうですが、私は、数千のスライドをすでに作っています。あちこちから引っ張り出せば、あっという間に講演にふさわしいネタができます。ニーズに応じてただ組み合わせればいいだけなのです。
パワーポイントは訴求力があります。視覚に訴えるからです。人間が情報収集するのは、低く見積もっても60数%、高く言う人は80数%視覚に頼っていますから、視覚に訴えるとそれだけ記憶に残るわけです。
第3に、時々質問し、挙手してもらったり、ペアで話し合ってもらったりしました。一方通行でなくするのです。
第4に、勇気くじき場面と勇気づけ場面のケース・スタディを用意し、ペアで話し合ってもらいました。3つだけのケースでしたが、これが盛り上がりました。日頃いかに勇気くじきをしているかに気づく人が多いのです。
最後は、ペアの相互勇気づけです。1時間半近く隣り合わせ、一緒に話し合っていたパートナーの魅力、相手に感謝したいこと、その人から学んだことなどを30秒ずつ伝え合ってもらったのです。最後には、握手している人たちもいました。 講座は盛り上がり、資料・書籍コーナーに殺到する人たちに溢れ、おそらく私の著書が20数冊は売れたのではないかと推測しています。3冊いっぺんに買った人もいました。サインをするのが大変でした。
こんな様子で受講者を眠らせない秘訣の一端を、講演例をもとにお伝えしました。 最後に宣伝です。この分野にご関心をお持ちの方は、拙著『子ども・生徒・学生をうま~く動かす心理学』(学事出版、1,700+税)をお読みください。ヒューマン・ギルド(電話 03-3235-6741、URL:http://www.hgld.co.jp/)にのみ在庫がございます。