おはようございます。アドラー心理に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(8月3日)は、オフィスでスタッフと共に本日18:00から早稲田大学26号館(大隈タワー)15階「森の風」(東京都新宿区早稲田鶴巻516)で行われる ジョセフ・ペルグリーノ博士 の来日記念パーティーの打ち合わせを行いました。
特に冒頭の私とペルグリーノ博士の挨拶は、パソコンをプロジェクターに繋いで映像をお楽しみいただきながら行う予定です。
ご参加の方々が親しくなれるゲームも間に入れることにしました。
オモテナシスターズの方々にも張り切ってご準備いただいているようです。
ご参加のかたで「英語が話せないためペルグリーノ博士と話せない。だけど話したい」という方は、今までも一番英語に堪能な人たちが集まるので、ご遠慮なく助けを求めてください。
さて、8月1日のブログ に続いて『カウンセリングとともに生きる―存在への勇気』(國分康孝著、國分久子監修、図書文化社、2,000円+税)の紹介の2回目になります。
今回は、この本の構成と主要部分のほんのさわりをお伝えします。
まず、この本の構成は、まさに國分康孝自伝とも言うべきもので、次のようになっています。
StageⅠ 幼年期・少年期 私の原点 ― 父と母、陸幼体験
StageⅡ 青年期 「満を持して放たず」の心意気
StageⅢ 壮年前期 アイデンティティ混乱期を経てカウンセリング・サイコロジストへ
StageⅣ 壮年中期~ 日常に役立つカウンセリングを!
StageⅤ そして、今 ほんとうのスクールカウンセリングの実践をめざして
ここまで書ききって國分先生がこの世を去られたとしても、心残りがなかったのではないか、とも思われます。
心理療法とカウンセリングとの根本的な違いを強調する國分先生の執着と反骨精神が読み取れる本でもあります。
ちなみに、國分先生によれば、両者の違いを簡潔にまとめると、次のようなものです。
〇心理療法(サイコセラピー)
・扱う問題は、心理的障害(例:適応障害、ストレス障害、薬物依存、摂食障害)
・代表的方法は、精神分析的心理療法、行動療法、認知療法、箱庭療法、動作法、睡眠療法など
・理論的背景は、精神医学、神経心理学、投影法検査を含む臨床心理学
〇カウンセリング
・扱う問題は、人生の発達課題(例:職業生活、人間関係、健康管理)
・主たる方法は、面接、グループ対応、チーム支援
・理論的背景は、個体間の関係にウエイトを置くカウンセリング心理学
國分先生は、臨床心理士だけがスクールカウンセラーに採用されている制度に異を唱え、後半生を反骨精神を発揮して NPO法人日本教育カウンセラー協会 を立ち上げて活躍しました。
もちろん内容は、これだけではありません。
教育畑出身でありながら、学生結婚をし、アメリカに渡ってカウンセリング心理学を学び、日本に戻ってからは、折衷主義の立場を取り、構成的グループエンカウンターを日本に根づかせた一人のカウンセリング心理学者の「向学心」「師弟愛」「情熱」が伝わってくる本でもあります。
カウンセリングを学ぶ人には、強くお勧めの本です。
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