見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

気になるTV番組「遥かなる絆」そして「蒼穹の昴」

2009-05-18 11:52:51 | 見たもの(Webサイト・TV)
■NHKドラマ『遥かなる絆』(2009年4月18日~5月23日、全6回)

 たまたまチャンネルを合わせたときに番組宣伝をやっていて、へぇー韓流びいきのNHKが、めずらしく中国を舞台にしたドラマを作るのか、と思って見始めた。実話をベースにした重みが感じられて、毎回泣かされている。正直なところ、あまり華のある俳優さんがいない分、「無名の人々」に実在感があり、力みすぎない演出もよい。主役には華流スターのグレゴリー・ウォン(王宗堯)を引っ張り出してきているけど、コントみたいな七三分けが意外とハマっていて、よかった。

 グレゴリー・ウォンの南方訛りが気になるとか、鈴木杏の中国語が下手すぎるという意見もあるが、脚本がいいので、まあ脳内補正できる範囲だと思う。むしろ、大躍進から文化大革命に至る中国国内の混乱を、どう描くのかと思っていた点が、ちょっと期待はずれだった。実際、ドラマの舞台は辺境なので、あまり波及しなかったのかな(私が見逃したかも)。私は14年前の『大地の子』を見ていないので、日本のテレビで「娘(にゃん~)=お母さん」なんていう庶民の中国語が聞けるだけで感慨深い。私は長いこと、大学の第二外国語で習った「媽媽(mama)」しか知らなかった。週末の最終回まで、しっかり見届けたい。

■NHKドラマトピックス:清朝末期を描く「蒼穹の昴」が登場!(2009/4/23)

 これにはびっくりした。中国清朝末期を舞台とする浅田次郎の小説『蒼穹の昴』が、来年(2010年)BShiとNHK総合で、43分×25回の連続ドラマとして放映されるという。うわ~微妙。原作の素晴らしさは論を俟たない。1996年刊行、私が読んだのは2001年頃だったと思うが、今なお新しい読者の熱い支持を獲得し続けており、浅田次郎氏の代表作と言われるのも納得できる。しかし、ドラマとして成功するかどうかはNHKの手腕ひとつ。最近、NHKのドラマは、出来・不出来の差が激しいので、大コケしないよう、祈りたい気分である。ネット記事によれば、中国でも同時期に放映されるらしいし…。

 李春雲(チュンル)を演じる余少群は、『花の生涯~梅蘭芳~』で、若手時代の梅蘭芳を演じた俳優さん。伝統芸能「越劇」の出身だそうだ。これはなかなかいい配役。梁文秀役は周一囲(※正確には周一圍)。西太后を田中裕子って、中国人的にはどうなんだろう?と思ったら「あの阿信(おしん)が西太后に!」って、わりと好意的な迎えられかたのようだ。5月に入って、中国ロケも動き出したらしく、中華芸能サイトにも『蒼穹の昴』の記事が載り始めた。動向を見守りたいと思う。

※参考:新浪網:電視劇『蒼穹之昴』専題(簡体中文)
http://ent.sina.com.cn/f/v/cqzm/index.shtml
写真多数。この本格的な清朝古装劇が日本のテレビで見られると思うと、う、嬉しい。

※参考:卓越Amazon.cn:蒼穹之昴(上、下)(簡体中文)
中国語訳は、2001年、長江文芸出版社から出ている。どのくらい読まれているのかな。
コメント
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