付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ゲーム世界転生〈ダン活〉10」 ニシキギ・カエデ

2024-10-06 | 異世界転生
「いいゼフィルス? 私がいなくてもあまりはしゃぎすぎないでね?」
 〈エデン〉のサブマスター、シエラは夏休みで帰省するにあたり、学校に残るゼフィルスに何度も何度も何度も何度も念を押す。暴走するなと。

 ゼフィルスがマスターを務める〈エデン〉も傘下組織の〈アークアルカディア〉も含めれば、もう30名近い大組織。事務も手が回らなくなり、外部から〈助っ人〉を募り始めている。
 そんな〈エデン〉も夏休み。「ひと夏の思い出、作りましょう?」と総勢26人で〈海ダン〉こと魚材の海辺ダンジョンで夏合宿を実施する事になった。男子は3名のみという歪な構成だが、なぜか女性陣は全員なにかしら水着姿をゼフィルスに見せに来るのだ……。

 ということでイラストも頑張ってけど、水着は11人分しか描けてませんでした……よく頑張った……。
 ダンジョン攻略を学ぶ学校で、誰よりも深く、誰よりも早く攻略してしまう転生者の物語。陰謀とか人死にとかなくとにかく愉しそうで、主人公が自分が愉しいだけでなくみんなにも愉しんでもらおうという精神で突っ走るので、読んでいて爽快。何も考えずに楽しめる冒険譚。戦闘シーンより、終了後に獲得した宝箱を開けるシーンの方が長い気がします。

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「乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル8」 春の日びより

2024-10-05 | 異世界転生
「私は敵を倒すためにいる。それを邪魔するのなら誰であろうと私の“敵”だ」
 アリアは憎しみで人を殺さない。情で許さない。彼女は怒りで戦う。

 王女エレーナは子爵令嬢アーリシア・メルシス(偽)にうつつを抜かす王太子を見限って、王位を目指す覚悟を決めた。苛烈な権力闘争が巻き起こることになるであろうが、そのときはアリアが身につけた虚実魔法が大いに活躍するはずだ。
 エレーナたちを乗せた船がカルファーンの港からクレイデール王国をめざしている頃、転生者である辺境伯令嬢クララはアーリシア(偽)を亡き者にすべく、灰かぶり姫によって組織を壊滅させられた暗殺者の少女らをとりまとめて動き出していた。すべては王太子を守るために……。

 血を血で洗う三つ巴、四つ巴の抗争が繰り広げられる学園篇。学園篇ですが、別に学校で授業したり放課後デートしたりなんてことはありません。ただただ宮廷政治と悪魔との戦いが続きます。どこが学園篇?
 そして、あいかわらず不健康そうなレスター伯爵家令嬢カルラも元気です。教会関係者を皆殺しにして神殿を焼いても、堂々と王宮をお散歩です。問題にしそうな人はみんな消えてしまったのです。なぜでしょうか? 今回は筆頭宮廷魔術師のお父上も少し焦がしました。
 併録短編は、農家の娘に転生した元喪女プレイヤー(そして元凶)の生涯「乙女ゲームに憧れて」と、帰路の船上での出来事を綴った「船上の戦い」の2篇です。

【乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル8】【春の日びより】【ひたきゆう】【TOブックス】【銀の翼に恋をする】【壮絶&爽快異世界バトルファンタジー】【小説家になろう】 【ドッペルゲンガー】【夢魔】【骨の悪魔】
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「転生した最凶獣人の異世界子育てスローライフ」 邑上主水

2024-10-03 | 異世界転生
 魔王軍に所属する人狼のバイツは、実は前世が日本人。安定したスローライフを求めるバイツは、生まれ育った世界の公務員的位置づけの魔王軍に入るが、これがまともに人間と戦争をしようとしている。そんな魔王軍で人間の少女メノンを助けたのがきっかけで、彼を胡散臭く思っている幹部ドリオドールによって追放されてしまう。
 人間と殺し合いをしたいわけでもなかったバイツは、これ幸いとパシフィカの辺境エスピナ村でメノンと親子のつもりで同居して農村暮らしで落ち着こうとしたのだが、どうやらメノンが聖女クレスタの生まれ変わりらしく……。

 いや、なぜ魔王軍を前世の田舎の町役場勤めと同じようなものだと考えた?
 西E田イラストで人間が転生した魔王軍の人狼の話……ということで、読む方のハードルが高くなってしまった作品。

【転生した最凶獣人の異世界子育てスローライフ~魔王軍最凶の獣人だったけど、可愛い愛娘ができたので農園でのんびり暮らそうと思います~】【邑上主水】【西E田】【Jノベルライト文庫】【愛に溢れた農村スローライフストーリー】【家族でわくわく異世界農園スローライフ】
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「不遇皇子は天才錬金術師5」 うめー

2024-10-02 | 異世界転生
「やらない脅しなど、ただの戯言。実行しなければ脅しとして二度と使えますまい?」
 テスタ老はアーシャについて帝国に行くために手段を選ばない。

 庶子の皇子アーシャは、第二皇子の対抗馬にならないよう何かと妨害されていて、王族貴族なら当然に入学するであろう隣国ルキウサリアにある最高学府、ルキウサリア王立学舎機構こと<王立学園>への入学すら邪魔されようとしていた。
 アーシャ自身は錬金術がまともに学べなさそうな学園に進学してもたいしたメリットはなさそうと考えていたが、将来的に弟たちが進学したときの足場固めするのは良かろうと、ルキウサリアの王女ディオラからの体験入学の誘いに乗っかることにしたのだが……。

 条件的にも性格的にも婚姻相手にばっちりなディオラ王女ですが、肝心のアーシャになまじ前世の記憶があるので同世代を恋愛対象として見られないということから、そちらに関してはもどかしい展開です。
 今回は、体験入学に行って、毒にも薬にもなりそうにない学園生活を見学してこようとしていたはずが、気がつけば隠されていた湖底図書館を発見し、800年前に封印された世界滅亡級の知識への道を手にしてしまいます。そして頑固爺こと封印図書館研究の第一人者、94歳というテスタ老のレギュラー入りです。
 はた迷惑な頑固爺として登場したものの、その行動にはちゃんとした思いがあり、実力も影響力もあり、アーシャの熱烈な信奉者に転じる一癖も二癖もあるキャラです。ちゃんとイラストでどかんと登場。このイラスト担当の人、メインのころころした幼い少年少女ばかり描いていたので、こういうタイプしか描けないかと思っていたら、ちゃんと年齢重ねた学者とかオートマタとか老人もメカもちゃんと描けるじゃないですか。スゴいや、巧いぞ。

【不遇皇子は天才錬金術師~皇帝なんて柄じゃないので弟妹を可愛がりたい〜5】【うめー】【かわく】【TOブックス】【偉大なるマイペース兄上が未来のために剛腕外交する、 ほのぼのブラザーズファンタジー】【小説家になろう】【オートマタ司書】【不完全エリクサー】【シャボン玉】
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「不遇皇子は天才錬金術師4」 うめー

2024-10-01 | 異世界転生
「確かに若輩者にとって、大人は強いものです。ですが、怨みと共に育った方は、もっと恐ろしいものを抱えています」
 夜の庭園でナースタシア王女は真剣な声で語った。

 皇帝一家は仲が良い。だが、権力基盤の弱い王には物事を思うように進められず、庶子の第一皇子は何事でも阻害されがちで弟妹たちと会う機会も多くない。だが、それが我慢できない双子の弟たちが画策し、やっと短期の家族旅行が実現したのが最近のトピックだ。
 そんな頃、隣国ハドリアーヌ王国から王太子一行が訪問した。周辺の弱い国は機会あれば侵略して併合し、強い国とはのらりくらりと戦わない領土的野心の強い国で、帝国に対してもあわよくばと動く、あまり歓迎できない国だが、そのもてなし役にアーシャが選ばれた……。

 アーシャ12歳の物語。前半は家族旅行で、後半はハドリアーヌの王子王女たちとの駆け引きが描かれます。
 さんざん暴れ回った王が病床で、その王子王女が後継の座を巡って駆け引きし合う状態に、こっちを巻き込まないでねという回。

【不遇皇子は天才錬金術師~皇帝なんて柄じゃないので弟妹を可愛がりたい〜4】【うめー】【かわく】【TOブックス】【ほのぼのブラザーズファンタジー】【小説家になろう】
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「白豚貴族ですが前世の記憶が生えたのでひよこな弟育てます11」 やしろ

2024-09-28 | 異世界転生
「使えるものは何でも使って、己を高めるのは生き物の義務だ」
 旅のエルフ、ファルークの言葉。

 菊乃井にも夏休みが来た。先生たちが「見聞を広げよう!」という方針なこともあり、鳳蝶はレグルスや親友の奏兄弟と異郷巡りに行くことにした。まずは、魔術と芸術の都の魔術市に行ったり、人工迷宮と化した古代遺跡を踏破したりと波瀾万丈……。

 いかにも山奥の閉鎖的で孤立した村の住民っぽいエルフの里について言及される回。まさに因習村。

【白豚貴族ですが前世の記憶が生えたのでひよこな弟育てます11】【やしろ】【keepout】【TOブックス】【幼い兄弟の領地経営ファンタジー】【白豚貴族だったどうしようもない私に前世の記憶が生えた件】【小説家になろう】【ノベルアップ+】【太ましいエルフ】
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「異世界で魔族に襲われても保険金が下りるんですか!?」 グッドウッド

2024-09-22 | 異世界転生
「保険がオワコンとか言っている人達は、保険の役割とかよく分かってないと思うよ」
 保険とは本来は資産形成のツールではなく、病気や事故、死んだり悲しんだり不安を抱えている人を助けるためにあるのだと日笠月。悲しさも貧しさも、保険がぶっ飛ばすのだ。

 この世界、自殺する奴が多すぎて魂の循環効率が悪いらしい。そこで、とりあえず自殺した奴を2人、実験体として異世界送りしてみようということになった。なにやら学会でそういう研究発表があったらしい。それに引っかかったのが元保険会社の営業マンの日笠月(るん)。異世界転生するとチートな能力が手に入る事もあるらしいけど、ルンを担当した神様はいい大人なんだから地に足つけて働けとそのまま放り出されてしまう。
 異世界に辿り着いた月は、そこで同じく転生してきた元女子高生の霜月冬那と出会った。2人は異世界での居場所を作るため、魔族専門の賞金稼ぎ、自衛団に入団したのだが、そこで賞金が手に入るのは生き残った者だけだと教えられ……。

 モンスターの襲撃が頻繁にあり、危険な隣り合わせにもかかわらず、そこで死んでも葬儀代すら支払われない事を知った元・保険屋が、異世界で徒手空拳から生命保険会社を立ち上げようとする冒険譚。保険と金融知識を武器にした成り上がり譚。
 とりあえずトーナは、異世界転生で歩ける身体になって良かったねと思いました。この異世界転生もの(ゲーム世界を含む)に登場するテーマのひとつが、現実社会では移動にすら不自由だった人が思うがままに動く身体を手に入れた時の感情の動きだと思うのです。『眠れる龍』とか『ログホライズン』とか、あるいは老人が突如若返ってという楳図かずおの『アゲイン』あたりからの老人若返りものもテーマ的には近似かな?

【異世界で魔族に襲われても保険金が下りるんですか!?】【グッドウッド】【kodamazon】【電撃文庫】【異世界生命保険の創業秘話】【悲しさも貧しさもぶっ飛ばす】【魂の減価償却】
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「ダチョウ獣人のはちゃめちゃ無双」 サイリウム

2024-09-21 | 異世界転生
「ごはん?」「ごはんは?」「たべる?」「おっきいの!」
 ダチョウ獣人は天性の身体能力を持ちながら、アホな大食漢でもあった。

 気がつけば異世界で鳥の獣人に転生していた。ダチョウ獣人である。
 ダチョウは強い。体力はあるし、持久力もあって目も良い。ただ脳味噌が小さい。そんな小さな脳味噌に前世の記憶が流れ込んできて脳味噌が文字通り爆発した。もちろんダチョウは回復力も高いのですぐに回復し、ダウンロードの続きが始まって、爆発し……を繰り返しているうちになんとなく脳味噌も身体も大きくなってダチョウ獣人の長となった。
 人間並みになった知性で群れを率い、ゆるゆると生きていてるうちに人間の冒険者と出会った。秘境の奥地の調査のため高原に足を踏み入れ、強大な魔物の前に殲滅されようとしていた冒険者のパーティーだった。話すそばから内容を忘れる、1分前の言葉を覚えていられないダチョウ以外に、まともに話せそうな相手が現れたのだ……。

 温厚で善良、成人でも幼児みたいな体型ながら、その蹴りは盾装備の騎士ですら真っ二つという戦闘能力にもかかわらず、3歩歩けばすべて忘れるダチョウ。そんな獣人の長となった元男が人間社会と接触したことで国家間紛争が大きく変化していく過程を描いた、血まみれのスラップスティック冒険譚。
 欲を言えば300のダチョウが5000の正規軍に突入していくシーンは絵で見たかったなあ。

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「稀代の悪女、三度目の人生で【無才無能】を楽しむ3」 嵐華子

2024-09-20 | 異世界転生
「自分の腹いせは生きている時に自分でしなきゃ、フェアじゃないもの」
 ベルジャンヌは気に食わない相手にはそのときに拳をお見舞いしてやっているので、他人が言うような無念はなかったとラビアンジェ。そもそもベルジャンヌ=イェビナ=ロベニアは誰かを恨んだりすると言うほど他人に関心を持つということがなかったのだ。

 新たに仲間入りした聖獣ディアと楽しい日々を送りながら、腐った創作活動やらなんやら忙しいロブール公女ラビアンジェに教会が執拗に接近してくる。無能無才とそしられ、王家も家族も信用できず、濡れ衣を着せられるラビアンジェであっても、教会なら正当に評価して保護できると。
 もちろん現状に満足しているラビアンジェは拒絶する。今でも十分に愉しいのだ。執筆・出版活動も使える絵師が手に入ってウハウハだし、腐仲間もできた……。

 現代日本をはさんで人生3周目の天才魔法師が、無才無能と蔑まれるのを楽しみつつ、好き勝手ハチャメチャに人生を謳歌する物語。今回は教会も大変な事になります。
 そして、ついに国王との対面し、ストーリー的にはこれで終わってもいいくらいの過去の大清算回となります。

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「悪役令嬢は大航海時代をご所望です」 浦和篤樹

2024-09-09 | 異世界転生
 ゼンボルグ公爵令嬢マリエットローズ・ジエンドは2歳にして覚醒した。ここが乙女ゲームそのままの世界であり、自分の役割は悪役令嬢。あと10年もすればゲーム本編が開始して、一族もろとも断罪で処刑される運命だと思い出したのだ。
 しかし、ゼンボルグ公爵領は西の果ての辺境。かつて王国に併合された土地であり、いまだにさまざまな嫌がらせを受けていて、ゼンボルグは爆発寸前。だが、前世の記憶持ちのマリーは知っている、海の向こうには新天地、アグリカ大陸があることを。
 かくして大航海時代を呼び起こすべく、大型船の建造やら航海に必要な道具の開発に着手した……。

 悪役令嬢予定者が破滅ルートを回避すべく、海外進出政策に向けて暴れ回る話。
 若干、調子よく話が進みすぎかなあと思わなくも無いけれど、元気な幼女が周囲の大人を振り回しながら獅子奮迅の活躍です。

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「モブだけど最強を目指します!2」 反面教師

2024-09-06 | 異世界転生
「女の子が涙を見せる時は、大好きな男の子の前でって相場は決まってるらしいよ」
 レア・レインテーナは2人にそう言った。

 ゲーム内での大イベント、狩猟祭を前にヘルメスに声をかけてきたのはメインヒロインの1人、魔法の申し子レアだった。学年別試験でヘルメスと同率首位だったレアだが、学生レベルを超えている彼の実力を自分より上と認めていたのだ。その魔法テクの根幹である魔法の並列起動を教えることにヘルメスに嫌はなかった。その上、レアはお礼に妖精魔法の存在を彼に伝えた。
 ゲームになかったスキルがあるなら、もっと強くなれるはずと2人で学園に隠された妖精魔法の秘密を解き明かそうとしているヘルメスたちの前に、フェローニアとフロセルビアの双子姉妹が現れて……。

 今回は狩猟祭の大騒ぎがメインになりますが、ゲームの主人公アトラスがいまだに動き出さず、ヘルメスはやきもきしてます。彼が接触するはずのヒロインたちが、みんなヘルメスの方に流れてくるのです。果たしてアトラスはどうなっているのか!?で2巻は終わり。

【モブだけど最強を目指します!~ゲーム世界に転生した俺は自由に強さを追い求める~2】【反面教師】【大熊猫介】【MFブックス】【転生ゲーマーの最強キャラ育成譚】【カクヨム】【魔族】
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「定年後は異世界で種馬生活(1)」 街のぶーらんじぇりー

2024-09-05 | 異世界転生
 大学出て会社勤めして40年弱。めでたく定年を迎えて送別会してもらった帰りの公園のベンチでうたた寝していたはずが、異世界に転生していた。
 この外では女性にだけ魔力があることから女性優位社会。国王から貴族の当主まですべて女性。男性は良血の子をもうけて優良な「種馬」となるくらいしか成り上がる手段はない。落馬事故で死んだらしい貴族の美少年ルッツに転生した男は、その種馬としての能力を確かめるための「洗礼」にかけられ、8人の女性とそれぞれ一夜を過ごすことになるのだが……。

 家を繁栄させるため、少しでも能力の高い女子を産ませることのできた男の評価が上がる世界を舞台にした成り上がりストーリー。穏やかでありきたりだった学園生活から一転して、権謀術数蠢く宮廷、さらには他国の侵略に立ち向かう戦争の最前線へと目まぐるしく事態が変遷していくのが見所。そして、そこで発揮されるのが、前世日本での知識となります。特に「なんでこんなことまで覚えているの?」という詳細な専門知識ではなく、誰でもそれなりに知ってそうな範囲でというのも巧いところです。
 なお、イラストは「なぜか誇らしげな表情でグレーテルがうっすい胸を張る」との文章での描写がまったく反映されていないタイプでした。

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「魔王と勇者の戦いの裏で5」 涼樹悠樹

2024-09-02 | 異世界転生
「くっそ、魔軍の体力はバケモノか」
「魔物ですからな」

 ちょっと前世のアニメのセリフを剽窃してみたが、誰にも通じなかった。

 ヴェルナーは予定通り、最前線となるであろうアンハイムの領主として赴任した。貴族の間では放蕩息子が左遷されたくらいの噂が流されているが、これも魔軍進攻に備えての足場固めだ。ヴェルナーは街内部の盗賊との癒着や汚職を一刀両断して盗賊団を次々に壊滅させて、そのまま魔将ゲザリウス対策の要塞建設に着手するのだが……。

 籠城戦がメインに語られる5巻。
 本来なら物語冒頭で討ち死にしていたはずの皇太子のキレっぷり。そのまま序盤で王都ごと消えていたはずの王や上位貴族、大臣たちの黒幕っぷりというか、辣腕ぶりが頼もしくも恐ろしい巻です。
 コミック版でも脇役までキャラデザインが良くて、ノルポト侯爵とかシャンデール伯爵とか敵では無くて味方の重鎮のはずなのに、ひたすら胡散臭く、腹に一物も二物も抱えていそうで、端的に言って「悪そう」。斜め45度に首をクイッと傾げる侯爵の尊大そうなところがステキ。そんな年上、格上の重鎮たちの手のひらで転がされているというか、見守られて育てられているヴェルナーの成長が楽しみです。そして、きっちり最後を締める勇者くん。
 今回はさらに、ゲーム世界転生と言うけれど、それは本当にゲームの記憶か? タイトルを覚えているか?と転生ものの根幹にかかわる疑問が突きつけられることとなります。

【魔王と勇者の戦いの裏で5~ゲーム世界に転生したけど友人の勇者が魔王討伐に旅立ったあとの国内お留守番(内政と防衛戦)が俺のお仕事です~】【涼樹悠樹】【山椒魚】【オーバーラップ文庫】【小説家になろう】【伝説の裏側で奮闘するモブキャラによる本格戦記ファンタジー】【粉塵爆発】【投槍器】【投石機】【弩弓】
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「魔眼の悪役に転生したので推しキャラを見守るモブを目指します」 瀧岡くるじ

2024-08-27 | 異世界転生
「そもそも見た目が悪い人の中身なんて誰も興味ありませんわ」
 メイド見習いのメロンは『男は中身』という言葉の裏側には『見た目が悪いから中身勝負しかない』という意味だと冷静に告げた。

 リュクス・ゼルディアは公爵家の次男として生まれながらも、魔眼持ちだった。それはスキルの強さ故に危険視され、不吉な者として忌避される。そのため実母は苦にして自死、父や兄とも疎遠の状態だ。
 しかし、ある日リュクスは自分がゲーム「ブレイズファンタジー」の中ボスに転落し、やがて主人公に殺されてラスボス復活の素材となる運命であることを思い出した。それは幼いメイドを生贄に、悪魔召喚の呪文を唱えようというタイミングだった……。

 ボタンのかけ違いで孤独に苦しみ、闇堕ちしていくはずのリュクスが、理不尽な運命に逆らって未来を切り開いていく物語。周回プレイし、公式設定資料集を読み込んだゲームなので、裏も表も知り尽くしていると頑張るけれど、頑張れば頑張るほど魔物退治で活躍したり十年祭の剣術大会で準優勝とか誘拐された王女の奪還やら、目指すモブキャラから乖離していく悲喜劇。とりあえず、メイドたちのいじり倒しが愉しいです。
 王様が意外に小者なので、さっさと宰相か姫が下克上しても良いような気がしますね。

【魔眼の悪役に転生したので推しキャラを見守るモブを目指します】【瀧岡くるじ】【福きつね】【カドカワBOOKS】【正攻法で生きる悪役が起こす、番狂わせファンタジー】【カクヨム】【小説家になろう】【聖剣】【コピー】【魔王復活教】

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「断罪を返り討ちにしたら国中にハッピーエンドが広がりました」 みねバイヤーン

2024-08-24 | 異世界転生
「私はいつだって幸せになっていいのよ。主人公なんだから」
「誰だって、主人公だよ。あんただけじゃないよ」
「そうよ、だから、みんなが幸せになればいいのよ」

 修道院長ドナの言葉に晴れやかに答える冒険者ベラ。

 いわれなき婚約破棄を突きつけられている公爵令嬢ゾーイは、突如前世の記憶を思い出すや反撃に転じた。
「無実なのに断罪? 理不尽な婚約破棄? そんなの返り討ちにしてさしあげますわ」
 第一王子の断罪をはねのけるとそのまま失脚させ、お相手の転生者らしい少女も修道院送りにしたゾーイは、かばってくれた第二王子エーミールと婚約し、新しい人生を歩みはじめた。そのさまざまな(他にもいそうな転生者対策も含めた)改革は王国のみならず、周辺諸国へと波及していく。
 ゾーイのやり方は予想以上に成果を上げていく。トラブルに巻き込まれる転生者は存外と多かったのだ……。

 さまざまな転生者たちがトラブルに巻き込まれる短編を、王子妃ゾーイとエーミール王子のエピソードを中心に連作短編風に再構成したもの。目次の章立てでは話の区切りが分かりにくいので、そのまま短編集でも良かったと思うけど、ともあれ真面目に生きる人が必ずハッピーエンドを迎える物語は愉しいですね。たとえ悪役令嬢を陥れようとした愚かな少女でも、悔い改めれば新しい道は開けるのです。主に脳筋方向で……。

【断罪を返り討ちにしたら国中にハッピーエンドが広がりました】【勇者パーティーのハーレム要員ハーフエルフに転生したんだけど、もう辞めさせてくれないか】【ピンク髪ヒロインに転生したけど、学園はピンク髪だらけでした】【死に戻るなら一時間前に】【ドアマットは許さない~シンデレラはハッピーエンド後も働きます~】【NPCに転生したアタシの話を聞いてほしい】【「あなたを愛することはない」と竜人王子のツガイ認定プロポーズを断った女騎士が、前言を撤回するまでの紆余曲折】【みねバイヤーン】【imoniii】【GAノベル】【5分に一度、幸せな結末】【筋肉】
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