付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「魔法の国よ永遠なれ」 ラリー・ニーヴン他

2018-12-14 | その他SF(スコシフシギとかも)
「しかるに世界に国王はざらにいる。国王が1人増えるか--それとも減るか、それが本当に重大なことかね?」
 魔法使いダルダッシュにマルクラデス王暗殺を依頼する、宮廷占星術師ウルタラの言葉。個人の生き死により人類の平和が優先されると。

 魔法がマナと呼ばれるエネルギーによってもたらされ、そのマナが1万2000年前に枯渇したことにより世界から魔法が次第に消えていったのだ……というラリー・ニーヴンの世界設定を使ったアンソロジー。内容としてはファンタジーですが、魔法というシステムを設定し、それを前提にストーリーが存在しているという意味でSF寄り。
 まだ、魔法使いがいた頃の話から、機械文明が起こり、アレクサンダーからアドルフ・ヒトラーまで時代が流れた果ての、エネルギー問題が再び大きな課題となった現代まで魔法使いを主役に据えた短編集です。元がイラストレイテッドSFだったかな。この時期の挿絵イラストが豊富ですが、そこは欧米SFのイラストですので、日本のものとはかなり違います。
 ゼラズニイの「天国からのマナ」は、現代社会に潜伏し、わずかなマナを独占して魔法の力を謳歌している魔法使いたちの攻防で、このあたり真世界シリーズとイメージがかぶってますね。

【魔法の国よ永遠なれ】【ライアンの料亭】【翼の影】【護符】【天国からのマナ】【ラリー・ニーヴン】【ボブ・ショウ】【ダイアン・ジラード】【ロジャー・ゼラズニイ】【創元推理文庫】【ウォーロック・アンソロジー】【飛行機械】
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「オリジナル版 懐かしのアニメソング大全(2) 1967~1968」 EMI

2018-09-24 | その他SF(スコシフシギとかも)
 1960年代から70年代にかけてのアニメソングをマイナー、メジャーに関係なく集めたオムニバス曲集。こういうアルバムはかなり出ているのだけれど、このシリーズはテレビ版音源メインなのが特色で、アルバム版でもカバー版でもなく、テレビで流れていたままなのが売り。「親指トム」も収録されているアルバムは他にあるけれど、冒頭の「Come on! Tom」のセリフが入っているのはこれくらいかな。
 姉妹シリーズの『懐かしの特撮ヒーロー大全』もおすすめ。

【オリジナル版 懐かしのアニメソング大全(2) 1967~1968】【EMIミュージック・ジャパン】【マッハGO GO GO】【パーマン】【冒険ガボテン島】【キングコング】【00 1/7親指トム】【ドンキッコ】【冒険少年シャダー】【ちびっこ怪獣ヤダモン】【スカイヤーズ5】【おらあグズラだど】【わんぱく探偵団】【ゲゲゲの鬼太郎】【巨人の星】【アニマル1】【サイボーグ009】【あかねちゃん】【ファイトだ!!ピュー太】【怪物くん】
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「日曜日には宇宙人とお茶を」 火浦功

2018-08-12 | その他SF(スコシフシギとかも)
 豪田家は由緒正しいマッドサイエンティストの家系。豪田みのりは、その一族の末娘。まだ18歳の美少女ながら、その発明品は周囲に次々と騒動を巻き起こす……。

 仮免マッドサイエンティストによるスラップスティックSFコメディ。
 ライトタッチのコメディSFに、SFマニアの評価が高いマンガ家のイラストを付けるのは当時のハヤカワSFの定番。これはJAながら、イラストには当時の作品内で吾妻ひでおと抗争を繰り広げていたいしかわじゅんを起用。このあたりのセレクトが時代性を感じさせます。今なら、もっと美少女美少女したイラストになりそうですよね。

【日曜日には宇宙人とお茶を】【みのりちゃんシリーズ】【火浦功】【いしかわじゅん】【ハヤカワ文庫JA】【SFコメディ】
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「女神にグッバイ」 岬兄悟

2018-08-01 | その他SF(スコシフシギとかも)
 三流会社のサラリーマンだった関ひさしは、彼にとって理想の女性である麻美と同棲しているが、彼女は人類の集合的無意識の世界アニマ・アムニスからやってきた魔女で、2人がセックスすると合体して両性具有の完璧な存在となってしまうのだ……ということはもはやどうでもよく、問題はひさしが会社の元・変態上司の杉山とゲイバーを経営することになったのだが、そこで店の常連から持ち込まれる探偵まがいの仕事を引き受けないと生活費が確保できないということだった……。

 1980年代に岬兄悟や火浦功らが軽く読めてテンポの良いライト感覚のSF作品で売り出すようになると、ハヤカワ文庫はすかさず取り込んで、これに読者層のかぶるマンガ家のイラストをつけて刊行し始めます。もともとSF好きなマンガ家やSFファンに評判のマンガ家をイラストに採用するのが得意でしたから。
 勢いで読んで何も残らないような作品ですが、とにかく面白かったのよ。まさにライトノベルの原点の1つ。後に徳間デュアル文庫から復刻されたのも納得です。

【女神にグッバイ】【ラヴ・ペア・シリーズ】【岬兄悟】【とり・みき】【ハヤカワ文庫JA】【SFラブコメディ】【プラトン】
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「百万光年のちょっと先」 古橋秀之

2018-05-25 | その他SF(スコシフシギとかも)
「百万光年のちょっと先、今から3秒ほど昔……」
 時代遅れの年代ものの女性型アンドロイドが、そんな語り出しで話して聞かせる、ちょっと不思議な物語の数々。星新一かロシア民話のようなショートストーリーが、『マップス』とか『いさましいチビのトースター』あたりの雰囲気で語られる……というか、伝えるのが難しいよね。
 不思議でひねくれていて、温かいかと思えば少し冷たく突き放し、不思議かと思えば当たり前で、勇敢な登場人物もいれば臆病な者もいて、そんな物語が幾つもヒロインの寝物語で語られる千夜一夜のショートストーリー集。

【百万光年のちょっと先】【古橋秀之】【矢吹健太明】【JUMP j BOOKS】
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「SFマガジン」 1983年8月号

2018-02-25 | その他SF(スコシフシギとかも)
 人から、この号でPBMが紹介されていると聞いて取り寄せ。この号から「今いちばんホットなSFシーン」として安田均の「SFゲームへの招待」の連載が始まり、その第1回のテーマが「バーサーカーとPBM」でした。
 SFとゲームの親和性というか、楽しむための基礎教養みたいな位置づけで、映画『E.T.』におけるD&Dの役割みたいな話から、フレッド・セイバーヘーゲンの「バーサーカー」シリーズの要素を取り入れたプレイ・バイ・メール「スターウェブ」を紹介する流れになっています。そして、この「スターウェブ」にバーサーカーが登場したのをきっかけに、またセイバーヘーゲンがスターウェブのようなゲームが登場する作品を書いたという顛末。
 これを読むとゲームをプレイしたくなりますよね。SFを読むだけから体験できるようになるわけですから。
 
 翻訳としてマレイ・ラインスターの「さびしがりやの惑星」が掲載されているのもポイントです。
 ラインスターは、20世紀半ばに活躍していた作家でファーストコンタクトとかパラレルワールドとかSFの1ジャンルの代表作を書き上げてきた人ですが、『地の果てから来た怪物』『青い世界の怪物』とか怪物SFを多く書いていたことでも有名。この作品も独特な怪物の存在が作品を印象づけています。

【SFマガジン】【1983年8月号】【早川書房】【司政官】【高飛びレイク】【SFエンサイクロペディア】【湯田伸子】【岬兄悟】
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「SFイズム 新編集長にバトンタッチ8号」 シャピオ

2018-02-19 | その他SF(スコシフシギとかも)
「私の書くものに目的があるとしたら、それは、人々のイマジネーションを活性化させる、ということだ」
 SFはエンターテイメントでなければならないと、ジョン・ブラナー。

 いろいろトンがった文学青年が作ったSF評論誌みたいな色が薄くなり、大学生のサークルでの温い会話みたいな記事が増えてきましたが、それでもジョン・ブラナーや川北紘一にインタビューしたり、野田昌宏・伊藤典夫・清水義範にがスターウォーズについて語り倒す座談会とか、SF文庫列伝「ソノラマ文庫」があったりと、メインの記事がしっかりしてますし、今読んでも面白いんです。梶尾真治や神林長平がコラムを書いているというのも、スゴい時代です。

【SFイズム 新編集長にバトンタッチ8号】【シャピオ】【みき書房】【とり・みき】【たがみよしひさ】【さえぐさじゅん】【鹿野司】【ゆうきまさみ】【日本アニメーション史とSF界】【富野アニメは不条理を超えて】【SF翻訳知ったかぶり】【愛國戦隊大日本】【香川大学SF研究会】【西崎まりの】【ゼネラル・プロトカルチャー/スタージョンの法則】【岡田斗司夫・武田康廣】
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「アニメ・パロディ・コミックス」 月刊OUT臨時増刊号

2018-02-18 | その他SF(スコシフシギとかも)
「基本的にホモネタパロディからの流れであったアニパロは女性の手によるものが主流だったのだが、ロリコンの血が入ることによってまた少しずつ変わった動きを見せ始めている」」
 米沢嘉博「戦後パロディコミック史」より。

 「月刊OUT」にしばしば掲載されていたアニメパロディが好評であったため、旧作の再録に新作を加えて臨時増刊号として刊行されたもの。これが好調で号を重ね、やがて「アニパロコミックス」として独立することになる。
 アニパロといっても、ただ、アニメのキャラだけを使ってまったく別の話をやる「勝手にスターシステム」「新春スター隠し芸大会」というようなものが多く、そういうのは今読むとたいして面白くないのだけれど、原作のシーンとシーンの間にもう1シーンを追加することでまったく別の印象を生み出した(感動のシーンが爆笑になった)番武の「カリオストロの城」とか、原作の展開が途中から全く別の物になる樋口紀美子の「カリオストロの城」とかまたまた番武の「WBの招かざる客」、ゆうきまさみのアニパロ全再録とか好きな話が多いので捨てられず。

 ちなみにここにも収録されている岩崎摂「My Home ギジェ」はデフォルメされた「伝説巨神イデオン」のキャラが活躍するホームドラマで、それこそ「勝手にスターシステム」によるものなのだけれど、これが今隆盛となっている「4コママンガの連続でストーリーマンガにする」形式の元祖と言われてます。これ以前はないと思うけれど、もしあれば教えて下さい。

【アニメ・パロディ・コミックス】【月刊OUT 1982年7月号臨時増刊号】【浪花愛】【岩崎摂】【ゆうきまさみ】【やぎさわ梨穂】【樋口紀美子】【番武】【巣田祐里子】【榎野彦】【留止】
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「SFイズム 遅れても元気な16号」 シャピオ

2018-02-15 | その他SF(スコシフシギとかも)
 特集は「活字SFを浸蝕する少女と美女たち」。パソコン通信ニフティサーブの「SFファンタジー・フォーラム」で、ソノラマ文庫やコバルト文庫などのようにマンガやアニメ的なイラストが表紙になった書籍の総称として「ライトノベル」が考え出されるより5年前ほど前ですが、キャラクターのビジュアルに脚光があたるようになり、男の手に負えない女たちって魅力的だよね、やさしい方が好きかしら、外宇宙人と恋をした……とにぎやかな特集です。川原由美子によるエイリアン・シリーズ「ゆき&リマ」のイラストが掲載されたのもこの号。
 とにかくSF美女ならつぎ込んでも数百円で、メシを奢らされたりホテルに行ったり金を使わないぞ!みたいな話だったのですが、特集最後の記事の結論が、SF美女を知ろうとコバルト文庫に手を出してしまったが氷室冴子は面白かった、氷室冴子がSFかどうかなんて関係ない。

「はっきり言って、買ってきた本の中では氷室冴子『多恵子ガール』の多恵子が一番かわいかったしい。普通の女の子が普通にかわいいというのが、一番感動的なことなのであると思うんだもん」

 身もふたもありませんね。
 そして今回もSFイベントレポートがたっぷりですが、長野で開催された「ローカル・リフレッシュ・コンベンション」のレポートを書いているのが田中芳樹というのに今となっては大笑い。よく締め切りまでに書けましたねと。

 それから「あかるいSF仲間」はまだ続いていて、今号は「おかあさんといっしょ」。執筆者名が早見裕から早見裕司になっているのに注目で、そこで「斉藤由貴の『スケバン刑事』に第17回星雲賞メディア部門を受賞させてみませんか。私は本気だ」の宣言があります。さすが『メイド刑事』の生みの親。この頃からぶれてません。

A君「あの……さっきから気になっているんですが、今回とてつもなく性差別的な内容なのではありませんか?」
Z先輩「なーに、SFファンの多くは、性差別的なんだ。というより、現実の中では異常に引っ込み思案なのさ」
A君「作者にもフォローできない、過激な意見ですね」


【SFイズム 遅れても元気な16号】【シャピオ】【みき書房】【とり・みき】【たがみよしひさ】【米田仁士】【めるへんめーかー】【ひろぽっぽ】【逆井鋭二】【川原由美子】【カエアンのセーラー服を脱がさないで】【ハイパー・リップス】【理想の宇宙はかわいい女の子パワーで成り立っているのだった】
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「SFイズム 12号売ります」 シャピオ

2018-02-14 | その他SF(スコシフシギとかも)
 今回はSFビデオ症候群を特集として、ビデオになった日本未発売の作品やらケチャップムービーやらの紹介をしつつ、1984ゴジラのレポートとか。
 この特集の一環として早見裕による「SFビデオ新ドローム 〈あかるいSF仲間〉みんなともだち」が掲載。NHK教育(Eテレ)ののりでSF研の“A君”と“先輩”がビデオテープの貸し借りを巡って会話を続けるだけの4ページなのに、すごく面白くて笑えたんですよ。ビデオテープは高いからバイトしないといけないし、コマーシャルを抜かなきゃいけないからサークル活動をする暇が無いというSF研やアニメ研の危機を語ったり、裏ビデオの危険性について説いたり、録画するだけして見る暇が無かったり。

先輩「たまに観返す時も、ピクチャーサーチでとばしながら、好きなシーンだけパラパラ観てしまう」
A君「まるで読書法みたいですね。つんどく、とばし読み。斜め読みは?」
先輩「三倍速やサーチで画面を流して、観た気になるのがそうだね。もっとひどくなると、作品をバラバラにしてしまう」
A君「ああ、ケースを分解して……」
先輩「それは税関逃れの話」

 それから、エゾコン2など各地のSF大会やイベントのレポート等もたっぷりで、「噂の真相」っぽさは消えてます。なんというか、SF大会の宴会でテーマごとにみんな好き勝手にしゃべっているような雰囲気の紙面です。

「私は、炎の少女チャーリーです」
「ちなみにこの人は、炎の少年チャーリー・ブラウンです」
「ついでにこの人は、炎の中年チャーリー湯谷です」
 それがどーしたんだよ

 この頃がいちばん好きかな。ゆうきまさみがいろいろカットを描いているのもこの時期です。

【SFイズム 12号売ります】【シャピオ】【みき書房】【とり・みき】【たがみよしひさ】【SFビデオ新ドローム】【梶尾真治の部屋】【新井素子七変化】【仔猫ちゃんのいる店】【西崎まりの】【ゼネラル・プロトカルチャー】【早撃ちケンの大冒険】【鹿野司】【ゆうきまさみ】
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「SFイズム さすらいの誌面刷新7号」 シャピオ

2018-02-13 | その他SF(スコシフシギとかも)
 発行がSFイズム社からシャピオに変更されてますが、発行人は変わらず。後記で「新しいことをはじめる時は正義ブリッコするな」という言葉を引用しておいて、そのすぐ後に続けて「SF界の不良児、言いたい放題問題児『SFイズム』--という冗談の解説をする客は寄席でも下の下の客なのでしょう」と喧嘩を売ってます。正義ブリッコしちゃいけないと心がけるなら、周囲から不良児・問題児といわれたってむしろ本懐じゃないかと思うのですが、そう評する相手を「下の下の客」と言い切る編集部の屈折具合が感じられます。

 読み物としては、梶尾真治が岡山SFフェスティバルのレポートを書いていたり(イラストはもちろん百鬼丸)、創元にSF部門を創設した編集長・厚木淳のインタビューを掲載したり、当時話題の「さよならジュピター」やゼネプロ版「帰ってきたウルトラマン」などの記事もあり、読んで楽しい雑誌でしたが、「さよならジュピター」の記事の1/5が先号の「SF年鑑」の記事に関する補足だったり、タイトルロゴのない記事もあって気がついたら別の記事を読んでいたりとか、やはりどこか同人的な臭いは消しきれていませんが、そこが味だったのです。

【SFイズム さすらいの誌面刷新7号】【シャピオ】【とり・みき】【たがみよしひさ】【SF文庫列伝 創元推理文庫の巻】【「さよならジュピター」プログレス・レポート】【「帰ってきたウルトラマン」ゼネプロ・ショートインタビュー】【手塚真】【異郷の編集者・半村良】【野口幸夫の知ったかぶりSF翻訳】
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「SFイズム 創刊やっとこ2号」 SFイズム社

2018-02-12 | その他SF(スコシフシギとかも)
 80年代にいろいろ出ていたSF専門誌の1つで、マイナーなことで有名。作品掲載より、その周辺を楽しむためのもの。
 第一特集は「さわらぬ筒井康隆にたたりなし!?」で、飯田耕一郎やの小説や高井信や岬兄悟らのエッセーを載せる一方で、座談会では「筒井康隆ってコンプレックスのかたまりって気がする」「ナンバーワン志向、モロだもん」とか、特集された人が嬉しくならない内容。
 第二特集「さようなら『SF宝石』」で座談会をやってたりしますが、「『SF宝石』は、SF雑誌の中では原稿料は良いほうだった」とか、雑誌「噂の真相」がブイブイ言わせてた頃なので、ああいう反権威スキャンダリズムな誌面を作りたかったのかなあと思いますが、良くも悪くも学生気分の抜けてない雑誌でした。

【SFイズム 創刊やっとこ2号】【SFイズム社】【SF覆面座談会】【あまりに酷すぎるぞ早川VS徳間戦争】【早川の5年年期奉公】【サンリオSF文庫とはいったい、何者なのだ】【ウォーゲーム】【少女マンガって何でできてる?】【SF古本屋見いつけた】【天津甘栗】【都筑道夫】【エンターテイメント小説の書き方を伝授しよう】
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「ゼルコ」 すとれえと☆きやっと

2018-02-04 | その他SF(スコシフシギとかも)
 学生時代に徹夜でハイになった勢いで、下宿に集まった4~5人で描き散らかしたイラストを集めてオフセット出版したもの。さすがに印刷の時には冷静になっていたので、30部か50部しか刷ってないと思います。
 テーマは「駄菓子屋のインチキお菓子にプリントしてあるような、アニメや特撮の作品を似せないように描いて版権をクリアしたやつ」。ダンバインに見えるけど違う、流星号みたいだけれどガウォークになってる、ミンキーモモみたいだけれど顔が違う等々。タイトルの「ゼルコ」も、グリコのキャラメルによく似た名前の「ゼリコ」という駄菓子があり、それをさらに変えて分かりにくくしたしたものです。
 大掃除してると出てくる、若気の至り。

【ゼルコ】【すとれえと☆きやっと】【C.S.Map】【ぱちもんイラスト集】
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「アイ・オブ・キャット」 ロジャー・ゼラズニイ

2017-12-19 | その他SF(スコシフシギとかも)
 直訳したら「猫目」。

 引退した宇宙狩人のビリー。恒星間を飛び回り、数多の異星生命体を捕獲してきた名人だったが、その彼が国連に召喚されてしまう。異星文明との通商条約締結を目前に、相手星の過激派が送り込んできた暗殺者を阻止せよというのだ。
 彼は相棒として、かつて捕獲した変身獣キャットの助力を求めることにした。キャットは最強の生命体であるが、ビリーを殺したいほど憎んでいた……。

 『惑星間の狩人』とか『明日の狩りの詞の』とか『ベムハンター・ソード』みたいな、宇宙生物ハンターの冒険譚。
 地球人類が今までまともに戦ったことのない宇宙人が相手ということで、軍隊とか傭兵ではなくハンターに白羽の矢が立ちます。相棒は主人公の命を狙うキャットのみ……というハードボイルドな活劇です。

「子孫よ、われらは虹の上に立つのだ」

……というか、このあたりのゼラズニイは1回や2回読んでも、話の構成がどうなっているか分かりにくいのです。

【アイ・オブ・キャット】【ロジャー・ゼラズニイ】【創元推理文庫】【変身獣】【ブラックホール、オークションにかけられる】
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「ボクの初体験」 弓月光

2017-05-15 | その他SF(スコシフシギとかも)
 女子のいじめに耐えかねて自殺した高校生・宮田英太郎は、17歳の少女・春菜として蘇った。
 孤高の天才医師・人浦狂児が、脳腫瘍で早世した妻の肉体に、英太郎の脳を移植したのだ……。

 非合法の脳移植から始まる、スラップスティック・コメディ。転生やり直し系復讐譚の原点と言えなくもないかな。
 なろう系などのライトノベルの異世界転生もので、男性が女性に、女性が男性に転生するものはちらほらあるけれど、異性に転生したことによる違和感が描かれない(ストーリーに活かせてない)作品に対して、「どうしてわざわざ異性転生の設定にしたの?」と必然性を問いただしたくなるのは、これを一番最初に読んでいたからからだと思います。気になるのです。男が女になる、女が男で生じるトラブルとかイベントっていろいろあるだろうに、と。
 昔に購入した分が倉庫の奥に埋もれてしまったので、全3巻のマーガレットコミックス版を2冊に合本した ジャンプスーパーコミックスで再購入。装丁が安っぽくて残念。残念といえば、同時収録がスキーマンガ「白い変人たち」なので、ここは統一性をもって後日譚である「手術しちゃうから!」を収録して欲しかったな。

【ボクの初体験】【弓月光】【集英社】【創美社】【JUMP SUPER ACE】【脳移植】【パズル】【妊娠】【出産】【トラック事故】
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