付け焼き刃の覚え書き

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「福家警部補の挨拶」 大倉祟裕

2014-02-21 | ミステリー・推理小説
 連続ミステリードラマ『刑事コロンボ』に惚れ込んだ著者らが、そのTVプログラムに倣って警察官らしからぬ刑事を主人公に据え、手がかりや伏線を詰め込んだ倒叙形式のミステリ短編集を書きました。
 その中でも4篇めの『月の雫』は、いかにも刑事コロンボ第19話「別れのワイン」を意識してますよね。酒造りに全身全霊を賭けていた酒造家が酒を守るために殺人を犯し、酒を愛しているが故に犯行が露見するという構図が同じです。もっとも、犯人を特定する決め手になったのが、同じく第28話「祝砲の挽歌」におけるリンゴの密造酒ネタだったりするので、単純な倒叙ミステリというより、コロンボという作品のパスティーシュとして愉しんでしまいます。
 ただ、このシリーズが『信濃のコロンボ』とか『古畑任三郎』のような、同じくコロンボをパスティーシュした先行作品と違うのは、探偵役が小柄で童顔な女警部補というあたりで、いかにも今風ではあるけれど、現場に駆けつけては検問の警察官や容疑者から警察官と思われなくて一騒動というあたりのお約束はきっちり押さえてます。
 そして、あえて違いを指摘するなら、このシリーズではまだ犯人役のセレブ度が低いです。まだまだ庶民的すぎます。

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コメント
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