付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「王国へ続く道1」 湯水快 

2015-10-16 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 エイギルにとって世界とは薄暗い牢獄のような部屋と闘技場でしかなかった。
 優れた戦士として見世物の戦いを生き延び、やがて逃げ出して傭兵崩れの盗賊団に加わった後も、彼の世界はそんなに大きなものではなかった。幾つかの町と街道と山林だけが世界の全てだった。
 その彼の世界を押し広げたのは、押し入ってきた盗賊団を皆殺しにした美貌の吸血鬼ルーシィだった。彼女は文字も知らない少年に知識を与え、身体を与え、そして血を啜った。
 だが彼女はエイギルが自らの愛人として生きて死ぬことも良しとしなかった。

「好きなように生きなさい。自分が望むことをして、自分が正しいと思う道を歩みなさい。貴方が自分で決めた道を愉しく歩くことが私の望みです」
 吸血鬼ルーシィ=ユークトヴァニアは広い世界で生きろとエイギルを送り出したのだ……。

 剣奴隷として育った年齢も不詳な少年が、己が振るう剣1つで成り上がっていく王道ファンタジーで、ウェブ小説で年間ランキング1位を獲得した大河戦記。グイン・サーガとか蛮人コナンとか、あんな感じ。ただし、掲載されているのがR18のノクターンノベルズなので、当然のように性欲も旺盛。中央平原の種馬。
 ただ、エイギルの場合、相手の女性を全部抱え込んで幸せにしようとするので、読んでいて不快感はありません。そもそも女好きのただのバカだし。たとえるなら相手の女性を不幸にしない、脳筋系の光源氏じゃないかと思います。なんだ、そりゃ。

【王国へ続く道1】【湯水快】【お風呂足つぼ】【日陰影次】【AVALON NOVELS】【ホビージャパン】【WEB発超王道戦記ファンタジー】【剣闘士】【盗賊】【餓狼】【冒険者】【トマト売りの少女】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする