付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「人狼への転生、魔王の副官10」 漂月

2018-09-07 | 異世界転生
「女性の心は風のようです。目に見えず、捕らえることもできませんが、確かに私の鱗を震わせるのですよ」
 双剣の達人、蒼騎士パルツェの言葉。

 太守アイリアが第三代魔王に就任し、軍の再編や後継者の育成も着々と進んでいる。
 そんなところに海を渡った南の国クウォールの国王から親書が届いた。沿岸部の諸侯との関係が悪化しているため、魔王軍に治安維持に力を貸して欲しいというのだ。しかし、その国王と諸侯の対立のそもそもの原因が国王の浪費による課税の強化ということなので、積極的に助けに行く義理もない。しかし、重要な交易相手ということで無視もできず、魔王軍は商船の保護と情報収集のために外交官と小部隊の兵士だけを送ることにした。
 ところが、予想通り状況が悪化していく中、外交官として送り出したパーカーが行方不明になってしまう……。

 神話的背景はないけれど、エディングスの『ベルガリアード物語』みたいに、骨太で波瀾万丈の物語をユーモアたっぷりの軽妙な語り口で展開させる転生ファンタジーももう10巻。ひとことでいうと、傭兵は有能なほどたちが悪いって話。
 イラストもクオリティは高いまま。単純に絵が巧いとかいう話ではなく、本文をしっかり読み込んで、文中で描写されているかどうかに関係なく、その場に居る人すべてがどのような表情でどんなことをしているかを映し出そうとしている仕事の丁寧さです。これができる人はそんなに多くないんですよ。

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