付け焼き刃の覚え書き

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「異世界修学旅行DX」 岡本タクヤ

2018-09-12 | 異世界転移・召喚
 『異世界修学旅行』の本編ではなく、読売中高生新聞に掲載された、毎回1つのテーマをお題に登場人物たちが雑談を繰り広げるウダ話集な外伝短編集。すごく分厚くて、本編の倍くらいあります。

「おぬしが先ほど言うたように文学そのものの定義とはあやふやなものなんじゃろう。じゃが、戯曲とは、俳句とは、小説とは--と個別に一定の定義が可能なように、ライトノベルというのもまた、なんらかの定義づけは可能なのではないか?」
 プリシラ王女の宝田への問い。
 作者の数だけ、そして読者の数だけライトノベルがある……と逃げているけれど、そもそも論に戻れば簡単な話なんよ?

 そもそも1980年代にニフティサーブの掲示板で、ソノラマ文庫やコバルト文庫みたいに、表紙イラストにマンガ絵やアニメ絵を採用した若者向けの文庫本を「ライトノベル」と呼ぼうと、新たな言葉を作り、その内容ではなくパッケージの区分として定義されているのだから、それ以上でも以下でもないのです。それをライトノベルという言葉だけ聞きかじった半可通が、勝手に汎用性のない独自解釈を広めたから混乱しているだけなのです。新たな定義をするなら、山ほど例外が出たり、1年ごとに再定義が必要なものにしちゃいかんです。
 そんな「オレの考えた、最強のライトノベルの定義」みたいなものがいくらでも出てくるあたりは、いかにも中高生がメインターゲットのパッケージらしくありますが。

【異世界修学旅行DX】【岡本タクヤ】【しらび】【ガガガ文庫】【異文化コミュニケーションコメディ】【読売中高生新聞】
コメント
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