「人は本当においしいものを食べた時は、「おいしい！」とか「すごい！」など叫ばず、ただただ呆然とするものなのだ」新宿奪還のため日本各地から中級以上の冒険家が集結し始めた。ここを放置したままだと、やがてあふれ出した魔物が日本中に広がりかねないからだ。しかし、それによってダンジョン産の熱石など物資の補給が滞り始めていた。
晴輝はその穴を埋めるべく、中札内ダンジョンに潜るのだが……。
存在感が無くて、目の前で声をかけても自然にスルーされてしまう空気男が、なんとか存在感を強めて注目を浴びようとダンジョンで戦うのだけれど、強くなればなるほど存在感が薄くなる悲劇。隠密行動、潜伏能力は冒険家には必須の技能ですが、居酒屋で打ち上げをしていても他の参加者から「もう帰ったのか」と見えなくなるのは悲喜劇。
既に周囲では怪談扱いされていて気の毒な話ですが、存在をアピールしようとするうちに主人公がどんどん化け物になっていくのを楽しむのが、この話の醍醐味なわけです。今回はどこまで人間をやめちゃうんだろうと。
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