訳も分からないままソーシャルゲーム風の異世界に転移させられた400名の高校生たちは、このゲームをクリアしないと元の世界に戻れないと告げられる。死んでも復活できるとはいうものの、プレイヤーたちはソシャゲよろしくそれぞれＳＲとかＵＲとかレアリティが設定され、レアリティが低い者はどう頑張っても戦い続けるだけの力が得られない。新井忠次は自身のレアリティが中途半端な「Ｒ」である上に他の生徒たちとの折り合いが悪く、パーティーを組むことができず、１人で戦わざるを得なくなっていた。しかし、ちょうどその頃、１人孤立したエリアに転移してしまった美少女・神園華は、脱出することも叶わず、飢えと孤独の中でただ死と生を繰り返しながら狂い続けていた……。
カードゲームとかソーシャルゲームを題材にした異世界小説って、ゲームの扱いがＲＰＧ以上にお手軽で作り物っぽい印象の作品が多くて敬遠していたのだけれど、読み始めると面白くて一気読み。ただ、一般的なＶＲゲームのデスゲームものと違って、死んでも復活できるというのは、こういう話では福音というより呪い。いきなりヒロインが壮絶な境遇からスタートしますし、みんなそれぞれにトラウマやら腹に一物抱えていて真っ黒で、非常にギスギスした話です。友情？ 努力？ 勝利？ なにそれ、おいしい？ ソーシャルゲームの基礎知識がないと、死ぬより酷い境遇に追い込まれます。
主人公に対するヒロインはとりあえず華ですが、これは既に完全に壊れてますし、本命は別行動の学園のマドンナ、御衣木栞ですが、この人も一見すると聖女ポジですが、中身は分かったもんじゃありません。
【ソシャゲダンジョン１～レア度Ｒの反逆】【止流うず】【大熊まい】【レジェンドノベルス】
