付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「日々是好日」 原作:森下典子

2019-08-06 | エッセー・人文・科学
「いつでもやめちゃっていいのよ」
 たまに美味しいお茶を飲みに来るくらいでもいいのと武田先生。

 生真面目な努力家でおっちょこちょいと評される20歳の典子は、「本当にやりたいこと」を見つけられないまま大学生活を送っていた。竹を割ったような性格で、なんでもちゃきちゃき決めてどんどん先に進んでいく従姉妹の美智子をうらやましく思っているけれど、今さら自分は変えられない。
 ところが、その美智子がタダモノではないと噂の「武田のおばさん」にお茶を習うと言いだし、典子も流されるように茶道教室に通い出すのだが……。

 エッセイスト森下典子が約25年にわたり通った茶道教室での日々をつづり人気を集めたエッセイを映画化したもので、「20歳のワタシが、アラフォーになるまで。」と評したら、「もっとテーマが明確でわかりやすいよ!」と妻に反論された。納得。
 いろいろ理由の分からない「決まりごと」が多い世界に「そういうものよ」と受け入れさせられているうちに、自分の中身と周囲の状況はめまぐるしく二転三転するけれど、お茶の世界だけは変わりません。一期一会に日々是好日。主人公の苦しい思い、もどかしさ、喜びと悲しみ、後悔と懺悔。そんなものが色鮮やかな日本の四季の風景とともにぐんぐん流れていきます。
 満席の上映会ではそこかしこからクスクス笑いやドッと笑いが出るようなシーンも多かったですが、とにかく色彩と音が印象的な映画でした。

 あと雑感。
 最初の初釜のときのお弟子さんたちの目力が強すぎて怖かった。
 和服のおばさまたち、足が速すぎ。
 期待の天才、高校1年のひとみちゃん、あっという間に駆け抜けて消えてった。

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