付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「蓬莱学園の航海!2」 やなせじゃこう

2019-08-24 | 学園小説(不思議や超科学あり)
 「航海!」は2巻完結。本当は1冊に収めたかったけれど、そうすると分厚くて読みにくくなるんだよね。自分が手にとって疲れない厚さということでの二分冊です。

 さて、今回のテーマは太平洋の船の旅。蓬莱学園!といいつつ、いきなり島の外に出てしまったわけですが、これは90動乱当時まで遡る話。当時の生徒会選挙で「学園独立」を公約にして犀川執行部が勝利して、いきなり犀川執行部が吹き飛ぶような紆余曲折あっても「独立するぞ!」でネットゲーム90が終わったと思ったら「独立反対」政権が誕生し、いつの間にかうやむやになっていたので、やはりプレイヤーが動かなくてはと、パソコン通信フォーラム「蓬莱BBS」上で「蓬莱学園を中世の大学のように世俗権力とは隔絶した組織にする」を目標にあれこれ企画していました。その1つが巨大船を分校扱いにして太平洋地域を漫遊し、存在をアピールして独立の布石にしようというアーパス計画です。ところが、これもオフィシャルに採用されたと思った瞬間、利権まみれの汚職ネタにされ、あげくは母船の予定で購入したタンカー〈あやめ〉が嵐で座礁して頓挫。頑張っていた外務委員や独立問題調整委員たちの心を折ったエピソードとなります。

 頓挫したアーパス計画でしたが、海洋冒険のネタとしては面白く思えたし、ネタもそれなりに練り込まれていたので座礁させたままにするのはもったいない。もったいないの精神がPBMでは大事なのです。ここで使うのはムダだからと大事に温めたネタを捨てる思い切りの度胸と、あとで使えるからとこっそり拾い直して保管しておく貧乏性の2本柱は創作者の資質じゃありませんか?
 そろそろほとぼりも冷めただろうと「Posta☆Tale」で使い回しの企画準備を進めていたら、それがたまたま蓬莱学園FCとつながって、「ならタイアップしてやったら面白くない?」ということで実現の運びとなった次第。出航を見送るシーンは当時のプレイヤーたちへの鎮魂歌でもあるのです。

【蓬莱学園の航海!2】【やなせじゃこう】【はざましゅんいち】【ゆに】【しろさい】【ぽすたる☆ている】
コメント
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