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付け焼き刃の覚え書き

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「ホビット~決戦のゆくえ~設定画集」 ダニエル・ファルコナー

2022-07-06 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「この甲冑を作成したのは、彼のボディガードが着ている甲冑を作った職人と同じ人物だろう」
 デザイナーの1人、Wetaのフランク・ヴィクトリアは港の街の頭領の身につけている甲冑デザインについて検討した。

 ピーター・ジャクソンが監督した映画『ホビット』 の第三部「決戦のゆくえ」を制作するにあたって描き上げられたスケッチからイラストまで1800枚以上のコンセプトアートワークを収録し、映像化までのアーティストの証言をまとめたもの。それこそドラゴンの鱗の1枚から街並、壁に貼られているメモの中身、兵士たちが装備している武器のあれこれまでみっちり。
 武器や防具においても原作の描写を踏まえてなお、それを身につけている(モブキャラを含む)各人の個性や経歴や地位、あるいは種族としての特徴を想像しながら創造していきます。映画『ロード・オブ・ザ・リングス』のメイキング映像でも、各種族や国毎に異なった装備と武器に応じた戦技まで創造していましたが、それは『ホビット』においても踏襲されています。まさにマニアが書いた小説のフリークが金と知識と想像力と時間のありったけをつぎ込んで生み出した作品群です。
 こういう作品を21世紀開始早々に観てしまっているものですから、アニメの設定や小説のイラストでもこれが評価の基準になってしまいました。季節や気候を感じられない風景、地域性や歴史の重みを感じられない街並、生活感の感じられない部屋、着こなしや個性の感じられない衣装や装備……そんなものは落第です。背景を描かない、キャラの動きが感じられない、いつどこの光景か分からないイラスト……論外です。そんなカットを描くくらいなら白紙にしておけ……そんな原理主義に陥ってしまうこともありますが、逆に言えばそれができてナンボの異世界創造です。

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